上原けんさく 派遣の実態も示し、対策求める
先週に引き続き、上原けんさくの個人質問について紹介します。
いま社会問題になっている派遣労働の実態を取り上げ、8点にわたって、雇用と労働を守る施策の提案・要求をしました。
人間の尊厳ふみにじられる派遣労働の実態
上原けんさくは、45歳のある男性派遣社員からの聞き取りを紹介。
働き始めた30代の当初、最高で29万円ほどだった賃金が、働き始めて1年の間に15万円前後にまで下がり、やめる前には12万円前後に。賃金明細も発行されず、「同じように働いていても、給料が上がったり下がったり」「自分のどこが悪いのか」と疑問を抱きながら働いていたこと。こうした人間の尊厳をも踏みにじられるような働かされ方のなか、彼は胃腸炎など6つの内臓疾患、さらにうつ病と診断され、とうとう働けなくなりました。
また、ある会社に届けられた派遣労働者の売り込みのチラシにを取り上げ「厚生年金・雇用保険も必要ない」「労務費を削減できる」「お連れいたします」「正直、安い単価でお請けすることも可能です」と書かれ、まさに人間を「たたき売り」していることを告発しました。
財界の圧力で非正社員増加 「心の病」急増
また上原けんさくは、「賃金未払いや不当解雇などの相談だけでなく、貧困な暮らしで、展望も持てず、しかも「心の病」を持って相談に来られる方が増えている」と労働組合への相談の特徴を紹介しました。
その上で、背景にある雇用にかかる経費を減らすため正規職員から非正規職員に置き換えをねらう財界の圧力など政治の問題を指摘しました。
深刻な雇用労働の解決を
こうした点をふまえて次の8点について質問しました。
- 市としても派遣労働法の改正を国に求めるべき
- 市のパート労働相談の体制を拡充して労働基準監督署に一緒に行くことができるようにする、相談時間も夜間や休日に行うなど抜本的に強化
- 働く若者、これから働く若者に「働く権利ルール」の情報パンフレット作成
- 労働組合などが行っている労働相談活動への補助金など活動への支援
- 若者の正社員を雇い実績を上げた企業への支援金の拡充
- 公共工事における正社員採用企業の優遇。最低時給1000円条項の公契約条例の制定を
- 市営住宅への優先入居、新婚家庭へ民間住宅家賃補助また住宅手当を支給する企業に対しての支援
- 父子家庭への児童扶養手当など経済的な支援
―を求めました。
働く若者に「働く権利ルール」周知へ努力
市は「新規事業であるモノづくり若年者等就業支援事業において発行予定の情報誌や市政だよりなどを通じて、働く若者、これから働く若者に『働く権利ルール』の周知に努め」ると答弁。
また市の発注する工事などにおける最低時給などを設けることについては「今後とも研究」と答弁。そして「若年単身者世帯の市営住宅優先入居は困難」と答弁しました。
父子家庭の児童扶養手当については「厳しい」とし、父子家庭への他の経済支援については、「家事援助」などの充実と論点をそらしました。