比例定数80削減で 民主党一党独裁に

少数政党は締め出しに

 菅直人首相が枝野幸男民主党幹事長らに「8月中に民主党内でとりまとめ、年内の与野党合意」を指示した国会議員の定数削減問題。衆院で比例定数を80、参院では40程度減らそうという内容です。比例定数削減はどのような事態を生み出すのでしょうか。

比例定数80削減した場合の議席占有率の変化を表すグラフ(民主党が全議席の68.50%を占める) いま衆院の総定数は480議席です。このうち、300議席は定数1の小選挙区で選び、残りの180議席を全国を11に分けた比例ブロックで選びます。

 民主党案はこの比例部分を80削減し、定数100にしようというもの。各ブロックの定数は四国で6→3、北海道で8→4、中国で11→6、北陸信越で11→6など大幅に減り、民意を正確に議席に反映する比例代表制の長所が大きく損なわれ、大政党に有利な仕組みに“変質”してしまいます。総定数に対する小選挙区の比重は62.5%から75%に一挙に高まり、これまで比例代表で議席を得ていた少数政党が締め出されるおそれがあります。

 民主党が主張する比例定数80削減がいかに民意を切り捨てることになるか。2009年総選挙結果で試算するとその害悪が浮かび上がります。

 民主党は比例代表42.41%の得票率で、小選挙区も含め衆院議席の68.50%を占め、1党だけで3分の2以上の議席を得ることになります。自民党の議席占有率は比例得票率とほぼ同じ。一方、日本共産党はじめ、ほかの党は30.86%の比例得票率を得ながら、議席はわずか8%に押し込められます。

民主単独で「再議決」可能

 比例定数80削減によって民主党単独で3分の2以上の議席を占める―これは何を意味するのでしょうか。

 先の参院選結果、野党が参院で過半数を占め、衆院では民主党など与党が過半数を維持する与野党逆転となっています。

 菅首相が「与野党が合意をしなければ法案が通らない、政策が実行できない」(7月30日の記者会見)と述べたように、政府・与党提出の法案が衆院で与党の賛成多数で可決できても、参院で野党が反対すれば法案は成立しません。ところが、図下のように、参院で否決されても、衆院で3分の2以上で再議決し、成立させることができます。(憲法59条)

 07年の参院選で過半数割れとなった当時の自民・公明の与党は参院で法案が行き詰まると次々再議決を使い、海外での自衛隊の武力行使に道を開く「海賊対処」派兵法や新テロ特措法、大企業優遇減税を優先する租税特措法などの成立を強行してきました。民主党の3分の2以上の議席占有は、参院で法案が否決されても、同党単独で再議決が強行できることになります。まさに「一党独裁」です。

児童扶養手当 父子家庭も対象に支給

該当する方はお早めに市役所国民年金課へ申請を!

 低所得の母子家庭に支給される児童扶養手当の対象を父子家庭に拡大する改正児童扶養手当法が1日に施行されました。政府の試算では約10万世帯の父子家庭が新たに対象となります。

 受給資格は18歳以下の子どもの人数によって異なります。子どもが1人の場合は年収365万円未満の世帯が対象で、支給額は収入に応じて月9850円〜4万1720円です。

 受給には市町村への申請が必要で、住民票など世帯状況がわかる書類と所得状況が分かる書類を提出します。

 支給は4、8、12月の年3回。前月までの4カ月分が支給されます。今回新たに対象となった父子家庭は11月30日までに申請すれば8月分から支給されます。12月以降に申請した場合、申請した月の翌月分からしか支給されません。

 改正児童扶養手当法は5月の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。

 日本共産党は、年間就労収入300万円未満の父子家庭が37%に上る中、「母子、父子で区別されて支援が受けられない不公平はただちに見直すべきだ」(09年5月25日の参院予算委員会で山下芳生議員)と国会で繰り返し要求。国民の運動と結んで、父子家庭への支給実現に力を尽くしてきました。

バナースペース

上原けんさく事務所

〒577-0816
東大阪市友井2-9-21

TEL 06-6730-5840
FAX 06-6730-5850