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詩集 名前のないもの 第3章 呪歌 08

’68.10.21


戦いの雄叫びはこの穴蔵の中までは聞こえない
ひしめき うごめき
彼ラ ヤツラ

 転輪の響
 聞こえない
 (耳をふさいでいるから)

血は流されるだろう石だたみの上に
俺の血は虚しくも血管の中を流れるだけ

何事だろう
この意欲たち
ムダではないか
ムダではないか
どこへ行こうというのだろう生命
(いのち)たち

進化のはてに待っているのが滅亡だとしたら
トリケラトプスよ
哀しくはなかったか

 転輪の音
 キコエネエ
 (オラハキキタクネエデ)

マンモスはやはり
クロマニョンを二・三人
踏みつぶしてから死んだのだろうか

逃げろ 逃げろ
俺は痛いのがきらいだから
逃げろ 逃げろ
絶滅するまで

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