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1、市長所信表明について
日本共産党の名手宏樹でございます。9月15日におこなわれた市長の所信表明について6点質問します。
@子どもの医療費助成や医療費助成制度について 質問します。
箕面市では、今議会で可決され、子どもの医療費助成制度を高校卒業までにあたる、18歳の3月31日まで引き上
げられ大阪府内でも最も進んだ一つである子ども医療費助成制度が実現しました。私ども日本共産党も、一昨年の代 表質問に続き、今年の代表質問でも繰り返しその実現を求めてきましたが、子どもが病気になっても、安心して利用で きる制度として高く評価するものです。
しかし、大阪府は、子ども医療費助成制度の対象年齢を15年度に就学前6歳まで引き上げましたが、14年に約36
億円だった市町村への補助金を15年度は40億と試算していたものを、所得制限を厳しくしたことで約3割が府の補助 対象から外れ、約34億円にとどまりました。箕面市としての府の補助額はどう変わったのでし ょうか?府に対して、対象年齢の引き上げや、所得制限の撤廃など要望してき たのでしょうか?さらに。国に対して、制度の創設をもとめるべきです。
いま大阪府は、子ども、ひとり親家庭、障害者、高齢者の経済的負担を軽減する福祉医療助成制度の対象者を精神
障害者や難病患者に拡充する一方で、患者負担額の引き上げを検討しています。現在は入院通院ともに1日500円 で薬代の負担はなく同じ医療機関であれば月1000円が上限です。これを府は薬局でも500円を負担し、月の上限を 撤廃しようとしています。さらに複数の医療機関にかかった場合の月の負担上限2500円も4500円程度に引き上げ られるとみられます。
こうした大阪府の改悪を許せば、箕面市の「安心して医療にかかれる」進んだ医療費助成制度が、ないがしろになる
ものです。府に対して、医療制度の改悪の中止を要望してきたでしょうか?
さらに、子どもだけでなくこれまでのひとり親、障害者、高齢者の医療制度を改悪することは、多くの市民に負担を強い
るものです。府は「対象者の拡充に伴う増額分は受益者負担で」としていますが、病院に通う必要のある方が通うほど 負担が増える制度であり、受診抑制が必ずおきることになり、重症になれば、かえって医療費の増額になりかねませ ん。子ども医療費だけでなくひとり親、障害者、高齢者の医療費の府の制度改悪に対して市としても声を上げるべきで す。以上答弁をもとめます。
答弁:
子ども医療費の拡大については府にも国にも要望しているとの答弁でしたが、大阪府の今検討されている「子ども、
障害者、ひとり親、老人」いわゆる4医療費の制度の見直し、改悪については「改悪とは認識していない」「検討可能性 を排除すべきでない」「具体案を踏まえて対応方針を検討」との答弁でした。
これまで同じ病院、診療所なら何度受診しても月千円以内でしたが、大阪府の今回の見直し案では月3千円、4千円か
かることになります。患者、市民にとっては改悪です。これでは健康が守れません。精神障害・難病者への対象拡大に 必要な費用は、府全体で20億円程度 府の一般会計、年3兆円のほんの一部のやりくりで可能です。大阪府の予算 を家計にたとえれば月コーヒー一杯分程度です。市としても府に改悪をするなと声を上げるべきです。
次に
Aスポーツ施設の再生や室内温水プールの新設について
@現存のスポーツ施設の改善改修について、質問します。
私も幾度となくこれまでも議会で取り上げてきました。体育館の床改修、雨漏り、トイレの様式化、壁の塗装の剥離、
空調設備の故障など「スポーツ施設の再生と変化の実感について」現状の認識と現状の施設をどう改修するかお答え ください?「再生」とは?どうされようとしているのでしょうか?
答弁:
再質問:「スポーツ施設の現状は改修要望の多い施設との認識」との答弁でした。しかし現状の施設をどう改修するか
の質問には答弁がありませんでした。体育館の床改修、雨漏り、トイレの洋式化などすでに今年度に予算化し計画して いると説明のあったものも含まれていると考えられますが、改めて具体的な中身について答弁を求めるものです。
答弁:
各スポーツ施設の課題となっていた改修がこれから行われようとしています。前の質問の答弁であった「利用者にも一
定の負担を得ながら長期スパンでの計画的改修をしてゆく考え」については、計画的改修は当然ですが、「利用者の負 担」については、あくまで利用者への説明と理解と同意が欠かせません。簡単に口にすべきではなく、慎重に丁寧に対 応すべきです。
次に
A健康増進と体力づくりの屋内温水プールの新設について
これまで幾度となく、温水プール建設の要望があり、ライフプラザ計画際や稲の旧清掃工場跡地への計画などこれま
でも幾度かの計画がありました。さらに、民間の温水プールの一部を市が借り上げ、市民利用の補助を行う施策もお こなわれては廃止されてきました。今回の市長の新設の表明では、室内温水プールをどこにどう計画するのでしょう か?
B自転車走行レーンの設置について
「自転車走行レーン」と安心して歩き、自転車で走れる環境について 質問します。
2015年6月、危険行為で2回摘発された自転車運転者に講習を義務づける改正道路交通法が施行され、「自転車のル
ール」にいま、注目が集まっています。自転車は「軽車両」であるため、車道と歩道の区別がある場所では原則として、 車道の進行方向左側を走らねばなりません。守らないと、「通行区分違反」の危険行為として摘発される可能性があり ます。また「自転車専用通行帯(自転車レーン)」がある場合、自転車は原則としてそこを走らねばなりません。
しかし、箕面市の自転車レーン実験区間では、青いマーク自転車レーンの上をたくさんの車が通る状況です。せめ
て、自転車レーンと車のレーンを分けるラインを設けるべきではないでしょう か?
今年度予算で新たに自転車走行レーンが設置される計画ですが、箕面駅から牧落駅への自転車道
の設置での状況はどうでしょうか?
一昨年に行われた自転車レーンを設置するために箕面駅北から西口に向けての歩道の撤去
工事では、撤去に反対する市民の署名が周辺住民からだされました。箕面市は、自転車レーンを設置し、これまで の歩道柵を閉鎖して通行人が通ることができないようにしましたが、閉鎖した歩道柵の道路側を通行人が歩行し続け ました。また歩道を撤去したため、道路幅が広がり駐車する車が増えるなど、かえって危険になった近隣市民から指摘 されてきました。その後、市は、歩道の柵を一部開けて残った歩道の一部を通行できるようにしましたが、自転車 レーンの設置や歩道の撤去は、自転車走行者にとって、歩行者にとって、安全 になったでしょうか?また、この工事について、全体の道路整備計画ができたのちに、歩道の撤去に反対し た市民や近隣市民に説明をすると表明してきましたが、説明はいつどのような形で行われるので しょうか?
答弁:
「十分な幅員が確保される場合はラインがひかれるが、幅員が確保できない場合はや羽根型路面標示で自転車の
走行空間を視覚的に誘導する整備手法をとりいれると」の答弁でしたが、それなら幅員が狭い道に車と自転車が交錯 することになりまねません。これでは、自転車走行に危険が増すことになりかねません。
また、箕面駅北側の歩道撤去と自転車道の設置について21日に説明会がおこなわれたとのことですが、「一方通行
の道路を逆走して車が入ってきて月に3回も注意することにでくわした、これまで問題のなかった道路で問題を起こした のは行政の方だ」と地元の住民の厳しい声が寄せられています。今回の説明会が単なる一回だけのセレモニーにされ るのではなく、地元住民が出された意見要望をしっかり受け止め、今後の安全対策に反映させるよう要望するもので す。
次に
C道路ネットワークの再構築について
"ミッシングリンク"の抜本的解消をめざした道路ネットワークの再構築について
そもそもミッシングリンクとはなんで、具体的にどこの道路をさすのでしょうか?道路のネットワークの再構築とはどこ
にどう道路を建設してどこに繋ぐネットワークを再構築されようとするのでしょうか?
答弁:
都計審の審議をへて100年たっても安心の道路ネットワークの再構築の検討とのことですが、100年後は人口の減少
していることは否めません。過大な街づくりと道路ネットワークはその必要性が問われます。しっかりとした交通量予測 をもとに検討を要望するものです。次に
D船場地区への学校新設と校区調整の検討について
船場地区へのどこに学校を新設するお考えでしょうか?また、校区の調整は、北小、萱野北小、萱野小、中小、萱野
東小学校や5中、2中、4中など広範囲に影響を及ぼすと考えますが、校区の調整をどのような考え方で、どう検討を 行なおうとするのでしょうか?答弁をもとめます。
答弁
設置場所も校区調整の手法も未定ということです。ただ、様々な情報を耳にします。学校建設や校区の変更は市民
生活や教育に大きな影響を与えます。言葉だけの先行ではなく、正確な情報の発信と公開の場での議論としっかりとし た検討を求めます。
最後に
E北大阪急行線延伸の本体工事のスタートについて
4回の工事説明会が、10月15日までにおこなわれました。今回の説明会は、府の工事認可が出て行なわれたのも
のでしょうか?認可が出ていないなら、工事認可後、詳細な資料をもとに改めての説明会を 行うのでしょうか?
工事に伴い、車線が2車線、1車線になる場合があると聞いていますが、そうなれば工事による渋滞がひどくなることが
予想されます。朝夕は通勤車両に加え、通勤バスも頻繁に通行し、かなりの渋滞になることも懸念さ れます。渋滞対策は、どうでしょうか?
また、通常の昼間の工事だけでなく、夜間、深夜、朝まで及ぶ工事も行われることも説明されました。建設のための
ヤードが沿線に数ヶ所設置され、ヤードからの物品の運び出しもおこなわれることも明らかになりました。周辺住 民への影響はどうでしょうか?
また、延伸の事業費は、650億円、箕面市の負担は185億円とされてきました。延伸の工事費はいくら
かかるのでしょうか?さらに、14年のアウトラインから見直しされた、16年4月の事業費の変化により、鉄道 延伸以外の船場、箕面を中心に街づくりに市が負担する事業費はいくらと計画さ れているのでしょうか?
答弁:
工事説明会は、「都市計画法に基づいた事業認可」に基づき、法定の説明会を開催された」ということでした。市民
向け説明は、法に基づいき事業認可がおりたことにもとづき行っていると理解しますが、「北大阪急行株式会社は、施 工認可を、国に申請中である」とも聞いています。その内容は専門的な内容となるとのことのようですが、工事は周辺 住民の方々には大きな影響を及ぼすものと考えられます。今回の工事説明にとどまらず周辺市民を中心に今後も説 明会などおこなうことを求めます。
また、車線が1から2車線に減少するのに「大きな渋滞や混乱はない」との答弁はとても理解できるものではありませ
ん。
再質問については
再質問:
北急延伸そのもの事業費、大阪大学外国学部移転に伴う跡地の購入計画の
債務負担行為と新船場駅周辺の街づくり、新箕面駅周辺の街づくり、の合計で 事業費はいくらになるのでしょうか?この点ついて改めて答弁を求めます。
答弁:
北大阪急行延伸にともなう鉄道事業と新船場、新箕面の街づくりにかかわる「市負担合計額は、最大
で約500億円の見込み」と答弁でした。2014年4月の「船場地区におけるまちづくりの事業費と事業 効果」によるとアウトライン時の市負担65億7千万円から最新の市負担では185億6千万円へ119億9千万円の増額とな っています。
北大阪急行線の延伸では、平成22年から平成25年まで市民に説明されてきた事業費が420億円
だったのに平成26年初めには600億円に、車両費を含めて650億円に膨れ上がりました。
平成25年までの市民への説明とは、説明なしに大きく変わりました。国、府、市の負担は240億円から520億円に、
車両費を含めると570億円にもなりました。箕面市の負担が185億円となりました。
一方、北大阪急行鉄道の負担は179億円だったのが80億円へ、半分以下に減額になりました。鉄軌道整備事業
者の負担では、たとえば京阪中之島線では37%、阪神なんば線では38%です。今回の北大阪急行延伸では12%し か鉄道事業者は負担していません。市の負担を抜本的に減らして、北大阪急行会社の負 担を求めるべきです。そして、コミュ二ティバスなど身近なバス交通の拡充を進 めるべきです。
また、答弁では、鉄道事業者の負担増による市負担額の縮減、箕面船場、新箕面駅の二つの駅の市負担額の縮
減、97億8千万円の大阪大学箕面キャンパスの土地等の取得にかかわり施設整備については市負担 額の縮減を進める」としましたが、
大阪大学箕面キャンパスの船場移転計画では、大学図書館を箕面市がつくるという計画まで出されてきました。先
の「船場地区における街づくりの事業費」では、阪大箕面キヤンパス移転に合わせた新規事業 は64億2千万円とされ、阪大箕面キヤンパスの土地取得費と合わせると162億 円にもなります。これら関連事業は白紙にもどし、事業のさらなるコンパクト化 をおこない、市民の暮らし、福祉、医療、介護、教育、そして防災対策の拡充の 財源へと使うことを求め、質問をおわります。
倉田哲郎氏の我が党の国会議員への悪罵に対して、
堀田文一前日本共産党府議会議員からの投稿を掲載
倉田哲郎氏が、辰巳孝太郎参議院議員の「箕面の滝問題」を街頭宣伝で話さ
れていることに対してツイッターで「それとこの共産党の国会議員。デマもいい 加減にせよ。」悪罵を投げつけています。
https://twitter.com/kuratatetsuro?lang=ja
http://blog.kurata.tv/article/102995602.html
この問題に関して、日本共産党箕面市会議員団と日本共産党箕面市委員会は、すでに、2014年10月の21日「倉田
市長個人ブログ40歳の日誌」「2014年8年31日『箕面大瀧〜8年前の風評被害』」についての申し入れと見解を発表 し、市長あてに申し入れてきました。
http://www.eonet.ne.jp/~hirokinate/page015.html#箕面の滝 倉田市長ブログへの申し入れ
また、倉田市長の個人ブログ40歳の日誌」の「2014年08年31日『箕面大瀧〜8年前の風評被害』」の記事への見
解 2014年 9月11日、日本共産党大阪府議会議員 堀田文一、日本共産党箕面市議会議員 神田隆生
http://www.eonet.ne.jp/~hirokinate/page015.html#箕面の滝 市長ブログへの2議員の見解
を日本共産党箕面市会議員団のホームページに公表してきました。
今回の、倉田哲郎氏の我が党の国会議員への悪罵に対して、堀田文一前日本共産党府議
会議員から投稿が寄せられましたので、日本共産党箕面市会議員団のこのホームページで 掲載いたします。
投稿
2016年8月18日
前大阪府議会議員
堀田文一
倉田箕面市長が、8月16日、自身のツイッターの中で箕面の滝問題に絡んで、日本共産党の国
会議員に対し、悪罵を投げつけた。倉田氏の主張は倉田氏のブログ、「箕面大瀧〜8年前の風評被 害」の中で詳しく展開されているので、私は当事者の一人として、別紙の「倉田箕面市長の攻撃に 反論する」を発表する。
箕面の滝問題を簡単に要約すれば、約600億円もの莫大な税金投入を余儀なくされた箕面森町
開発を支援するために、313億円もの税金を投入して掘った箕面トンネルによって、箕面山の地下 水位が低下し、止々呂美地区では水源としていた奥山川が枯れ、その他の沢や谷でも流量が減少 した。トンネルを掘った大阪府道路公社は、漏れた水をポンプで汲み上げ、箕面山の数か所で川に 還元しているという問題である。そのポンプは今でも年間365日動き続け、電気代は3000万円〜 4000万円もかかっている。
こんな開発の無駄遣いを許していいのか、これが日本共産党の問題意識である。倉田氏の反論を
待つ。
倉田箕面市長の攻撃に反論する
前大阪府議会議員 堀田文一
箕面市ホームページにリンクが貼られている「倉田市長の個人ブログ42歳の日誌」の中で、倉田
氏は「2014年08年31日『箕面大瀧〜8年前の風評被害』」という記事を書いている。この文章に は、私の行動に対する誤解があり、その誤解に基づき、私と日本共産党に執拗な攻撃を展開してい る。
そこで、倉田氏が誤解に基づく記事を訂正し、攻撃を中止することを求める。
箕面の山の開発
箕面トンネルは、国が計画していた余野川ダムの周囲に、大阪府が水と緑の健康都市を建設し、水と緑の健康都市
と国道423号線(新御堂筋)を直結させるために、大阪府の方針に基づき、大阪府道路公社が建設した道路である。
これらの一連の開発計画に、日本共産党は当初から、大阪府議会でも箕面市議会でも、大阪府の財政と箕面の自
然を破壊するという理由で、反対してきた。
余野川ダムについて
計画のうち余野川ダムは、水が貯まらない北山川にダムをつくるもので、別水系の余野川から1.5kmの導水トンネ
ルを掘って、水を引き、貯めるという計画だった。余野川ダムは、必要性がなかったため、その後、計画は廃止になっ た。
水と緑の健康都市開発について
水と緑の健康都市は余野川ダム湖周辺の立地を利用して計画された。着工が1998年で、バブル経済が崩壊してか
ら9年も経過していた。それでも大阪府は、水と緑の健康都市の土地分譲単価が毎年、上昇するという虚構の上に収 支計画を立て、開発を開始した。
着工後の間もない2001年、開発は採算が取れないことと、開発予定地内にオオタカが生息していることを理由に、工
事が中断され、計画が変更された。
変更の要点は、規模の縮小もあるが、土地分譲代金で開発費用と箕面トンネル負担金145億円を支払う計画から、
605億円の税金投入で土地分譲価格を引き下げ、完売をはかり、収支を均衡させる計画に変えることだった。まさに 水と緑の健康都市は「財政を破壊する」開発そのものだった。その後、水と緑の健康都市は、中心のダム湖がなくなっ たため、正式名称は箕面森町になった。開発は今も続き、税金投入計画も変わっていない。
箕面トンネルについて
箕面トンネルは、全長5.6km、完成当時(2007年5月)は自動車トンネルとしては全国第10位の長さで、大阪府道路公
社が経営する有料道路である。
有料道路は、建設費の全額を通行料金でまかなうのが原則。しかし、建設費に見合う通行量は、当初から存在しな
かった。そこで、大阪府は、箕面トンネルの建設費捻出のため、809億円のうち424億円を有料道路事業として大阪 府道路公社が負担、240億円を国道事業として国と府が税金を投入、残る145億円は水と緑の健康都市の開発利益 を投入という計画をたて、トンネル工事を開始した。
ところが、水と緑の健康都市開発が赤字になったため、145億円の投入計画は消滅した。そこで大阪府は、資金計
画を見直し、有料道路事業として道路公社の負担額は500億円、国道事業として国と府の負担額は313億円に変更 した。しかしこの計画でも、通行台数が予定に達しないため、採算を見込めず、償還期間満了時の2047年には、174億 円の赤字が残るものと推計されている。
開発による自然破壊
開発は箕面の山にも深刻な影響を及ぼした。
水と緑の健康都市では、広大な山林が伐採され、絶滅危惧種オオタカの生息を脅かした。
箕面トンネル湧水問題
箕面トンネルは、1998年に掘削が開始され、2003年6月に全線貫通したが、掘削が進むに連れ、各地で水涸れ被害
が発生した。止々呂美地区では奥山川が涸れ、奥山川を水源としていた簡易水道は、水源の切り替えを余儀なくされ た。箕面山系を流れる長谷川と唐子川は涸れた。茶長坂川、鍋田川は水量が激減し、ウツギ上池と導心谷池は、水 が貯まらなくなった。唐子川沿いの民家では井戸が涸れた。
他にも、水量が減った谷が幾つかあるという。
最大の心配は、箕面川への影響だった。私は、府道路公社に問い合わせたが、公社は、一部の川が涸れているの
は、小雨・渇水のためで、トンネル工事とは無関係との説明に終始していた。そこで私は神田隆生市会議員とともに 2002年〜2003年にかけて、箕面川と周辺の川を何度も歩いて調査した。市民から、滝が細くなっているとの意見もしば しば聞いた。しかし、「細い」、「細くない」という主観的な評価では、問題点は明確にならない。
調査の中で私たちは、箕面川ダムの上流で太いパイプに出会った。パイプからは水が、間欠的に放流されていた。
間欠的に放流されるのは、トンネル内に湧いた水を、地下貯水槽に貯め、貯水槽の水位が上がるとポンプが自動的に 働き、ポンプで箕面川にまで上げて放流しているからと推測できた。最近の放流は、ほとんど連続的に行われている。
早速、道路公社に確かめたところ、私たちの推測は的中し、トンネル湧水の一部をポンプで地上に送り、箕面川等に
送っているとの回答だった。箕面山で川や井戸が涸れ、滝が細くなっていたのは、小雨・渇水のためではなく、箕面トン ネルのためであることが明らかになった。衝撃の事実だった。
衝撃の事実を報道提供
「ムダな山の開発は財政と自然を破壊する」ことが、白日の下にさらけ出された。私は積極的に、マスコミに情報提供
した。
それに応えて、2006年12月、ある放送局が箕面トンネルと水と緑の健康都市開発の両方をまとめた報道をした。報
道が大きな反響を呼んだのは倉田氏が指摘しているとおりだ。そして、トンネル湧水を川に返還するポンプの電気代 は、年間3000万円かかることも、このニュースで明らかになった。
倉田氏の誤解について
貴殿はこの報道を取り上げ、ブログに「トンネル工事で大量の水が湧き出し、周辺の川が枯れた」「滝壺に流れ落ち
る大量の水は、なんとポンプで吸い上げたもの」「箕面の滝は自然の滝ではなく、人口の滝」との報道に、私たちが 「喜々として太鼓判を押した」と書いている。
しかし、「トンネル工事で大量の水が湧き出し、周辺の川が枯れた」のは事実だが、私たちは喜々としてではなく、悲し
みと怒りを持って受け止め、工事の中止を求めた。
「滝壺に流れ落ちる大量の水は、なんとポンプで吸い上げたもの」は事実ではない。私が太鼓判を押すはずもない。
「箕面の滝は自然の滝ではなく、人口の滝」については、そういう見方もあるだろうが、私は賛同しないし、太鼓判は
過去も今後も押さない。
私たちがテレビの中で告発したのは箕面トンネルと、水と緑の健康都市開発が大阪府の財政と箕面の自然を破壊し
た事実だ。
貴殿は、ビデオを再度、視聴し、私への誤解を解き、日本共産党に対する執拗な攻撃は止めていただきたい。
トンネル湧水について
トンネル湧水の返還量について付言する。
箕面トンネルの湧水量は、2003年9月が最高で10.71?/分を記録した。その後、少し湧水量は減ったが、年間平均で
6.0立方メートル/分前後の状態が続いている。地下水位の低下は、奥山川付近の第6ポイントで、2007年10〜12月期 に最大の−44.17mに達し、最近でも(2013年10〜12月)−39.81mと続いている。
これらの状態は、トンネル湧水が箕面山に負の影響を与えていることを推測させるため、大阪府道路公社はトンネル
湧水のうち2.98?/分を箕面川、茶長坂川、鍋田川、唐子川、奥山川、止々呂美・地蔵地区の合計6カ所で昼夜分かた ず、放流し、余った大量の水は千里川に放流している。
箕面川ダム上流の箕面川に、道路公社が放流しているトンネル湧水は1.09立方メートル/分、1秒当たりでは0.018
立方メートルになる。倉田氏はこれを「ごく僅か」と書いているが、トンネル湧水の全体を考えれば、大量であり、雨期は ともかく、冬期では、決してごく僅かではない。
千里川に放流している分、箕面川の水量が減っているのは間違いない。さらに、放流水には、環境基準を超えるひ
素が検出され、道路公社はひ素対策を余儀なくされている。
最後に
倉田氏が、箕面の滝と、山や川を愛するなら、「ポンプによる水の補給があるから箕面の滝が人口の滝か、否か」の
話題から卒業し、箕面トンネルが箕面山に与えた負の影響を直視し、それを軽減し、繰り返さないことにこそ、力を入 れるべきである。
現在、西日本高速道路株式会社が新名神高速道路新箕面トンネルの工事をすすめている。新箕面トンネルは箕面ト
ンネルに比べ、延長は少し短いものの、幅が4車線と広いため、掘削断面積は大きくなる。トンネル湧水も懸念される ため、私は新名神高速道路工事事務所に行き、トンネル湧水について調査した。工事事務所は、箕面トンネルのよう な大量の湧水は発生しないと説明しているが、私は、今後も箕面の滝と、山や川を愛する立場から、監視、調査、発言 を続けていく。
2016年 日本共産党箕面市議団 代表質問
2016年 3月 3日 神田隆生
3月3日、神田隆生議員が代表しておこなました。
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