冬眠 (1965.8〜1966.10)
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呪歌 (1968.5〜1968.11)
名前のないもの (1968.11〜1969.3)
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カラマツ
砂時計の中で 砂の粒が落ちるように 時の中を落ちて行く
むくれあがった道からは 砂塵が舞い立って 春が来ようとしているらしい 並木のカラマツは 何の希望も持たずに芽をふくだろう
秋までに その一時の休止の時までに いったいカラマツは何をするのだ その永遠の休息の日までに いったいカラマツは何をするのだ
壮大な死となって大地を打つ それだけがカラマツになし得ることなのか
たしかに春は来るだろう そして新しい鳥は新しい巣を作る すべての世には事もなしというわけだ
また日々が 砂時計の中で 砂粒が落ちるように
並木のカラマツは 何の希望も持たずに芽をふくだろう
(1967.4.15)
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