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詩集 名前のないもの 第4章 名前のないもの 04

装蹄場で


トゥィン トゥィン トゥィン
鉄を打つ
あめ色に輝く熱い鉄

ほの暗い装蹄場で
前だれ姿のヴァルカン匠
透明にまばゆくも輝く鉄
火照る額に汗したたらせ
手品のように曲げられてゆく
伸ばされてゆく

フゴー フゴー
と ふいごはうなり
パッ パチッ パチッ
と 火の粉はあがる

滅びてしまった馬の国で
前だれ姿のヴァルカン匠
あめ色の鉄を打つ
トゥィン トゥィン トゥィン

(1968.12.10)

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