荒川三山&赤石岳縦走報告(二日目)


【二日目】椹島〜中岳避難小屋までの出来事

 AM4:00 少し肌寒い気がして目が覚めた。シュラフを胸に乗っけたまま寝ていた。
 少し、頭が重い。。夕べ飲み過ぎたかなぁ。まぁ食欲はあるので大丈夫だろう。
 そそくさと朝食をすませ、ツエルト撤収する。5:00ちょうどには椹島を出発した。
 沢沿いの道を10分ほどで歩いて滝見橋に到着。その橋は渡らず橋の横からのびて
 いる道が千枚小屋への登山道である。平成?年度に高校総体が行われたとあって
 よく整備されていて歩きやすい。これも皇太子が歩いてくれたお陰なんだろうな。

 最初の登りで胸がムカムカして来る。うぅ、、夕べのがまだ残っていたらしい。
 どんどん酔いが回ってくる感じで15分歩いては休憩し、水をガブ飲みする。
 登りはさほど急ではないのが幸いだった。これが赤石側からだったら今日の行動
 は赤石小屋までだったに違いない。6:30 小石下到着。若夫婦が楽しそうに休憩
 していたのでここは黙って通過。ここらから徐々に回復してきていつものペース
 に戻った。7:30 清水平到着。南アルプス天然水がコンコンと流れ出している。
 水がうまい!ここで15分程休憩。蕨段までくるとシダが生い茂っていて遠く
 懐かしい田舎の風景にタイムスリップしたような気がした。いいもんだなぁ。

 見晴台を過ぎた辺りから赤石・荒川の姿が見え始める。ここらに生えている木
 はシラビソというものらしいが良く知らない。ブナはよくわかるのですが。。
 ここらで休憩していると後からやってきた初老の男に声をかけられる。その時
 は単なる世間話だけで終わっていたのだが後にスゴイ人であることが分かった。
 駒鳥池では10人ほどのオバチャンの団体がにぎやかに休憩していた。この時は
 何も気付かなかったが後に彼らを追い越していて正解であった事が判明した。 

 AM10:15 千枚小屋到着。ここまで5時間チョイ。コースタイムより2H程速い。
 ここでで水を補給した。携帯のアンテナをチェックしてみると2本立っていた
 ので村チョッ!にコールしてみる。おお!呼び出し音なってる「早く出て〜」と祈る
 「もしもし、今どこ?」「千枚小屋です。これから千枚岳のぼ・・」ありゃ切れた。
 これを最後に我々は囲炉裏から消息を絶つことになった(^_^;)ドリョクハ シマシタガ

 千枚小屋からいきなりのお花畑である。黄色や紫・白・ピンク色とりどりです。
 「名前なんか知らなくてもいい綺麗なことはしっかり分かる」と強がりながらも
 なんていう花なんだろうと盛んに気にしている自分がそこにいた。今が最盛期
 って感じでとても綺麗でした。これがず〜〜っっと続くからお花好きには最高
 の山歩きになるでしょうね。ガイドブックにも南アルプス最大級と書いてある。

 AM11:20 小屋から40分程で千枚岳(2880m)山頂に着く。視界はまぁまぁ。。
 ここらまで来てやっと森林限界である。北アルプスであれば2400〜2500mから
 ハイマツは見れるのにナァ。やっぱ南アはそれくらい暖かいのだろうか。不思議
 千枚岳〜丸山(3032m)は近いのに下ってから登るので1時間はかかる。しかも
 切り立っている部分もあるので慎重に行動したい。ここらから背後に富士山が
 デ〜ンとそびえている。高山植物も本当に美しい。しおれたのが全然ない!

 13:28 悪沢岳(3141m)到着。晴れていれば360゜大パノラマなはずである。
 ここなら通じるだろうと山頂コールするがダメ。(;_;)それならメールはどや
 でやってもダメでした。30分かけて数人へ書いたメールは届けられません
 でした。諦めて記念撮影だけやって中岳避難小屋へ向かう。ぶんさんが小屋
 はそこに見えているという。あ。。ほんまや。すぐそこヤン。と喜ぶ私だった。

 ところが、、、一旦、300〜400mほど?ド〜ンと下まで下ろされる。しかも
 ガラガラの急斜面で落ちたらどこまで行くか分からない程の高度感である。
 途中から怖くなって腹にしていたウエストポーチをザックにしまいこんで降
 りることにした。その時、軍手を着用しようとしたが悪沢岳の山頂に置き忘
 れたみたいだ。なんてこった一番肝心な時にないとは、、余計怖くなった。
 下まで降りて一安心したのも束の間。小屋は目の前に見えているのにまた登
 りかよ。。ここでぶんさんバテたようだ。私は一足先に小屋に向かった。

 14:55 中岳避難小屋到着。行動時間約10時間。今日はここまでにしよう。
 中岳避難小屋は夏季シーズン中は小屋番もいてビールやジュースそれに水も
 カレーライス程度の簡単な食事もとれるようになっている。トイレも有り。  
 素泊まりで¥3500でした。通常一階は自炊&ザック置き場となっていて
 二階の屋根裏に寝かされるのであるが我々だけザック置き場の棚に二人だけ
 寝ることが出来た。ラッキーと思っていたけど結局、全然眠れなかった(;_;)

 自炊を始めたらどこかのPTA会長風のオバチャンにお湯を作ってくれ〜と
 せがまれOKをしたら1Lのポット2本だしてきよった(゚゚;)ギョエ〜ソレヲハヤクイエ
 新品のカートリッジじゃなかったから残量が心配だったけどOKした以上は
 断るわけにも行かず鍋二回分のお湯を作ってあげました。お礼に梅干し貰う。

 食事が終わる頃に駒鳥池の手前で話しかけてきた初老の男が我々の所に来た。
 そこでしばらく一緒に酒を酌み交わした。こんなのが山での楽しみですね。
 その方は東北(福島?)から一人で車を運転してきて4年前から山を始めたと
 いう67歳のおじいちゃん(失礼)でした。どうみても56〜7歳くらいにしか
 見えない人でした。今回も単独で南アルプスを縦走するという事でした。
 風貌からいっても森の音さんに感じがよく似ていました。エエ人だったです。

 良かったのはここまでで・・・

 17:00近くに関西からやってきたと思われるオッサン連中が一階の自炊場で
 酒を飲みながら大きな声でしゃべっていた。我々は19:00くらいから既にシュ
 ラフに入って眠りの態勢に入っていたが一向に声が細まる気配がない。(ーー;)
 「さぁ、、ねよか」っていったのが21:30だった。それからシュラフ出したり、
 トイレに行ったりして入口の戸(二枚)を開け閉めする音が22:00まで続いた。
 やっと静かになったと思ったら今度はデッカイいびき。。朝まで眠れません
 でしたが外はゴーゴー大きな風の音がしていたので小屋泊まりで正解でした。
 ここへあの駒鳥池であったあのオバチャンらが来ていたらどうなっただろう。
 その団体は、ここを通過して荒川小屋に行ったとみんな喜んでいた。(^_^)v

 朝3:15位からゴソゴソ人が動き出し、我々も4:30に出ることにした。

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