詩集TOP

冬眠
(1965.8〜1966.10)

駄荼懦惰堕
(1967.2〜1968.4)

呪歌
(1968.5〜1968.11)

名前のないもの
(1968.11〜1969.3)

拾遺集
(1969.4以降) 

 

Home

詩集 名前のないもの 第2章 駄荼懦惰堕 21

冬の時代 立春


白い水沫の幕をはね上げて
四つ足の機械が走ってゆく
この見せかけの雪解けは
また朝には一面の凍結を従えた冬に征服される
ニセモノの日差しに暖をとりながら
ああ春が来たのだなと
自分の心に問いかけてみる
答えはあまりにも明確なのに

(1968.2.5)

back                         next