キャノンdemi分解の実際

左は初代demiのレンズ群を外したところです。レンズ掃除だけなら,レンズ外周のピントリングを外しレンズ前群を回転すればすっぽりと取り外せます。殆どの汚れはシャッター面側なので、前群を取り外せば簡単にクリーニング可能です。レンズASSY内部の汚れはレンズ群を分解する必要があります。レンズ群の後群カニ目を外すと次の写真の様に4枚のレンズに分解出来ます。
(レンズ繰り出しによるピント調節ですから、フィル面でピント調整が出来ない人は,レンズ群を外すときの位置、何回転でレンズが外れたかメモしておくこと)

なお、シャッター,絞りに粘りがある場合は,ベンジンを垂らし、拭く作業を粘りがなくなるまで繰り返します。

左の写真はレンズ群を分解したところです、組立の際にはレンズの向きに注意しないとピントが合わなくなってしまいますので要注意です。

レンズの清掃だけなら、上記で可能ですが、ファインダーの清掃、セレン露出系をいじるには軍艦部を開ける必要があります。キャノンデミ系はもなか構造になっていて軍艦部が前後から挟み込まれているので、まず、グッタベルカを剥がす事から始めないといけません。細目のマイナスドライバなどを使用してグッタベルカをエッジからゆっくりと剥がします。無理に力を加えるとグッタベルカが裂けてしまいますので、そのような時はドライヤーなどで熱を加えると作業がし易いようです。
なお、左はCanon demi Sです。

グッタベルカを剥がし4本のネジを取りはずすと(おっととその前に、最外周のプログラム?リングを外す必要があります)全面カバーは外れます。

デミsは全面カバーが上下二つに分割されていますので、レンズ外周の部品を取り外さなくてもカバーは取り外せます。

全面カバーを外し,巻き上げレバー、巻き戻しレバーさえ外せば、軍艦部は持ち上げれば簡単に外れます。唯一、フィルムカウンターリセット突起に引っかかりますので,これだけは小さめのドライバか、爪楊枝などで押さえ込みながら作業をします。

demi系のファインダーは左の写真のようにアセンブリの一体になっています。前後の光学系はネジ締めつけになっているので、緩めれば簡単に外れます。内部のレンズプリズム系もアセンブリ本体部のネジを外せばある程度清掃は可能ですが,順光では綺麗になっても,逆光ではなかなか綺麗にするのは難しいです。バルサム剥がれが内部のプリズム系統にあるのかもしれません。

セレンは持ち上げると簡単に外れます,セレンの電極はリードと,もう片側の電極はセレンの裏側に銀蒸着してあり、カメラ側本体の銅板電極と接触するようになっていますが、この部分が接触不良だと,露出計が動作しない、動作が不安定などの症状が現れますので、受け側電極をベンジンなどで良く拭いて接触を良くしてやります。
後は分解の逆手順で組み付ければOKです。グッタベルカはG17などのゴム系接着剤を少量付けて接着すれば完了となります。

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