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詩集 名前のないもの 第2章 駄荼懦惰堕 17

暖かい部屋


なんにも することが見つからないのに
なにか しなければいけないような
しばらく寝不足が続いているのに
ちっとも眠たくないような
そんな夜
部屋の外には零下十数度の大気が

シンシンと凍てついた外界の中で
ここだけは心地よさそうな暖かい部屋
倦怠がこの部屋の支配者
無気力はこの部屋の実力者
自己弁護はこの部屋の正当な権利

なにか しなければいけないのに
なんにも することが見つからないような
もう眠たくてしかたがないのに
どうしても眠れないような

そんな夜

(1967.12.13)

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