測定誤差
測定誤差
≪測定誤差≫
測定量の真の値T、測定値をMとするとその差が測定誤差εとなる

≪誤差百分率≫
測定誤差εの真の値Tに対する割合

又単に を相対誤差といい、εを絶対誤差という。
誤差の分類

≪系統誤差≫
何回測定を繰り返しても一定の傾向で現れる誤差 |
対策 | : | 性能の良い計測器の使用 個人的誤差あるいは測定者の癖によるものを小さくする 適切な方法で校正を行う |
≪偶然誤差≫
測定ごとに異なった値をとって現れる誤差 |
対策 | : | 同じ測定を同じ条件で多数繰り返しその測定値を平均することで偶然誤差が1/√nに改善 |
≪過失誤差≫
測定者の不注意などによる誤差 |
対策 | : | 測定者が誤差に注意して測定を行う |
正規分布
同一測定を多数回繰り返しグラフ化すると平均値を中心にした左右対称の山型の分布を正規分布といい。 偶然誤差は正規分布に従う。
T | : | 真の値 |
M | : | 多数の測定の平均値 |
b | : | かたより |
σ | : | ばらつき(標準偏差) |
≪標準偏差σ≫
ばらつきの大きさを表す

M±σ | M±2σ | M±3σ |
約68% | 約95.5% | 約99.7% |
※ 独立した正規分布の2つの和又は差の分散は、それぞれの分散の和又は差となる。
標準偏差ではそれの2乗根となる
有効数字
有効数字とは,最小桁に信憑性のない数字を含んで表現した数値
例) 『 1.2345±0.03 』 を有効数字で表せ
有効数字は、最小桁は信憑性のない数字を含むため誤差(±0.03)が存在する下2桁まで表示ができ、その下3桁目を四捨五入して表す。 よって、1.23
例) 『 1234000±50000 』 を有効数字で表せ
有効数字は、最小桁に信憑性のない数字を含むため誤差(±50000)の存在する5桁まで表示でき、4桁目を四捨五入し、4桁目以降は指数で表す。
よって、123×104又は1.23×106
測定誤差の伝搬
≪誤差の加減算(足し算引き算)≫
誤差の存在する測定値を足し(又は引き)合わせた場合の測定値誤差の最大値は、

※ 誤差の加減算の場合、絶対誤差から相対誤差を求めると計算しやすい
例) 長さ50cm(誤差2%)の紐と長さ30cm(誤差1%)の紐をつなげた時の最大誤差は?

よって、最大誤差は1.3cm(絶対誤差)
相対誤差は、1.3÷(50+30)×100≒1.6%
≪誤差の積商(掛け算割り算)≫
誤差の存在する測定値を掛け(又は割り)合わせた場合の測定値誤差の最大値は、

※ 誤差の積商の場合、相対誤差から絶対誤差を求めると計算しやすい
例) 縦20cm(誤差2%)、横50cm(誤差3%)の長方形の面積の最大誤差(%)?

よって最大誤差は5%(相対誤差)
絶対誤差は、(20cm×50cm)×0.05=50cm
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