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鍼灸に期待できること 2

 世界の鍼灸

 近年は自然な治療への関心の高さから、鍼やお灸に対するニーズが北米やヨーロッパでも高まっています
アメリカでは連日のように鍼に関する研究が発表され、ヨーロッパではドイツが最も進んでいるそうで、補完代替医療(CAM)が非常に盛んだそうです。

 ドイツでは妊婦の半数以上がCAMを利用したことがある。頭痛・膝関節症・腰痛などに対する鍼治療の有効性など多くの論文が発表されている。
特筆すべきは、CAMがドイツ国民だけでなく医療従事者にも浸透していることです。ドイツではドクターの10%が代替医療を行っており、一般内科、産婦人科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、歯科などさまざまな診療科で鍼灸が通常治療のオプションとして行われているそうです。

以下に研究の結果や評価を紹介します。
なお、欧米での結果や評価が日本国内にそのまま適応されるものではありません。



ドイツで行われた大規模研究

 30万人の研究(日本鍼灸師会けんこう定期便No.7より抜粋)

 2000年12月〜2005年3月の間に1万人の医師と、30万人以上の患者さんが参加した大規模な鍼灸治療の研究が行われました。
 腰痛や膝痛、片頭痛、禁緊張性頭痛などの症状に対して効果、有効性、費用対効果、安全性など様々な角度から臨床試験を行いました

結果・・・
 腰痛、変形性膝関節症、偏頭痛、筋緊張性頭痛の患者さんに対して鍼治療の効果が確認されました。
 安全性に関しては、0.8%の患者さんから報告されたそうですが、いずれも軽度なもので安全性の高い治療であることが報告されています。

腰痛には「鍼治療」が効果的

 ドイツ研究チームが医学誌に発表

 腰痛には従来の治療法よりも「はり治療」が効果的だとする論文を医学誌『Archives of Internal Medicine』に発表した。
 研究チームは8年にわたり腰痛症状を抱える患者1162人(平均年齢50歳)を対象に臨床試験を行った。
 無作為に3グループに分け第1グループには「鍼を深く刺す治療」を30分間、2週間おきに合計10回行った。第2グループには「鍼を浅く刺す治療」を、第3グループには投薬、理学療法、リハビリ運動など「従来の治療法」を行った。
 半年後、腰痛症状の軽減が見られたと回答した患者は深く刺す鍼のグループで47.6% 浅く刺すはりのグループは44.2%だった。一方、従来の治療のグループでは27.4%にとどまった。
また治療効果の持続性についてもはり治療が従来の治療を上回った。

 論文の中で、「腰痛は生涯に70〜85%の人々が経験する一般的な疾患ながら、長期におよぶことから、職場への欠勤や身体障害の主要因になっている」「痛みの発現、中枢神経を介した痛みシグナルの伝達・制御にはり治療が有効であること。さらにはり治療の作用機序の方が従来の治療よりも優れており、慢性腰痛の有効な治療法の一つだ」としている。


頭痛に効果

 米英研究グループが発表

 はり治療が慢性頭痛、片頭痛に効果があると英国医学誌「British Medical Journal」に掲載された。米英の研究者らは、ロンドン周辺在住の初診の慢性頭痛患者401人(年齢18〜65歳)を無作為に2群に分け、片方には3ヶ月間に12回のはり治療、他方を通常医療による治療を行い比較した。
 その結果、頭痛の自己評価法ではり治療群が34%改善し、通常医療群は16%と有意な差がみられた。
1年後の追跡調査では、はり群の患者は他方に比べ頭痛に悩まされる日数が年間平均で22日少なくなり、薬の使用も15%減少した。

体外受精の成功率がアップ

 米国メリーランド大学医学部が発表

 体外受精(IVF)を受ける女性が同時にはり治療を受けると妊娠の確率が65%高くなることが予備研究によって示され、英国医学誌「British Medical Journal」掲載された。

 今回の研究は、IVFを受けた女性1366人を対象に7試験が検討され、いずれの試験も胚移植から1日以内にはり治療を受けた女性と、疑似はり治療を受けた女性または受けなかった女性を比較している。
その結果、はり治療を受けた女性の群は、その他の群に比べ妊娠する確率が65%高かった。しかし、妊娠率がもともと高かった試験では有意な差はみられなかった。
IVFの補助療法としてはり治療が有用と思われるが、裏付けにはさらに研究を重ねる必要があると述べている。

 一方、米国鍼灸医学会は、今回の結果を受け、これまでの実績を踏まえればIVFを受ける女性は、はり治療により成功率を上げることでき、この研究はそれを裏付けらるものだと述べている。

鎮痛剤の必要性を減らす 

 米国 デューク大学メディカルセンター

 手術前、および術中にはり治療を用いることで、術後に使用されるモルヒネなどオピオイド鎮痛薬の必要性を軽減できることが研究によって明らかにされた。術後のモルヒネは10人中8人に副作用をもたらすといわれている。

 手術後の疼痛軽減を目的としたはり治療を行った15件の小規模無作為化臨床試験のデータを分析した結果、術後のかゆみが30%、悪心は50%、めまい感は60%軽減することが判明した。
ただし、混雑する手術室の中にはり治療の鍼は邪魔になりがちで、手術中のはりの使用に関して広まることに疑問を抱いている。

 また、今回の知見の中で不快感をもたらし、感染症のリスクを高める尿閉が3.5倍減少する点は重要であり、鍼とオピオイドの組み合わせは、副作用を最小限に抑える最善の疼痛管理だとも述べられている。








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