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詩集 名前のないもの  付録 拾遺集 07

道化 夢 童話


汝 道化の王
道化ることすら忘れ
日がな一日
無さえ呼吸することなく
夢を食う

獏というけもの
草を食う
汝道化
倦怠を飲む

飲んだ倦怠
肋にかかり
胃の腑を押し上げ
目まぐるしくも
外界は回転する

馬たちの背に
人はもういない

遊園地は夜

夜を知らない子供は
童話を信じない

汝道化にも失格し
夢すでに
不消化

嘔吐など望むべくもなく
ひたすら
飲み下し
残滓の堆積が
存在そのもの


すでに道化

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