体外循環装置学 その3

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  未熟な左手が作った臨床工学技士国家試験のに関するよりぬきノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。


人工心肺回路

人工心肺回路


脱血回路

落差脱血

血液ポンプ

≪原理≫

  サイフォンの原理で落差により貯血量を調節


≪利点≫

  特別な装置を必要とせず、実際上充分な脱血量が得られるため広く用いられている。


≪問題点≫

@太いカニューレが必要
→ 通過抵抗を低くするため太いカニューレが必要となり、右心房(大静脈)を損傷
A回路レイアウトの制限
→ 落差が最大になるよう貯血槽をできるだけ低い位置にセティングする必要がある
B過脱血
→ 落差をつけすぎるとその陰圧で静脈壁が脱血管に吸い付き、かえって脱血量が減少する
Cエアーブロック
→ 脱血管〜脱血回路内に空気が混入するとサイフォンの原理が働かなくなり、脱血できない

ポンプ脱血

≪原理≫

  ローラーポンプにより脱血


≪利点≫

  脱血量を任意に調節が可能 →送血量と同調させた脱血が可能


≪問題点≫

@強制脱血のため、過度陰圧がかかる可能性がある
→ 右心房、大静脈の損傷
A操作が煩雑

陰圧脱血

≪原理≫

  リザーバー内に陰圧(−40mmHg程度)をかけて、落差脱血を補助


≪利点≫

@細い脱血管で充分な脱血量の確保が可能
Aエアーブロックが発生しにくい

≪問題点≫

@リザーバーに安全弁が必要
→ 過度の陰圧の防止、流入血増加による陽圧防止
A陰圧吸引回路内の結露
→ フィルターの根詰まり、未滅菌回路使用時の汚染
→ ガスフィルターを使用せず、ウォーターとラップを装着。陰圧吸引補助ラインはすべて滅菌

脱血カニューレ

  カニューレ内の抵抗を小さくするため、できるだけ太くかつ合併症を起こさない程度のものを使用
圧がかからないので硬いものである必要はない


脱血カニュレーション

二本脱血用カニューレ(ダイレクト・ストレート)

≪上大静脈(SVC)・下大静脈(IVC)の二本脱血≫

右心系を切開する必要のある場合
右心房を圧迫する必要のある場合(僧帽弁手術など)

≪右心房(RA)の一本脱血≫

一本脱血用カニューレ(ツーステージ)
右心系を切開しない場合(大動脈弁、動脈瘤、CABG手術など)

≪肺動脈(PA)又は右心室(RV)脱血≫

左側開胸など直接左心房に到達できない時

≪大腿静脈(FV)脱血≫

PCPS等の補助循環
左心バイパス
左側開胸など直接左心房に到達できない時


送血回路

送血カニューレ

送血カニューレ

  動脈壁の損傷、圧損の低下のため、薄くて強い材質を使用


送血カニュレーション

@ 上行大動脈

≪長所≫|
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≪短所≫
・ 順行性血流
・ 口径の大きなカニューレが使用できる
・ 術野が一ヶ所
・ カニューレの方向によりの血流を障害
・ キャビテーションの発生
・ 動脈壁の損傷し重症化しやすい
・ アテロームの遊離し重症化しやすい

A 大腿動脈

≪長所≫|
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≪短所≫
・ 開胸操作が不要
・ 上行大動脈の病変があるとき
 (動脈瘤など)
・ 逆行性血流
 (血流障害、遊離アテロームによる脳塞栓)
・ カニューレサイズに制限
・ 動脈硬化による狭窄の存在の可能性
・ 下肢の虚血


吸引・ベント回路

吸引回路

  心臓内外に溜まった血液を吸引する回路


左心ベント

  左心房、左心室、肺動脈のいずれかに挿入。通常は左心房。

≪目的≫

@左心室内血液の吸引
→無血視野の確保
→左室過伸展の防止
A開心術心内操作終了時の気泡除去

≪問題点≫

空気塞栓の可能性
 →脱去時に心腔内陰圧により吸い込み不完全なポンプオクルージョンによる逆流


ルートベント

  大動脈起始部に挿入

≪目的≫

心筋保護液の回収
冠状動脈の吸引(バイパス手術時の無血視野確保)
左心室内血の吸引(左心ベント代用)
心拍再開時の拍出気泡の吸引






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