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詩集 名前のないもの 第1章 冬眠 14

牛を探せ


いつでも終点は同じだ
ただ一匹の下等なプランクトンでしかないということがはっきりする
無力であり
意志の微少さはどうしようもない
いったいどんな哲学がただの魚に潜んでいるのか
その故にあんなにも偉大に流れる
生活か
オレは「生活して」いなかったのか
アダムの林檎が発達してから
いや、発達する以前から同じ壁にぶち当たる
壁を破ったと思ったことが何度あっただろう
シジフォスの力と意志はまだない
あるのはシジフォスの山と石だけ

牛を探せ
それもできるだけ早く
遅くとも
死んでしまう前に

(1966.7.31)

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