植込み型除細動器関連不整脈

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  未熟な左手が作ったペースメーカ関連検定試験の不整脈に関するよりぬきノートです。
左手が、第2回の試験を受けた時に作ったノートと試験問題を元に作っております。
誤りがございましたら、ご連絡下さい(時折出てくる心電図は実際のものではなく左手のハンドメイドです)。


植込み型除細動器関連不整脈

心室頻拍(Ventricular Tachycardia;VT)

≪定義≫

  高頻度(120〜250/分)で3拍以上持続する心室期外収縮

心室頻拍(Ventricular Tachycardia;VT)

※ 上記心電図は、3拍目より幅広く変形したQRSが125〜210/分の頻度で10連続出現し、再び正常洞調律に戻っている。


≪分類≫

非持続性心室頻拍30秒未満で自然停止
持続性心室頻拍30秒以上の持続や30秒未満であっても血行動態が破綻し、
緊急にペーシングや直流通電が必要なもの

≪基礎疾患≫

心筋梗塞や拡張型・肥大型心筋症、不整脈源性右室心筋症、弁膜疾患、高血圧性心疾患、心筋症の既往等
その他に、撃発活動や異常自動能を機序とするもの
撃発活動は、QT延長症候群(LQTS)に生じる多形性VT(torsade de pointes)の原因として重要
上記疾患による左室機能低下例(EF40%未満)に発症することが多い

≪治療≫

抗不整脈
カルディオバージョン(VT中のR波に同期して通電)
抗頻脈ペーシング(ATP)

心室細動(Ventricular Fibrillation;Vf)

≪定義≫

   心室筋の急速(250/分以上)で調和のない収縮

心室細動(Ventricular Fibrillation;Vf)

※ 上記心電図は、QRSは幅広く、その形、大きさ、頻度も不規則な250/分以上の頻脈である。


≪基礎疾患≫

急性心筋梗塞、虚血性心疾患、心筋炎、心筋症
VTからの移行や特発性VT
Brugada症候群
電解質異常
ジキタリス中毒

≪治療≫

ATPは無効、直流除細動が必要

Brugada症候群

  種々の臨床検査で明らかな原因を診断できないにもかかわらず、多形成心室頻拍、心室細動を引き起こし、心電図上右側胸部誘導に特徴的なブルガダ型心電図(右側胸部誘導心電図にて右脚ブロック様の心電図波形と特徴的なST上昇)を認める疾患

≪ブルガダ型心電図≫

@完全又は不完全右脚ブロック様QRS波形(V1〜V3のJ波1)
A右側胸部誘導(V1〜V3)でcoved型(渓谷様)あるいはsaddle back型(馬の鞍凹)のST上昇
V1〜V3を通常より1肋間上で記録すると典型的所見がえられることがある
1 J波とは、QRSとSTの接合部(junctional point;J点)に存在するQRSの終末部に存在する切れ込み
Brugada症候群(coved型とsaddle back型)

≪臨床症状≫

失神発作
前駆症状もなく突然死

QT延長症候群

  QT間隔は心室の脱分極の始まりから再分極が終了するまでの時間がであり、QT間隔が延長した状態(QTc≧0.48秒)をQT延長症候群という。

≪病態生理≫

  QTの延長は、心室筋不応期が不均一な状態であり、そこに心室期外収縮(PVC)が併発するとTorsades de pointes(多形成心室頻拍)という特殊な心室頻拍を引き起こし、Vfに移行し突然死することがある。


≪Torsades de pointes(TdP)≫

  QRSの振幅が基線を中心にねじれる様に変動する特徴を有する。TdPは自然停止するが、TdPを繰り返したり、心室細動へ移行し突然死することもある。

Torsades de pointes(TdP)

※ 上記心電図は、1拍目のQT時間は0.52秒と延長がみられる。
  2拍目のT波に続く心室期外収縮(R on T)によって周期的にQRSがねじれるように変化する多形成心室頻拍がみられる。
  最終的には自然停止している。


≪臨床症状≫

失神発作
前駆症状もなく突然死

≪原因と発作予防≫

原因発作予防
先天性
(遺伝性)
 Romano-Ward症候群
 (常染色体優性遺伝)など
 ・ β-blocker
 ・ 植込み型除細動器(ICD)
後天性 大半は薬剤性(抗不整脈薬) ・ 原因薬剤の使用禁止





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