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詩集 名前のないもの 第1章 冬眠 15

神はいないのか


絶対的な無気力が支配する日
膨大な無為の中に埋没する日

神はいないのか
今日の主人は欲求不満

時間が流れている中に立ちつくすということは
こんなにもむずかしいことだった

孤独とは
生の別称ではなかったか
その無自覚さが神経をなめつくす

有為の海の中に放り出されて
その広大さも知らない無知なオレにとって
事態は絶望的ではないか

平凡という言葉があったが
あれは何だろう
実在を信じることができるのか

この頭の重さはどうだ
意志というものに力があるだろうか

神がいるのなら
神がいるのなら

それでも救われることはできない

自らの生活はやはり自己の責任だ
絶対的無気力が支配する日

戦いに勝つ確率は少ない
勝ったとしても
勝ったとしても
どうだというのだ

また戦いが

生は冷たい

(1966.8.7)

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