道路脇の雪はますます増えていき、きれいな景色が続いた
 けれど、
私はしばらく放心状態のままだった。

      車も沙羅もそこら中が泥んこである。
      助けてくれたおじさんのことを思い出して、
      少し、あったかい気持ちになった。


 
 またまた大幅に予定オーバー。

  けれど世間の休日の終わりである反対車線の渋滞を見ながら、
  自分だけスイスイと走るのは気持ちのいいものだった。
  休日の終わりではない方向へ・・・


 
 やっと鳥取砂丘に着いたのは6時半だった。

  雨は降っていなかった。
 雪は少し残っていたけれど、それほど寒くもなかった。

  沙羅とふたりで、砂丘に降り立ち、強い風に吹かれた。

  さて、今夜はここで野宿だ。
 
  どこかで、晩ごはんを仕入れて来ないといけないし・・・


  とりあえず、砂丘を離れて鳥取市街めざして車を走らせる。

 
 どこかにコインランドリーはないかな?
 泥んこになった毛布とシートカバーを洗おう。


  あった!

  大型洗濯機が毛布とシートカバーを洗ってくれている間に、
 買い物に行く。

  スーパーでお酒とお総菜とお寿司を買って戻ってきて、
 洗濯物を乾燥機に移して再び町をウロウロする。

  最初のうちはちゃんとコインランドリーのある場所を把握して
 いるのだが、たくさんの曲がり角を曲がるうちに、だんだん位置
 がわからなくなってくる。
  道に迷うと、鳥取砂丘への標識を見つけて、砂丘の近くまで
 行って、また道を思い出しながら帰ってくる。


  そうこうしているうちに、洗濯物はふんわりと仕上がった。

  きれいになったシートカバーを再び沙羅の足下に敷いて、
 いざ砂丘へ・・・

  沙羅と車の中で泊まるのはこれで二度目だ。

  上着やバスタオルやマットなど、あらゆるもので車の窓を
 覆った。
 明るいと眠れないからだ。


  さあ 晩ごはん。

  そして酔っぱらって、寝てしまう。 いつものパターンだ。


          つづく

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