21MHz CW 送信機 QP-21R の製作
2013/6/9
Last update : 2016/6/27
QP-21R の概要
21MHz CW 送信機 「QP-21R」を製作しました(2013年5月完成)。
ベースとなっている「QP-21」は、ミズホ通信の超ロングセラーキット(21MHz CW、出力 1W)で、製作当時、キットはキャリブレーションから発売されていました。
今回の製作では、「QP-21」キットを購入しましたが、同キットの基板を使わずに、CQ出版の「短波CW送信機の実験」付録実験基板(7MHz の実験用)を使い、周波数可変にしました。
QP-21R
(テイシン TC-112 に収納した)
(2013/8、チューニングツマミを黒色からサトーパーツのメタルツマミ K-59-S-AG に交換)
QP-21R リアパネル
製作概要(改造点)
QP-21R 内部
(下の FCZ基板に、VXO 用の水晶振動子+コイルそれぞれ2組を実装)
QP-21R 基板
(「QP-21」の基板ではなく、CQ出版の「短波CW送信機の実験」付録実験基板を使用)
(右下の FCZ 7S25×2個は、「CALモジュール基板 Coil」を用いて実装)
(中央下のリレーは増設したもの)
「QP-21」をベースに以下の改造を行いました(主な点のみ記載)。
出力はオリジナル設計通りの約 1W になりました。
VXOについて
VXO 用の水晶振動子+コイルそれぞれ2組を実装した FCZ基板(左)と VXO周辺(右)
周波数が低いほうの周波数可変範囲は以下の通りです。7.015MHz の水晶振動子は、Rock-mite40 に別の水晶振動子を使うことにより、転用したものです。
水晶振動子 | VXOコイル | 水晶振動子とパラのC | 周波数可変範囲(※) | 備考 |
7.015MHz | FCZ 7S1R9 +22μH +4.7μH |
3pF | 20.9993〜21.0373 MHz |
周波数が高いほうの周波数可変範囲は以下の通りです。7.030MHz の水晶振動子はイギリスの Kanga Products から購入したものです。
水晶振動子 | VXOコイル | 水晶振動子とパラのC | 周波数可変範囲(※) | 備考 |
7.030MHz | FCZ 7S1R9 +22μH +10μH |
3pF | 21.0498〜21.0850 MHz |
※:FCZ 7S1R9 はインダクタンス可変のため、周波数はあくまで「例」です。
7MHz CW 送信機 あゆ40では、同じ種類の水晶振動子2個で 7.0000〜7.0298MHz が連続カバーできたので、その3倍の 21.000〜21.080MHz 以上が連続カバーできると思っていましたが、途中が空いてしまいました(周波数を拡げすぎると異常動作を起こす)。連続カバーが今後の課題です。
失敗談
QP-21R ファイナル
【その1】
電源スイッチを入れると、電源ラインに入れているヒューズが飛びました(電源スイッチを入れる前にテスターで電源端子から見た抵抗値を測る方が良い)。原因を調べたところ、作り方が悪かったのか、ファイナルトランジスタのコレクタと放熱器と基板アースが導通していました。トランジスタと放熱器の間に絶縁シートを入れると解決しましたが、念のため固定ビスをプラスチック製に交換しました。なお、QP-21
の基板は、トランジスタ固定ビスの穴の周囲にアースパターンが無いため、アースと導通しません。
【その2】
コイルを調整して出力最大にしたところ、14MHz に合わせていました。正しい状態に合わせ直しました。
交信状況
日本各地に加え、以下の国・地域と交信できました(2014/5/24 現在、大陸別、交信順)。
2013/11/23、ようやく地球の裏側(Uruguay)と交信できました。
North America | Asia | Oceania | Europe | South America |
Alaska Canada United States of America |
Asiatic Russia China Taiwan Kazakhstan Republic of Korea Hong Kong West Malaysia Viet Nam Thailand |
Indonesia Hawaii Australia East Malaysia Philippines Guam Mariana Is. New Zealand |
Czech Republic Finland Lithuania Bulgaria Hungary Fed. Rep. of Germany Croatia European Russia Poland Italy |
Uruguay |
出力の点では、 1W なので、FT-817 の 5W と比べて、国内との交信ではあまり差が感じられませんが、海外との交信では多少の差が感じられます。
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