詩集TOP

冬眠
(1965.8〜1966.10)

駄荼懦惰堕
(1967.2〜1968.4)

呪歌
(1968.5〜1968.11)

名前のないもの
(1968.11〜1969.3)

拾遺集
(1969.4以降) 

 

Home

詩集 名前のないもの 第2章 駄荼懦惰堕 14

口上


サテこれは
一日跳ねまわるサルにてござい
ごろうじろ みなさまがた
見あきることなき天性の道化でござい
朝も早よから夜の更けるまで
右にふりむき 左をあおぎ
ひとりあそびをしてござる
ハテもあわれなサルにてござい

とくとみなさま ごろうじろ
サルの奴めは大まじめでござる
しかつめらしい顔をして
考え深げに人まねしてござる
奴めが困れば悲しめば
我らは腹をかかえるばかり
サテもあわれなサルめでござる
何が楽しゅうて生きてござるのやら

まあ みなさまがた
せめて南京豆なと投げてやって下され

(1967.10.11)

back                         next