21MHz SSB トランシーバの詳細

海のかざり

2009/7/13
Last update : 2009/7/13

花のアニメ改造全般について

21MHz 機にするため、局発は 10.859MHz の特注水晶振動子 2 個を用いたスーパーVXOとし、32.4942 〜 32.5557MHz に設定しました。キャリアは 11.275MHz の水晶振動子を用い 11.2752MHz で発振させたので、送受信周波数は 21.2190 〜 21.2805MHz となりました。
AGC、Sメータ関係の改善をはじめ、全般的に 50MHz 機に対して行った対策を発展させた改造を行いました。



TRX-602-21
(マイク端子の上に外部スピーカ端子を設けたので便利)

デジタル周波数表示は、50MHz 機と共用の外付けで Oak Hills ResearchDD-1 を使用しています。


花のアニメCQ-2 について

キャリアは 11.275MHz の水晶振動子を用い 11.2752MHz で発振させています。



SSB ジェネレータ CQ-2
(SSBフィルタはオリジナル同等品と思われる、ミズホのピコシリーズ用を使用)

AGC、Sメータ関係の改善のため、50MHz 機に対して行った対策を発展させた改造を行いました。
主な改造点は、以下のとおりです。その他にも変更しています。



受信 IF アンプの石を 3SK59 に変更
(中央のコイルの両脇にある銀色の円筒形の部品が 3SK59)


花のアニメTV-2 について

50MHz 用を 21MHz 用に改造するため、コイルとコンデンサは全面的に変更することになります。
送信出力のローパスフィルターは 3 段(減衰極なし)とし、コイルは空芯とし、後述のローパスフィルターと併用して、十分高調波を減衰させています。



トランスバータ TV-2
(21MHz に改造したので、空芯コイルが大きく、巻数も多くなる)
(通常の製品にはシルク印刷がある)


花のアニメVXO-1 について

局発はスーパーVXOとし、10.859MHz の特注水晶振動子 2 個を用い、32.4942 〜 32.5557MHz に設定しました。
VXOコイルは、50MHz 機では周波数安定度向上のため自作空芯コイルを使いましたが、本機では、調整の容易さを優先して FCZ コイルを使うことにしました。ただし、オリジナルの FCZ 7S3R5 では、今回の条件の場合、周波数可変範囲が最大でも 50kHz 程度で少し物足りなかったので、FCZ 7S1R9 に変更しました(ケースはアースしました)。
RIT 可変範囲は狭くてもよいと考え、オリジナルの 5pF から 3pF に変更しました(21.250MHz に対して、+側:300Hz、−側:400Hz になりました)。
50MHz 機と同様、DD-1 用の出力端子を設けました。
その他、50MHz 機とは周波数が異なるため、全般的にコイルやコンデンサの定数を変更しました。



VXO-1
(50MHz 機と同様、スーパー VXO にした)
(通常の製品にはシルク印刷がある)

本機の VXO コイルは FCZ 7S1R9 なので、以下のように送受信周波数範囲を簡単に変えることができます。

送受信周波数範囲(例)
21.1500 〜 21.2583MHz
21.1700 〜 21.2642MHz
21.1887 〜 21.2701MHz
21.2190 〜 21.2805MHz (←現状設定値)
21.2200 〜 21.2809MHz
21.2271 〜 21.2837MHz (←インダクタンス最小)

QRH については、電源 ON 10分で 500Hz 低下、電源 ON 60分で 800Hz 低下で、まあまあですが、このまま使ってみることにしました。
この程度ですと、慣れると苦にはなりません。


花のアニメリニアアンプ LA-1 について

苦労したのが LA-1 の入力マッチング回路です。
50MHz 用を 21MHz 用に改造するため、コイルとコンデンサは変更することになりますが、まずは単純にリアクタンスが同じになるように変更して製作したら、出力が 5W 出ましたが、かなりひずんでいました。入力マッチング回路を中心にいろいろトライの末、出力は 2W ですが、何とか入出力の直線性が確保できました。



リニアアンプ LA-1
(21MHz に改造したので、空芯コイルが大きく、巻数も多くなる)

LA-1 とアンテナコネクタとの間に2段のローパスフィルタを入れました。TV-2 や LA-1 基板上のローパスフィルタとの併用により、十分に高調波を抑制しています。



2段ローパスフィルタ
(片面基板を切って作成)


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