カメラメンテナンスtips集・他


カメラメンテナンスについて,web上で教えてもらったり、自分流に試行錯誤を重ねた、我流のTips集です。ひょっとするととんでもない間違いをかいているかも知れません。そのときは笑って済ませて下さい。また明らかな間違い等ありましたらお知らせ下さい。



カメラメンテナンスの実際

Kodak Signet

Kodak Retina IIa

Canon demi
Minolta HIMATIC 7s

その他機器のメンテナンス
フィルムスキャナEPSON FS1200 廉価テスタオーバホール



まず、あれば便利な工具

カメラに使用してあるネジ類は非常に小さいので精密ドライバーが必需品です。焼きの入っていない安物はすぐ曲がったり、欠けたりしますので、良いものを手にいれましょう。また,カニ目回しといった特殊な工具が必要な場合もありますが、これらは、製図用デバイダ、コンパスなどで結構代用できます。右の黒い紙切れみたいなのは遮光用モルト

カニ目回しは先端チップが取り替えられるようになったものが多いようですが、とりあえず、ピンタイプと、平板タイプの2種類があれば十分です。右の写真のルーペは,トレーシングペーパをフィルム面に張り付けてピント調整に使用します。

後は、埃を払うブロワー,レンズクリーナ、クリーニングペーパ,力任せのラジペン,その他ピンセット、爪楊枝、綿棒,栓あけ(カニ目のないつまみ用)が必要かな

洗浄液としてのベンジン、ライターオイルなども必需品です。




もなか構造

軍艦部を持たない?機種もあるようで前述のように,簡単に周りのネジだけではずれない機種があります。私が経験したのはCANON Demi_s,なんでもこれは軍艦部に相当する天部が,前後から挟み込まれている作りだそうで、そのように呼ばれているらしい。こうなると、ファンダーを掃除しようものなら,カメラの革張りを剥がして、挟み込んでいる前部を外さないと、天部を開けることができません。
写真右はDemi_sの革張りを剥がして、全面部分を取り外したところ。こうすれば、天部が外れます。



レンズはどうやって外すか

レンズは大抵、最外周にカニ目が入る切り欠きを持った細いリングで締め付けられていますので、これをまず外します。このリング結構細いのでデバイダなどで最後まで緩めるより、少し緩めたらあとは切り欠きに爪楊枝をいれて回して緩めると,キズつけたり、余計な金属片を出さなくて済みます。あとはプレートなども同じ要領で外します(cdsと一体になった物も結構ある)。そうすると、レンズ前群ユニットのカニ目が現れるのでそれを緩めると、前群が外れます。



レンズのカビ、汚れ、曇り

レンズのカビ、汚れ、曇りは基本的にはレンズクリーナで拭き取りますが、頑固なカビには鼻の脂がいいそうです。私もやってみましたが、なんか上手く取れたように思いました。勿論、後はちゃんとレンズクリーナで脂分をとらないといけません。


バルブシャッターのないカメラのレンズ清掃は

バルブシャッターのあるカメラの場合は前群レンズさえ外すことが出来たら、バルブでシャッターを開けておいて後群のレンズシャッター面の汚れ取りは簡単にできます。ところがバルブのないカメラの場合はどうするか、もうこれは無理矢理シャッターをこじ開けるしかしかたありません。なるべく低速域のシャッターにしておいてシャッターが開いた瞬間爪楊枝を差し込み,そのまま、こじ開けます。レンズの汚れを取るくらいの短時間でしたらこれで結構間に合います。ピント調整のようにもっと長時間ひらいておく必要がある場合は、後述のピント調整の所を参考にして下さい。


シャッター、絞りの粘り

古いカメラになると、特にシャッターの低速域で動作が不安定になっている場合がよくあります。レンズ前群が外れるとシャッターが見えるようになります(右は35DC)。このシャッターにベンジンを垂らし、綿棒で拭き取り、ブロワーで吹き飛ばしを繰り返し行います。これで大分改善されるはずです。重傷でない限り殆どこれで治るはずですが、重傷の場合は改善したように見えても,時間が経つとまた粘ることがありますが、このような場合は深追いせず、低速域はあまり使うことナシと割り切ることが必要です。



ファインダーの清掃

古いカメラはファインダーが曇っていることがよくあります。特に順光下ではさほど問題なくても,逆光とか強い光源にさらすと霧がかかったように見えるのは清掃が必要です。ファインダーの清掃には綿棒を主体とし、ピンセット、爪楊枝にティッシュを巻き付けたものを併用すると細かいファインダーの隅々まで綺麗にすることが出来ます。でも間違ってもハーフミラーは拭き取りしない方が賢明です。ブロワーでゴミを吹き飛ばす程度に留めておきましょう。さもないと、距離計が消失してしまいます。私はこれで大失敗をやらかして程度の良いhimatic Eを1台,目測専用品にしてしまいました。


モルトの張り替え

モルトはがしには、シール剥がしが良いようですが、内面塗装を侵す場合があるので、必要以上につけすぎないことです。
モルトの入手性も問題と思いますが、いまは、秋葉原の『カメラのにっしん』で容易に手に入ります。あまりやすい物なので遠方から通販で購入するには気が引けますが、なにかと一緒に買うようにすればいいのではと思います。私はもっぱら出張にいった際、時間があれば買ってくるようにしています。これも、テープ付きと,モルトだけの2種類ありますが、比較的張り付ける面積が大きいところではテープ付きが効率が良いようです。裏蓋を挟み込む細い隙間には,テープ付きは周りの側面に引っ付きまわって上手く貼れません。このような狭い溝部分には細く切った両面テープをあらかじめ溝内部に張り付け(このときも爪楊枝と、先の細いマイナス精密ドライバーを上手く使う),後で、モルトを押し込む要領で張り付けるのが私流のやり方です。接着剤も使いたいのですが,なにが良いのかわからない。
モルトの代用として、黒い毛糸、習字用下敷きなどもよく使われる素材です。


バルブシャッターがないカメラのピント調整

余程の事がない限りピントの再調整は必要ありませんが,前玉回転式のレンズを不用意に外してしまった場合などで、バルブシャッターがないカメラのピント調整について我流を少し。まずピント調整の基本はフィルム面でピントが来ているかどうかを確かめることです。そのため、フィルム面にピントグラスをあてがい,もしくはトレーシングペーパを張り付け,ルーペでピント確認をします。が,バルブのないカメラの場合,シャッターを開けっ放しにしておく方法が問題です。このようなカメラ(前玉回転式とかpenの固定焦点)の場合は殆どビハインドシャッターなのでフィルム面からいったん、シャッターをこじ開け、シャッターの開口部と同じ幅に切った薄いボール紙を縦方向に押し込みシャッターを開いたままにします。そうです、この間にピント調整をすればいいわけです。


2重像がずれている場合

前玉繰り出し方式のカメラ(大口径の高級機に多いみたいです)の場合は、距離計を調整する事によって、前述のピント調整,2重像のズレ補正を行うことができます。右はminolta himatic Fの垂直調整ネジです,大抵他のカメラもファインダー近辺に,垂直、水平調整ネジがあるはずです。僅かの動きで大きく変化しますので,この辺りの調整は慎重が必要です。勿論、三脚に取り付けて調整するのが最も、好ましい。





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