漏れ電流の測定方法

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  未熟な左手が作った臨床工学技士国家試験の漏れ電流の測定に関するよりぬきノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。




接地漏れ電流の測定

 接地漏れ電流は、、被測定ME機器の3Pプラグのアースピンと壁面接地端子の間にMDを挿入し、3Pプラグのアースピンと壁面接地端子の間に流れる漏れ電流を測定。

接地漏れ電流

正常状態の測定

≪接続≫

  被測定ME機器の3Pプラグに接続した3P・2P変換アダプタを壁面コンセントに接続。
3P・2P変換アダプタのアースリードと壁面接地端子の間にMDを挿入し、被測定ME機器の3Pプラグのアースピンから漏れてくる電流を測定。

接地漏れ電流の測定(正常状態)


  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続。

接地漏れ電流の測定(正常状態・電源極性の切換え)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
電源極性の切換えを再度測定し、大きな値を測定値とする。


≪判定≫

  装着部の形別に関わらず、5000 μA(5 mA)以下が正常値


単一故障状態(電源導線の1本の断線)の測定

≪接続≫

  正常状態の接続から3P・2P変換アダプタを外し、2Pテーブルタップに3P・2P変換アダプタの極刃の1本だけ接続(∵接地漏れ電流の単一故障状態は、電源導線の1本の断線のみ)。
2Pテーブルタップのプラグを壁面コンセントに接続。
  電源極性の切換えは、2Pテーブルタップのプラグを半回転させ壁面コンセントに接続。
  電源導線の断線切換えは、3P・2P変換アダプタの極刃を他方に差し換え2Pテーブルタップに接続。

接地漏れ電流の測定(単一故障状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
電源極性の切換え、電源導線の断線切換えの4通りを測定し、その最大値を測定値とする。


≪判定≫

  装着部の形別に関わらず、10000 μA(10 mA)以下が正常値




接触電流の測定

 MDが人で壁面接地端子が大地(地面)と考えると漏れ電流の流れを理解しやすい。
MDの図の左側のコード(赤と黒)が手や足を表していると考えてみる。

接触電流の測定

正常状態の測定

≪接続≫

  被測定ME機器の3Pプラグに接続した3P・2P変換アダプタを壁面コンセントに接続。3P・2P変換アダプタのアースリードは、壁面接地端子に接続。
被測定ME機器の金属部(機器外装が絶縁物で覆われている場合、20cm×10cmのアルミホイル等を貼った部分)と壁面接地端子の間にMDを挿入し、被測定ME機器の外装から漏れてくる電流を測定。
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続。

接触電流の測定(正常状態)

  外装間漏れ電流は、被測定ME機器の金属部(機器外装が絶縁物で覆われている場合、20cm×10cmのアルミホイル等を貼った部分)の間にMDを挿入し、被測定ME機器の外装から漏れてくる電流を測定。

外装間漏れ電流の測定(正常状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
電源極性の切換えを再度測定し、大きな値を測定値とする(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)。
  外装間漏れ電流も同様に測定(ほとんどの場合ゼロ)。


≪判定≫

  装着部の形別に関わらず、100 μA以下が正常値


単一故障状態(保護接地線の開路)の測定

≪接続≫

  正常状態の接続から3P・2P変換アダプタのアースリードをどこにもつながず放置。
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続。

接触電流の測定(単一故障状態)

  外装間漏れ電流の単一故障も同様に、3P・2P変換アダプタのアースリードをどこにもつながず放置。

接触電流の測定(単一故障状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
電源極性の切換えを再度測定し、大きな値を測定値とする(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)。
  外装間漏れ電流も同様に測定(ほとんどの場合ゼロ)。


≪判定≫

  装着部の形別に関わらず、500 μA以下が正常値




患者測定電流の測定

 MDが人で壁面接地端子が大地(地面)と考えると漏れ電流の流れを理解しやすい。
MDの図の左側のコード(赤と黒)が手や足を表していると考えてみる

患者測定電流の測定

正常状態の測定

≪接続≫

  被測定ME機器の3Pプラグに接続した3P・2P変換アダプタを壁面コンセントに接続。3P・2P変換アダプタのアースリードは、壁面接地端子に接続。
被測定ME機器の患者装着部(誘導リードなど)の間にMDを挿入し、被測定ME機器の患者装着部間から漏れてくる電流を測定。
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)。

患者測定電流の測定(正常状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
患者装着部(誘導リードなど)間を測定、それぞれに再度電源極性の切換え(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)を行い、その最大値を測定値とする。


≪判定≫

  B形・BF形装着部では100 μA以下、CF形装着部では110 μA以下が正常値


単一故障状態(保護接地線の開路)の測定

≪接続≫

  正常状態の接続から3P・2P変換アダプタのアースリードをどこにもつながず放置。
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続。

患者測定電流の測定(単一故障状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
患者装着部(誘導リードなど)間を測定、それぞれに再度電源極性の切換え(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)を行い、その最大値を測定値とする。


≪判定≫

  B形・BF形装着部では500 μA以下、CF形装着部では50 μA以下が正常値




患者漏れ電流の測定

 MDが人で壁面接地端子が大地(地面)と考えると漏れ電流の流れを理解しやすい。
MDの図の左側のコード(赤と黒)が手や足を表していると考えてみる

患者漏れ電流の測定

正常状態の測定

≪接続≫

  被測定ME機器の3Pプラグに接続した3P・2P変換アダプタを壁面コンセントに接続。
3P・2P変換アダプタのアースリードは、壁面接地端子に接続。
被測定ME機器の患者装着部(誘導リードなど)と壁面接地端子の間にMDを挿入し、被測定ME機器の患者装着部から漏れてくる電流を測定。
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続。

患者漏れ電流の測定(正常状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
1本1本の患者装着部(誘導リードなど)について測定し、それぞれに再度電源極性の切換え(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)を行い、その最大値を測定値とする。


≪判定≫

  B形・BF形装着部では100 μA以下、CF形装着部では10 μA以下が正常値


単一故障状態(保護接地線の開路)の測定

≪接続≫

  正常状態の接続から3P・2P変換アダプタのアースリードをどこにもつながず放置。
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)。

患者漏れ電流の測定(単一故障状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
1本1本の患者装着部(誘導リードなど)について測定し、それぞれに再度電源極性の切換え(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)を行い、その最大値を測定値とする。


≪判定≫

  B形・BF形装着部では500 μAm下、CF形装着部では50 μA以下が正常値




合計患者漏れ電流の測定

 MDが人で壁面接地端子が大地(地面)と考えると漏れ電流の流れを理解しやすい。
MDの図の左側のコード(赤と黒)が手や足を表していると考えてみる

患者漏れ電流の測定

≪接続≫

  被測定ME機器の3Pプラグに接続した3P・2P変換アダプタを壁面コンセントに接続。
3P・2P変換アダプタのアースリードは、壁面接地端子に接続。
被測定ME機器の同一装着部(誘導リードなど)を一緒にまとめ、壁面接地端子の間にMDを挿入し、被測定ME機器のまとめた患者装着部から漏れてくる電流を測定。
  分類の異なる装着部が存在する場合は、その分類毎にまとめて測定を行う(B形装着部はB形装着部のみをまとめ、BF形装着部はBF形装着部のみをまとめ、CF形装着部はCF形装着部のみをまとめて測定を行う)
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続。

合計患者漏れ電流の測定(正常状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
同一装着部(誘導リードなど)を一緒にまとめ測定し、再度電源極性の切換え(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)を行い、その最大値を測定値とする。


≪判定≫

  B形・BF形装着部では500 μA以下、CF形装着部では50 μA以下が正常値


単一故障状態(保護接地線の開路)の測定

≪接続≫

  正常状態の接続から3P・2P変換アダプタのアースリードをどこにもつながず放置。
  電源極性の切換えは、3P・2P変換アダプタプラグを半回転させ壁面コンセントに接続(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)。

合計患者漏れ電流の測定(単一故障状態)


≪測定≫

  被測定ME機器の電源をオンにし、MDの出力電圧(測定レンジは最高レンジから最適レンジへ)を測定。
結果は、測定値を1kΩで割った電流値を記録(mVの測定値をそのままμAに変換すればよい)。
同一装着部(誘導リードなど)を一緒にまとめ測定し、再度電源極性の切換え(接地漏れ電流 電源極性の切換え参照)を行い、その最大値を測定値とする。


≪判定≫

  B形・BF形装着部では1000 μAm下、CF形装着部では100 μA以下が正常値










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