7MHz CW トランシーバ Rock-Mite40 の製作
2011/7/18
Last update : 2017/1/24
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Rock-Miteの概要
7MHz CW トランシーバ「Rock-Mite40」を製作しました(2010年10月完成)。
Rock-Mite のキットは、Small Wonder Labs が開発・販売していましたが、同社の販売は終了し、現在は QRPme が継承し Rockmite ][ として供給しているようです(Rockmite ][ 40m Transceiver のページ)。ちなみに、Small Wonder Labs 開発の 'FREQ-mite' は、Four State QRP Group から購入可能 です。
3.5〜14MHz帯の固定周波数(周波数は同社ウェブサイト参照)なのですが、部品数が少ないのである程度慣れた方であれば短時間で作れることと、小型であることが特徴であり、ALTOIDS缶(米国のキャンディの缶)などに組み込んで楽しむのが流行っているようです。
出力は 500mW でエレキーを内蔵しています。なお、TX と RX の発振周波数の入れ替えができるため、2波を切り替えて送信可能です。
作りやすい点としては、コイルを巻かなくてよいことが挙げられます。一方、表面実装部品の IC が1個あるので、この部分は慎重な作業が必要です。
Rock-Mite 基板
(周波数を 7.003MHz にするため、水晶振動子は 7.000MHz に変更している)
(上のほうに写っている電解コンデンサは、撮影後、背の低いものに交換している)
(左下のセラミックトリマは改造によるもの)
今回の製作では、周波数を 7.003MHz にしたのですが、キットとしては 7.015MHz を購入し、水晶振動子は 7.000MHz に交換・調整しました(詳細後述)。
超小型に仕上げたかったので、アルミケースは、テイシン TC-103(W65×D85×H20)に収納しました。H20 はカバーの寸法であり、シャーシの内側では
17.5mm になります。
今回製作した Rock-Mite
(前面のプッシュスイッチを押すと、2波ある周波数の選択やエレキーのスピード調整ができる)
今回製作した Rock-Mite リアパネル
(標準機能で、電源投入時、「PADDLE/KEY」ジャックに
ステレオミニプラグを差し込んでいると、エレキーが動作し、
モノラルミニプラグを差し込んでいるとエレキーがバイパスされるので便利)
今回の製作概要(改造点)
主な改造点は以下の通りです。
今回製作した Rock-Mite 内部
基板面からフタまで 11mm 弱であり、C7、C9、C103 が高さオーバーになったので、小型のものに変更しました。C7、C103 はオリジナルより太かったので、少し浮かせる必要がありました。
C7、C9、C103 を小型の電解コンデンサに変更
(今回のアルミケースでは、高さオーバーのため)
ファイナル用の放熱板を取り付けるため、もともと L1 は斜めに取り付ける必要がありましたが、L1 を斜めにしても、今度はフタに接近するため、いったん取り外し、さらに斜めに取り付け直しました(両面スルーホール基板なので取り外しに苦労しました)。
L1 を斜めに取り付け
(今回のアルミケースでは、高さがぎりぎりだったため)
7.003MHz への改造について
前述しましたように、周波数を 7.003MHz にしたのですが、キットとしては 7.015MHz を購入し、7.003MHz の水晶振動子の入手が難しかったので、7.000MHz の水晶振動子を購入して交換・調整しました。試行錯誤の結果のみ示します。字で書くと分かりにくいですがご容赦ください。多くの部品は基板裏面に取り付けています。
水晶発振回路部分
(7.000MHz の水晶振動子が見える)
(C11:68pF → 50pF セラミックトリマに変更)
(その他の部品は基板裏面に取り付け)
結果として、TX:7.0030MHz、RX:7.0037MHz に調整できました。前面のプッシュスイッチにより、TX の周波数と RX の周波数を逆にすることもできます。
調整過程では、出力が 400mW 出ていましたが、調整完了時の出力は残念ながら 200mW に下がってしまいました。C10 なども含めてさらに調整すれば出力が上がるかもしれませんが、これにて完成としました。
製作後の感想
前述の「7.003MHz への改造」ですが、改造・調整に手間がかかるのと、出力が下がってしまったので、あまりおすすめはしません。多少費用がかかりますが 7.003MHz 水晶振動子を特注するのが得策と思われます。水晶振動子を特注しない場合は、サトー電気の 7.010 MHz などと、可変インダクタンスを用い、表示周波数より下に変化させるほうが良いように思われます。
また、今回は超小型に仕上げたかったので、オリジナルどおり周波数固定(2波)にしましたが、ケースを若干大きくし、本ウェブサイトの「あゆ40」、「PAV-6 (50MHz DSB/AM/CW)」と同じ、テイシン TC-110(W80×D110×H30)などにすれば、拡張スペースが確保できるので、ポリバリコンで周波数可変にできるだけでなく(RIT が必要)、LM386
アンプを追加してスピーカ仕様にできるのではないかと思います。
Rock-Mite は、そのままでも、改造しても楽しめます。
Rock-Mite関連リンク
JA1UXR 「ikegami-net ホームページ」・・・Rock-MIte に RIT を付ける
N0RC the "Rock-Mite" files
製作にあたり、参考にさせていただきました。ありがとうございました。
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