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腫瘍/がん/転移/浸潤


腫瘍とは、細胞が異常に増えてかたまりとなったものです。
動物の体をつくっている細胞は、その細胞になるべくして分裂し、成長します
例えば皮膚の細胞は、細胞が生まれた瞬間から皮膚の細胞になるために成長し、
決して胃腸や心臓の細胞になろうとしません。
これは、生まれた細胞に「皮膚細胞になれ!」という指令が下され、成長するからです。
ところが、何らかの原因で「○×細胞になれ!」と聞き間違ってしまう細胞もいます。
このような細胞は、「間違えているから0からやり直しなさい!」と監視役に言われ、
0からやりなおすシステムが備わっており、エラーは極力起こらないようになっています。

このようにして、皮膚には皮膚の細胞が、胃腸には胃腸の細胞が作られるようになっています。
しかし、その監視の目を盗み、自分勝手に成長してしまう不良細胞が出てきます。
一度監視から外れた不良細胞は周囲を気にすることなくどんどん増殖します。
この不良細胞の集団腫瘍なのです。

不良細胞には、比較的良心的で周りに迷惑をかけないタイプと、タチが悪く周りに迷惑をかけまくるタイプがいます。
その名の通り、良心的なタイプを良性腫瘍タチが悪いタイプを悪性腫瘍と呼びます。
良性腫瘍は限られた領域で増殖するため、周囲の組織や臓器に影響を及ぼすことは稀です。
これに対して悪性腫瘍領域を限定せず、遠く離れた場所でも増殖し、
元々あった場所だけでなく体の各所の組織や臓器に悪影響を及ぼします。

この悪性腫瘍のことを「がんとも呼び、
元々あった場所の近くに影響を及ぼすことを「浸潤」、
遠く離れた場所で増殖することを「転移」と呼びます。

このような不良細胞はできるだけ早くに体から排除しないと全身がおかされてしまうため、
かたまりに気づいたらすぐに検査し、腫瘍だとわかれば排除する方法を考えます。
排除する方法は主に
1.外科的切除
     2.化学療法(抗がん剤)
3.放射線療法
の3つがあります。

化学療法と放射線療法は、不良細胞が増殖する時の邪魔をすることで、、
上で説明した「監視役」に気づかせ、0からやりなおさせるきっかけをつくる治療法です。
つまり、どんどん増えて成長しようとしている不良には効果覿面ですが、
成長しきった不良(=既に大きなかたまりとなったもの)にはあまり効果がありません。
大きなかたまりとなったものは外科的に切除する方法がベストです。


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