冬眠 (1965.8〜1966.10)
駄荼懦惰堕 (1967.2〜1968.4)
呪歌 (1968.5〜1968.11)
名前のないもの (1968.11〜1969.3)
拾遺集 (1969.4以降)
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哀しみ
青い波が牙をむいた海に 灯台がひっそりと立っている そんな絵のある喫茶店で 哀しい心しか涌いてこないのです 冷えたコーヒーはほろ苦く 舌の先に残るだけです
こうやって詩のまがいものを書いていても 誰かが読んでくれるというあてもないのです このまま犬のように 死んでゆくのはとても寒いのです でも そうするほかに できることはなさそうです
青い波が牙をむいている海を いつかひとりで見に行きましょう 灯台はひっそりと立ち ハマナスは枯れて 赤い実もしぼんでいるでしょう 海には流氷が来ているかも知れません
(1968.12.11)
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