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詩集 名前のないもの 第4章 名前のないもの 05

祝婚


怠惰な怠惰な眠りから覚めると
あなたが新しい生活を始めたというたより
僕はすなおにおめでとうと言おう

自分のことだけでいっぱいだったから
とてもとても
からっぽな心を抱えていたから
なによりも自信を失って
自分専用のドームから出られないでいた僕だから

あなたはきっと
幸せになれると思う
海に近い暖かい家
今はあなたのいない故郷へ行ったら
風の渡ってくる松の林を
もう一度歩いてみようと思う

この北のはての国で
雪が降ってくるのを待ちながら
怠惰な怠惰な生活は
もう止めよう

(1968.12.11)

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