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ステロイド

ステロイドとは本来、動物の副腎、精巣、卵巣から作られるホルモンです。
ステロイドホルモンには
・糖質コルチコイド
・鉱質コルチコイド
・男性ホルモン
・女性ホルモン
・黄体ホルモン
の5種類があり、そのうちコルチコイドの2つは副腎で作られ,副腎皮質ホルモンといいます。

この中で糖質コルチコイドと同様のお薬は、体の炎症を抑える働きがあるため、
ステロイド系抗炎症薬と呼ばれています

通常、ステロイド系抗炎症薬のことを(獣)医療ではステロイドと呼んでいます

また、副腎は体がストレスを受けた時に、体が正常状態を保つために頑張る臓器です。
副腎皮質ホルモンには食欲増進という作用があるため、
「ストレス発散のためにやけ食いした!」というのは体の正常な反応です。
つまり何らかの影響で体の中の生きるためのバランスが乱れた時に、
正常に戻るために手助けしてくれるホルモン、お薬
でもあります。

ただし、全てが万能というわけではなく、
・薬に頼りすぎると、自分自身の副腎がサボってしまう。
・根本の原因を解決しないまま炎症を抑えてしまう。
・免疫力が落ちてしまう。
といったデメリットもあります。

また、人ではステロイドによって顔が腫れるという副作用が有名です。

近年、スポーツ選手のドーピング問題でステロイドが取り上げられますが、
このステロイドとは、上の男性ホルモンを指しています。(つまり、通常の獣医療で用いるステロイドではありません。)

これらの点を誤解されているため、やみくもにステロイド=怖い薬と思い込んでしまいがちですが、
必要に応じてデメリットを最小限にして使用すると、体を守ってくれる強い味方になってくれます。

ちなみに、ステロイド系抗炎症薬の副作用の出方は、
人>>犬>>>>猫
といったイメージであり、猫の場合は犬の2倍量使わないと効果が発揮されない場合もあります。


当院では、動物の体になるべく悪影響を与えない用量・期間で、飼い主の方と相談しながら使用しています。
ステロイドを使った時に見られる体の反応には、飲水量の増加、食欲の増加、尿量の増加、パンティングなどがあります。



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