システムの安全性
特性分析手法
FTA(Fault Tree Analysis;故障の樹分析)
起こった事故の根本の原因を分析する手法。
FMEA(Fault Mode and Effects Analysis;故障モード効果分析)
個々の事象が全体にどのような影響を及ぼすか表形式で分析する手法。
誤操作防止システム
≪多重系≫
重要な部分を二重、三重にし1つが故障しても他の同じ役目の部分が片代りするシステム
例) 停電用バッテリー
≪デッドマンシステム≫
デッドマン(死人)には操作できないシステム。
例) 操作具を押し続けないと動作しないようにするシステム
≪フールプルーフ(エラープルーフ)≫
フール(馬鹿)に対するプルーフ(保護)のシステムで、間違った操作が構造上できないシステム
=誰が使っても安全なシステム。ミス予防システム。
フール(馬鹿)という言葉が、差別用語につながるということでエラープルーフと呼び方が変わりつつあります。
例) ピン方式やシュレダー方式を用いた配管末端器の誤接続防止機構
≪フェイルセーフ≫
フェイル(失敗・事故)が生じてもそれを検知し、自動的にシステムをセーフ(安全な状態)に導くシステム
例) ガス遮断安全装置、低酸素防止装置つき流量計
≪フェイルソフト≫
何らかの不具合が起こっても、その部分を切り離すなどして障害の影響が他所に及ぼすのを防ぎ、最低限のシステムで稼動し直ちにシステムが停止しないようにする。
≪メンテナンスフリー≫
メンテナンス(保護)がいらないように丈夫に設計された部分
アベイラビリティ(稼働率)
ある期間どの程度動くかという指標。機器廃棄の指標にも活用されます。
≪平均故障間隔(MTBF;Mean Time Between Faiures)≫
システムが故障してから、次に故障するまでの平均時間
=システムが稼動している平均時間。
≪平均修理時間(MTTR;Mean Time To Repair、MDT;Mean Down Time)≫
システムが故障して修理に要する平均時間
=システムを修理している平均時間
≪定常アベイラビリティ(稼働率)≫
システムが正常の動作している時間の割合。

信頼度(記号;R)
複数の要素で構成されたシステムが機能を維持している確率。
信頼度(R)は、1を越えることはありません (∵全く故障しない確率が1だから)
≪直列系≫
どの機器に故障が起きてもシステム全体が動かなくなる接続です。
全体の信頼度(R)は、最も信頼度の低い部分の信頼度(R)より低くなります。
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機器A | 機器B | システム全体 |
○ | ○ | ○ |
○ | × | × |
× | ○ | × |
× | × | × |
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直列系の全体の信頼度=R1×R2
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≪並列系≫
同じ機能を持つ機器を複数接続することで、1つの機器が故障しても他の機器で代替できる接続です。
全体の信頼度(R)は、高くなります。
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機器A | 機器B | システム全体 |
○ | ○ | ○ |
○ | × | ○ |
× | ○ | ○ |
× | × | × |
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並列系の全体の信頼度=(R1+R2)−(R1×R2)
=1−(1−R1)×(1−R2)
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