「育休切り」「産休切り」許さない!

育児・介護休業法改正案 実効あるものに

 3歳未満の子どもをもつ労働者の短時間勤務制度や残業免除制度を企業に義務付ける育児・介護休業法改正案が21日、閣議決定され、国会に提出されました。

育児・介護休業法改正案とは

 今国会に提出予定の育児・介護休業法改正案の柱の一つは、育児休業後に職場復帰して働き続けられるための短時間勤務制度(最低6時間)と、残業免除制度です。

 現行では、両制度にフレックスタイムや時差出勤、託児施設の設置などを加えた選択肢から、事業主が選ぶ方法のため、短時間勤務制度のある企業は約3割、残業免除のある企業は2割強にとどまっています。

 改正案は、短時間勤務と残業免除の制度を独立の制度として企業に義務付けました。

 ただ、対象は子どもが3歳未満と非常に短く、労働組合などが、強く希望していた「就学後も」は見送られました。

 もう一つの柱は、男性の育児休業取得の促進です。育児休業を取得したい男性は、3割を超えていますが、実際の取得率は1.56%です。

 男性が育児休業を取りにくい要因の一つである休業中の賃金保障(現行は暫定措置で5割)は改正案では改善されていません。

労組や女性団体が実効ある改正求める

 育児休業や産前産後休業の取得を理由に、解雇・退職を迫られるなど、“育休切り”や“産休切り”が、厚生労働省の調査でも急増しているもとで、労働組合や女性団体は、実効ある育児・介護休業法改正を求めています。

育児・介護休業法改正案のポイント
  現行法 改正案
短時間勤務制度と残業免除の新設 短時間勤務と残業免除は選択肢の一つとして事業主に実施義務 単独の措置として事業主に義務付け。対象は3歳未満の子どもがいる労働者
父親の育児休業促進 配偶者が専業主婦(夫)などの場合は労使協定で取得対象から除外できる。ただし産前6週、産後8週以内は取得できる 配偶者が専業主婦(夫)などの場合の除外規定を廃止
父親と母親が取る場合も育休期間は子どもが1歳まで 父親と母親が取る場合、育休期間は子どもが1歳2カ月まで
育休の再取得はできない 産後8週間以内に父親が育休を取ると再度取得が可能に
子どもの看護休暇 小学校入学前の子どもを持つ労働者ひとりに年5日。子どもの病気やけがの世話のため 小学校入学前の子どもが2人以上の場合、年10日。子どもの病気に加え、予防接種や健康診断の受診でも可
介護休暇 なし 通院のつきそい等に短期休暇制度創設。要介護者1人に年5日、2人以上10日
企業名の公表 なし 厚労省の勧告に従わない企業名の公表

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