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詩集 名前のないもの 第2章 駄荼懦惰堕 02

ストリップ


この北辺の町は寒すぎる
裸の踊り子にとっても
私にとっても

ストーブのぬくもりも届かない
固いシートの中で
私が見たものはなんだったろう
相も変わらない自己嫌悪だけではなかったか

貧しげなスポットが
疲れた女を照らす
それを見つめる行き所のない男たち
明日は永久に来ないだろう
そして悪夢のような今日が続く

今日 今日 今日
いつでも今日だ
明日はない
女にも男にも
私にも

ひえきった体の中で
凝固してしまった心

アン・チェイン・マイ・ハート
レッツ・ミー・フリー
レッツ・ミー・フリー

もう
逃げられない
今日という悪夢から

(1967.2.14)

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