冬眠 (1965.8〜1966.10)
駄荼懦惰堕 (1967.2〜1968.4)
呪歌 (1968.5〜1968.11)
名前のないもの (1968.11〜1969.3)
拾遺集 (1969.4以降)
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能取湖素描
朝
牛の群が水ぎわに 立ち枯れたアヤメの花の中 なぎさには砂だけが 遠くには白い霧 能取湖に風が立つ
昼
はまなすの赤い花 浅い湖の中に小さな舟が 馬が駆けていく 二つの岬がオホーツクの海を抱く 能取湖に風が立つ
夕
引いた潮の中に名も知らぬ貝の群 うす潮の水の上を雲が 光は七つの色を持つ 影は止まらない 能取湖に風が立つ
夜
かがり火のほてり 柏のざわめきのかげで 黒々と湖は息づく 遠くには漁火ひとつ 能取湖に風が立つ
(1966.7.xx)
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