ESWL (体外衝撃波砕石術)
原理
結石と人体組織の音響インピーダンスの違いを利用し、体外から発生させた衝撃波によって生じる圧縮力と引っ張り力により結石を破砕する。
適応
大きさ | : | 親指頭大以下の結石 |
部 位 | : | 腎及び腸骨陵上縁までの上部尿管。 中部尿管は腸骨、下部尿管は腸内ガスが衝撃波を妨げる |
衝撃波の発生源と集束法
衝撃波 : 単一波(パルス波)
衝撃波発生法 | 発生方法 | 集束法 |
微量発破方式 | 微量の火薬を起爆 | 回転楕円反射面 |
水中放電方式 | 水中に置いた電極間で放電 |
圧電方式 | 圧電素子を使用 | 球面収束方式 |
電磁振動方式 | コイルで磁界を発生させ金属板を振動 | 音響レンズ |
生体との接触 (カップリング)
≪メンブレン式≫
高分子の膜で液体(水)を包み、それを患者に接触させる方式
≪バスタブ式≫
大量の水の入った水槽に患者が入る方式
生体への影響
・ | 肺組織や消化管など空気の多いところでは音響インピーダンスが高いため組織障害を起こす。 |
・ | 骨は音響インピーダンスが高いが強度が高いため破壊はされない。 |
結石照準方法
≪X線透視観察≫
利点 | : | 破砕程度の認識が容易で直ちに確認できる |
欠点 | : | 患者被爆のため常時観察できない |
≪超音波観察≫
利点 | : | 破砕程度がリアルタイムに観察できる |
欠点 | : | 結石と骨(骨盤)が重なると探査できない |
内視鏡用砕石装置
手段
≪経皮的腎尿管結石摘出術 (PNL)≫
腎胃瘻(皮膚と腎とを結ぶトンネル)を通じて内視鏡を腎盂・尿管内に送り込む
≪経尿道的尿管砕石術 (TUL)≫
膀胱・尿道を経て尿管内で内視鏡を送り込む
適応
PNL | : | ESWL適応外の親指頭大以上の結石。腎から上部尿管の上半分 |
TUL | : | 上部尿管の下半分〜末梢の尿管まで |
その他の結石破壊装置
超音波砕石装置
≪原理≫
プローブ(超音波振動子と振動棒)を振幅させ、結石を細かく砕き直ちに体外に吸引排出する。
≪仕様≫
レーザー砕石装置
≪原理≫
Ho:YAGレーザー砕石装置 | : | パルス波レーザー光を発生させ、水中衝撃波によって結石を破壊 |
色素レーザー砕石装置 | : | 結石にレーザー光を吸引、プラズマ(熱)により発生した衝撃波で結石破壊 |
電気水圧砕石装置
≪原理≫
微小な電極の間に放電を起こし、水中衝撃波を発生させる。プローブ先端が高温となるため蒸留水を灌流させる。
輸液ポンプ
駆動方式

ペリスタルティック方式 : 正確さをあまり必要としない点滴に用いる。誤差10(5)%以内。
@ フィンガポンプ
・ | 長時間使用で、輸液チューブの復元力低下し流量誤差が大きくなる |
・ | 流量制御型と滴数制御型がある |
A ローラポンプ
・ | 輸液量は、ローラの回転数とチューブの断面積によって決まる |
ピストンシリンダ方式 : 精密さを必要とする微量点滴に用いる
@ ボルメトリックポンプ
・ | ピストン運動による注入。現在ほとんど使用されていない。 |
A シリンジポンプ
・ | 微量薬液を高精度に輸液できる。シリンジは指定のものが必要。誤差3%以内。 |
制御方式
≪流量制御型≫
・ | 専用の輸液セットを使用する |
・ | フィンガの波状運動によりしごかれ送液される(フィンガポンプが代表) |
≪滴数制御型≫
・ | 汎用の輸液セットを使用できる |
・ | 点滴筒に滴下センサを取り付け、滴下数を数える |
・ | 薬液の比重・粘度が大きくなると流量誤差が大きくなる |
点滴セット
成人用点滴セット | : | 15滴で1ml |
小児用点滴セット | : | 60滴で1ml |
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