周期表と物質の性質

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毒物劇物取扱責任者試験の基礎化学でよく出題されている所をまとめてみました。
誤っている点がございましたら、メールで指摘して戴けると嬉しいですm(_ _)m。


周期表


周期
101112131415 161718
1H
水素
2He
ヘリウム
3Li
リチウム
4Be
ベリリ
ウム
5B
ホウ素
6C
炭素
7N
窒素
8O
酸素
9F
フッ素
10Ne
ネオン
11Na
ナトリ
ウム
12Mg
マグネシ
ウム
13Al
アルミ
ニウム
14Si
ケイ素
15P
リン
16S
硫黄
17Cl
塩素
18Ar
アルゴン
19K
カリウム
20Ca
カルシ
ウム
21Sc
スカンジ
ウム
22Ti
チタン
23V
バナジ
ウム
24Cr
クロム
25Mn
マンガン
26Fe
27Co
コバルト
28Ni
ニッケル
29Cu
30Zn
亜鉛
31Ga
ガリウム
32Ge
ゲルマ
ニウム
33As
ヒ素
34Se
セレン
35Br
臭素
36Kr
クリプ
トン
37Rb
ルビジ
ウム
38Sr
ストロン
チウム
39Y
イットリ
ウム
40Zr
ジルコ
ニウム
41Nb
ニオブ
42Mo
モリブ
デン
43Tc
テクネ
チウム
44Ru
ルテニ
ウム
45Rh
ロジウム
46Pd
パラジ
ウム
47Ag
48Cd
カドミ
ウム
49In
インジ
ウム
50Sn
スズ
51Sb
アンチ
モン
52Te
テルル
53I
ヨウ素
54Xe
キセノン
55Csセシウム56Ba
バリウム
57〜71
ランタ
ノイド
72Hf
ハフニ
ウム
73Ta
タルタン
74W
タング
ステン
75Re
レニウム
76Os
オスミ
ウム
77Ir
イリジ
ウム
78Pt
白金
79Au
80Hg
水銀
81Tl
タリウム
82Pb
83Bi
ビスマス
84Po
ポロニ
ウム
85At
アスタ
チン
86Rn
ラドン
87Fr
フラン
シウム
88Ra
ラジウム
89〜103
アクチ
ノイド
元素の左の数字は、原子番号です。元素記号の色の色は、重要な元素なので元素記号と元素名を覚えましょう。
は、アルカリ金属元素は、アルカリ土類金属元素は、ハロゲン元素は、希ガス元素

  周期表の縦の列という。1〜18族に分類される。周期表の同じ族の元素を同属元素という。


周期

  周期表の横の列周期という。第1〜第7周期に分類される。



覚えておきたい元素と化合物

覚えておきたい元素記号と元素名

原子番号1〜20

原子1〜20


ハロゲン(17族の元素)

ハロゲン
※ At(アスタチン)は、無理に覚える必要はありません。


金属元素

金属元素


他に出題される可能性のある元素

Cr(クロム)  Mn(マンガン)  As(砒素)  Sn(錫;すず)  Pb(鉛)  Ba(バリウム)


覚えておきたい化合物と官能基

無機化合物

化合物名化学式酸・塩基性
塩酸塩酸強酸性
硫酸硫酸強酸性
硝酸硝酸強酸性
過酸化水素過酸化水素弱酸性
アンモニアアンモニア弱塩基性
水酸化ナトリウム水酸化Na強塩基性
水酸化カリウム水酸化K強塩基性


有機化合物

化合物名化学式示性式
クロロホルムクロロホルムクロロホルム
四塩化炭素四塩化炭素四塩化炭素
メタノール
(メチルアルコール)
メタノールメタノール
ホルムアルデヒドホルムアルデヒドホルムアルデヒド
蟻酸(ギ酸)蟻酸(ギ酸)酢酸
酢酸酢酸酢酸
蓚酸蓚酸蓚酸
ベンゼンベンゼンベンゼン
フェノールフェノールフェノール
トルエントルエントルエン
ピクリン酸ピクリン酸ピクリン酸


官能基

官能基構造式
ヒドロキシル基ヒドロキシル基
アルデヒド基アルデヒド基
カルボニル基
(ケトン基)
カルボキシル基
カルボキシル基カルボニル基
アミノ基アミノ基
ニトロ基ニトロ基
スルホ基スルホ基
エーテル結合エーテル結合
エステル結合エステル結合


元素の分類と物質の性質

アルカリ金属

  水素以外の周期表1族元素アルカリ金属という。Li(リチウム)Na(ナトリウム)K(カリウム)、Rb(ルビジウム)、Cs(セシウム)、Fr(フランシウム)の6元素が存在する。

(性質)

・価電子を1個もち、1価の陽イオンになりやすい
・単体は常温で水と反応する。

(NaとKの性質)

銀白色の金属光沢を持つ金属
水と激しく反応し、水素を発生し、水酸化Naあるいは水酸化Kになる。
  2Na+2H2O → 2NaOH+H2
  2K+2H2O → 2KOH+H2
・炎色反応は、Naが色。Kが色を示す。


アルカリ土類金属

  Be、Mg以外の周期表の2族元素アルカリ土類金属という。Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)の4元素が存在する。

(性質)

・価電子を2個もち、2価の陽イオンになりやすい


炎色反応

炎色反応


ハロゲン

  周期表17族の元素ハロゲンという。F(フッ素)Cl(塩素)Br(臭素)I(ヨウ素)、At(アスタチン)の5元素が存在する。

(性質)

・価電子を7個もち、1価の陰イオンになりやすい

F2Cl2Br2I2
常温の状態気体
淡黄
気体
黄緑
液体
赤褐
固体
黒紫
沸点・融点F2 < Cl2 < Br2 < I2
酸化力F2 > Cl2 > Br2 > I2

希ガス

  周期表18族希ガスという。He(ヘリウム)Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(ケセノン)、Rn(ラドン)の6元素が存在する。
希ガスと呼ばれるのは、これらはいずれも気体で空気中にわずかしか存在しないためである。

(性質)

価電子が0非常に安定している(不活性化ガス)ため単分子として存在している。
常温で気体で存在し、融点、沸点が極めて低い。

同族元素

金属のイオン化傾向

イオン化傾向とイオン化列

  金属が水溶液中での陽イオンのなりやすさの性質を、金属のイオン化傾向という。又、金属をイオン化傾向の大きなものから順に並べたものをイオン化列という。
  イオン化列K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H2)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au
  水溶液中に金属イオンイオン化傾向の大きい金属を浸すと、イオン化傾向の大きい金属が溶けて陽イオンとなり、先の金属は単体となる。

例) Cu2++Fe → Cu+Fe2
   2Ag+Cu → 2Ag+Cu2+

イオン化傾向とイオン化列


物質の性質

吸湿性 : 空気中の水分吸収する現象

例) 硫酸、過酸化ナトリウム、無水硫酸銅、ニトロベンゼン、モノフルオール酢酸 etc…

潮解性 : 固体が空気中の水分吸収して、固体が溶け込む現象。

例) シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、亜硝酸ナトリウム
   塩素酸ナトリウム、塩化亜鉛、酢酸タリウム、トリクロル酢酸 etc…

風解性 : 水和物(結晶水)をもつ化合物を大気中に放置すると水和物を蒸発させ無水物となり粉末状となる現象

例) 蓚酸、硫酸銅(水和物)、硫酸亜鉛、硫酸カドミウム etc…

昇華性固体が直接気体となる性質

例) ヨウ素、蓚酸、塩化第二水銀(昇汞)、亜砒酸 etc…


無機化合物

塩化水素(塩酸)

(性質)

@塩化水素(無色の気体)の水溶液を塩酸といい、強酸である。
A湿った空気中で著しく発煙し、刺激臭がある。
B様々な金属を溶解し、水素を発生する。
  Fe+2HCl → FeCl2+H2
Cアンモニアと反応して白煙を生じる
  HCl+NH3 → NH4Cl
D硝酸銀を塩酸に入れると、白い塩化銀沈殿する(鑑識法)
  Ag++HCl → AgCl↓+H


硫酸

(性質)

@濃硫酸は無色透明、油状の重い液体で不揮発性の酸である。
A濃硫酸は吸湿性を持つ
B水と激しく反応するので、稀釈するときは水に濃硫酸を入れる
C熱すると強い酸化作用を示す。
D希硫酸は、強酸で金属と反応し水素を発生する。
  Zn+H2SO4 → ZnSO4+H2
E希硫酸に塩化バリウムを入れると、白い硫酸バリウム沈殿する。
  硫酸バリウムは塩酸、硝酸には溶けない(鑑識方法)
  Ba2++H2SO4 → BaSO4↓+2H


硝酸

(性質)

@無色の液体で強酸である。
A湿った空気発煙をあげる。
B強い酸化作用を示す。


過酸化水素

(性質)

@無色透明の濃厚な液体。
A不安定な物質のため安定剤として塩酸を添加して貯蔵する。
B常温で徐々に酸素に分解。
C加熱、、激しく動揺あるいは有機物に触れると爆発を起こす。
D還元性酸化性の両方をもつ。


アンモニア

(性質)

@特有の刺激臭のある無色の気体で空気より軽い
A圧縮することにより常温でも簡単に液化する(液化アンモニウム)。
B水に良く溶け、水溶液はアンモニア水といい、弱塩基性を示す。
Bアンモニア水にネスラー試薬を加えると黄(褐)色の沈殿を生じる(鑑別法)


水酸化ナトリウム

(性質)

@白色の固体で水溶液は、強アルカリ性を示す。
A水に溶解する際、多量の熱を発生する。
B空気中に放置すると水蒸気を吸収し、潮解する。
C二酸化炭素をよく吸収する。
D炎色反応は、色。


水酸化カリウム

(性質)

@無色の固体で水溶液は、強アルカリ性を示す。
A水に溶解する際、多量の熱を発生する。
B空気中に放置すると水蒸気を吸収し、潮解する。
C炎色反応は、



その他

LD50とED50

ED50(50% effective dose) : 実験動物の50%に有効な効果が発揮されると推定される薬物量
LD50(50% lethal dose) : 実験動物の50%が死亡すると推定される薬物量
                  Live or Dead と覚えよう(本当は違うけど)







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