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詩集 名前のないもの 第3章 呪歌 09

落ちる


枯れ葉の散り敷いた舗道に
背を丸めて歩く
こんなに葉がついていたろうか
イジイジした街の木に
カサカサと音を立てて壊れる生命
(いのち)のないもの
足の下の物質たち
枝に残った葉よ
早く落ちろ
落ちて乾いて死ね

街かどにはバスを待つ女

どこへ行こうか
この空の下を

(68.10.22)

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