特論 砥石の話



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 砥石の話


細目次  砥石というもの

インディア砥石

白砥石/WA砥石

●GC/C砥石

アルカンサス砥石

いわゆる「人白砥石」
  cBN砥石
  目立ての原理




砥石というもの

 砥石は研磨作業に用いられるもので、その歴史は古い。さまざまな材質に対して用いる必要から、その種類も多様に亘る。
 砥石での研磨は、機械加工に際して生じている「切削痕」や「研削痕」を消除し、仕立て上がり寸法精度をもう一段階レベル・アップさせるべき加工法なのだが、例えば、平面研削盤で平面研削を行った場合にそのワーク表面は不可避的に「反り」や「捻れ」が生じているため、その是正・修正のためには砥石を使用した手作業による加工を施さざるを得ない。あれやこれやの実際の事情によって、砥石を活用しての研磨加工は大きな意義を有しているのだが、ある程度に熟練の経験を要する加工部門であるために、経験主義的な非効率性もまた免れがたい部門でもある。
 以下に、私自身のごく僅かな表層的な知見ではあるけれども、経験をまとめておきたい。何らか参考に供するものがあれば、幸いなことではある。


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インディア砥石

 いわゆる「インディア砥石」と呼ばれている砥石がある。クレノルトン社の製品で、「オイルストン」と指称されているように、油が前以て浸潤されている砥石である。
 この砥石は硬度が非常に高いもので、研磨作業に際して砥石表面が崩壊していくということが抑制されるから、精密な研磨作業を継続的に続けることが可能となる。砥粒はA(アランダム)で、その目立ては、鋳物製目立て定盤上に#80〜100の金剛砂(ガーネット)を灯油を目立て油として行うのが最も適切である。
 この金剛砂というのは、いわゆる「サンドペーパー」として市販されている木工用の研磨材に用いられているものである。


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●白砥石/WA砥石

 いわゆる「白砥石」と指称されているWA(ホワイトアランダム)を砥粒としたWA砥石は、焼き入れたSK工具鋼に対して最も有効な研磨力を発揮する砥石として、一般的に活用されている。私らが活用する局面というのは、#600〜1500のものであって、WA砥石の目立てでは、#120〜180の金剛砂を灯油を使って行うのが通例である。
 金剛砂(ガーネット)を使うという場合、目立て作業の進行に従ってガーネット砥粒が破砕されて粒径が小さくなっていって目立てされるべきWA砥石の表面状態に馴染んでいくという側面と、砥粒が破砕される度に新しい切り刃が形成されてその研磨力が持続されるという側面が併行して進展していく。砥石の目立てにはGC砥粒を使うべしという立場が強調される向きもあるのだが、GCを目立て砥粒に使うと、WA砥石を形成するWA砥粒それ自体を研磨してしまうから、砥石表面がつるつるの、いわば引っ掛かりがない状態に仕立て上げてしまうから、目立ての焼き割を果たすものとならない。

 砥石の目立てというのは、目立て砥粒が砥石の研磨粒子を引っ掛けて砥石表面から引き剥がすというプロセスをいうのであって、従って、目立てすべき砥石の粒度よりも大きな粒形の目立て砥粒を使うべきことになる。どの程度大きな粒径のものが最も適切なものであるかは、いろいろと試行しなければならない。

 WA砥石の硬度については、焼き入れたSK工具鋼に対してはRH60程度の硬度のものが手作業の場合には最も適当であるようである。
 砥石の研磨力というものをどう理解するかにも依るのだが、砥石表面から砥石砥粒が浮遊してきて、その浮遊粒子がワーク表面に鋭く切り込んでいくと理解した場合、砥石硬度が大きい(砥石を形成する研磨粒子同士を焼結させている結合力が大きい)場合、遊離砥粒の生成が抑止されるから、その本来の研磨粒子の研磨力が十分に発揮され得ないということである。砥石の粒度が微細になるに従って焼結の強度を強めることが難しくなるようである。
 砥石表面から遊離砥粒が生成されるということは、言い替えれば砥石表面が崩壊していくということを意味しているから、切れ味が良好な砥石は直ぐに表面状態が劣化するということを意味するから、普段に目立てを反復しないといけないということになる。
 そのため、WA砥石をラップ工具として活用するという場合、私の場合は、粒度#1200/硬度RH70のWA砥石を使ったのだが、他に選択肢は当然あり得ることではある。

 砥石による研磨面にヘア・ライン状の研磨痕が残るということは、砥石の研磨粒子とその焼結材とが混和されたものが砥石であるから、研磨粒子間に一定の距離が存在しているからである。通常、WA砥石という場合、#600〜#1500程度のものが一般的なのだが、このような場合の粒子間の「距離」というものは存外に大きい。焼結材の比率を下げて研磨粒子間の距離を小さなものとしようとすれば、ヘア・ライン状の研磨痕を改善できそうに考えてしまうのだが、そうすると砥石硬度が確保できない。
 砥石研磨に対して、いわゆる砥粒加工という「ラップ加工」では研磨痕を完全に抹消できるまでの鏡面仕立てにできるのは、、この場合の研磨粒子間の距離をひたすら小さくできるからで、砥石研磨とラップ研磨との間の原理的な差異になる。


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GC/C砥石

 GC(グリーンカーボランダム)砥石の活用分野というのは、私の場合、鋳物製定盤の成型に使っている。あるいは、アルカンサス砥石やいわゆる人白砥石の表面成型に使っている。
 目立ての方法というのもWA砥石の場合と全く同じで、#600〜1500のGC砥石に対して、#120〜180の金剛砂で灯油を使って行うのが通例である。
 SK工具鋼製ワークを仕立て上げる場合、#2000〜3000の粒度のものでよく表面を乾燥させたGC砥石で研磨すると、ラップ加工と見まがう程の光艶性が発現するのだが、直ぐに目詰まりを生じて研磨力が著しく減水する。これは、GC砥粒の粒形が球に近く、WA砥粒のような深い切り込みを生じないからだと理解できるのだが、一旦灯油を使った目立てを行って砥石表面が湿潤な状態になると、やはりヘア・ライン状の研磨痕を生じる。ただ、その条痕の深さはWA砥石の場合に比べて浅いものとなるから、仕立て上がりの研磨面は望ましいものとなる。


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アルカンサス砥石

 アルカンサス砥石は、極精密な微細加工に用いられる、とされている。
 ブロックゲージの表面に生じた「カエリ」の除却のためとか、定盤等の精密基準機器の表面仕上げとか、刃物類の刃先付けとか、精密部品の表面仕立て上げとか、その用途は広範に亘っているということである。
 このような発想に基づけば、ハサミゲージの測定面を鏡面に仕立て上げるためには、最も適切な加工ツールであるとみなされることになるのだが、現実には、焼き入れしたSK工具鋼の表面研磨に際して、このアルカンサス砥石の研磨力は非常に劣弱なものであることに気付かざるを得ない。

 アルカンサス砥石は非常に硬い砥石であるとされているのだが、GC砥石でアルカンサス砥石表面を研磨すれば、極めて容易に加工できる。WA砥石ではなかなかそうもならないのだが、このことは、GC砥石の研磨力が如何に卓越したものであるかを証明していると同時に、アルカンサス砥石は軟らかなものであるということを証明するものである。
 しかしながら、アルカンサス砥石表面を精密に仕立て上げようとしてラップ砥粒としてGC砥粒を用いて定盤ラップの技法で表面ラップしようとすると、そのラップ作業はなかなかうまくいかない。アルカンサス砥石が非常に「硬い」と実感する。
 このことはどういうことかと言うと、ラップ定盤上のGC砥粒と、アルカンサス砥石表面上のGC砥粒とが「共摺り」の状態になっていて、GC砥粒でGC砥粒をラップするという関係になっているのである。
 一定の粒度以下の微細なGC砥粒はアルカンサス砥石表面に埋まり込みやすい。このことは、アルカンサス砥石それjたいが軟らかいということを証明している。
 従って、その次の段階として、アルカンサス砥石の研磨力それ自体に期待するのではなく、アルカンサス砥石表面にラップ砥粒が埋まり込みやすいという性質を利用して、むしろ、そのラップ砥粒の研磨力を十分に発揮させるべきベースとして利用するという発想に行き着く。
 遊離砥粒ラップ/湿式のラップ工具としてアルカンサス砥石が用いられる理由である。
 更には、何もGC砥粒にこだわるまでもなく、ダイヤモンド砥粒を用いれば、最適・最強のラップ工具となる。ただ、ラップ工具として使用する場合、アルカンサス砥石表面では極々微細なアルカンサス粒子が同時に浮遊するから、それが工具表面の「粘性」を高めて、実際のラップ作業は難しいものとなる。そのため、このような使い方では、ラップ工具としては必ずしも適切とは言えないが、「磨き工具」としては、実は、その活用範囲が広い。角棒や三角棒、丸棒といったさまざまな砥石形状でアルカンサス砥石が供給されているのは、そのような事情を背景にしている。
 

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いわゆる「人白砥石」

 人白砥石に用いられている砥粒はWAで#3000とされているようなのだが、精確なところは不明である。結合材は、一般的なWA砥石やGC砥石(これらに用いられている結合材はレジンボンドというらしい)とは異なって、ビトリファイドと言われているものらしい。よく分からないところであるので、専門メーカーの解説が欲しいところである。
 結合は当然硬い。従って、研磨時に砥石表面から生じる離脱浮遊物がないから、砥石砥粒それ自体の研磨力がそのまま表現されることになるから、当然、ワーク表面への切り込みは小さい。従って、緻密な研磨が可能ということになる。
 しかしながら、目立て油が砥石表面に残存している場合、その油分と研磨滓とが砥石表面に固着することになるから、直ちに目詰まりを起こすことになるから、研磨力の持続という点では非常に扱いづらいものとなる。
 私の場合は、砥石それ自体の使い方ということではなくて、砥石をラップ工具として使うという方法になるから、例えば、ダイヤモンド砥粒を目立ての方法で砥石表面に埋め込ませ、そのダイヤモンド砥粒の切り刃の先端がワーク表面を研磨するという方法を採用するから、砥粒の保持能力さえしっかりと確保されれば良いので、工具表面そのものの材料物性は問わない。

 人白砥石は、アルカンサス砥石の代替として開発されたもののようなのだが、ブロックゲージの手入れ等といった用途目的の場合、アルカンサス砥石の場合は、ワーク表面に「纏わり付いていく」といった趣があるのだが、人白砥石の場合はそういう具合には行かないものだから、同様な使い方にはならないようである。

 同様の事情は(株)ミツトヨから販売されているセラストンについても言えることで、この砥石はひたすら緻密で高硬度なものであるから、扱いが難しい。


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cBN砥石

 cBN砥石に行き当たったのは、ダイヤモンド砥粒の購入先にcBN砥粒の購入が可能かどうかを聞き合わせたことがその切っ掛けであったのだが、焼き入れたダイス鋼の研磨加工に関してはcBN砥石以外には通用しないという判断があった。
 cB砥石の成形にはGC砥石で表面研磨すればほとんど自由に成型できるというわけで、その限りではGC砥石と同様な目立てが可能ではないかと思われた。
 実際のところ、#400のcBN砥石に対しては、#180の金剛社で目立てが可能であったし、あるいは、#240前後のA砥粒でも目立てが可能ではある。この場合の目立てというのは、砥石表面に固着した研磨滓を除却し、研磨切り刃が損耗したcBN砥粒を引き剥がすという作業をいい、cBN砥石表面を平面にきちんと仕立てるということは難しいという事態を他方で招いたのだった。目立てに際して砥石表面が丸みを持つという結果は、つまりは、目立て砥粒の研磨力が十全に発揮されていないということを物語る。従って、目立て砥粒としてC砥粒やGC砥粒を使用し、あるいはその粒度を加減していろいろと試行したのだったが、なかなか好結果を実現できなかったのである。

 砥石の種類に拘わらず、その砥石で研磨作業をする場合の「泣き所」というのは、砥石表面に研磨滓が固着して、砥石の研磨力を著しく阻害することである。
 WA砥石の場合は、目立てをした砥石を複数本並べて、目詰まりする度に取っ換え引っ換えて作業を進めることができるのだが、cBN砥石はそれ自体が高額なため、1本のcBN砥石を使い続けられるように、その研磨滓が砥石表面に固着しないような技法を考えるということをしないと、ほとんどcBN砥石を実務的に使いこなすということにはならない。この問題の解決として、目立て油が砥石表面に残存するから研磨滓と共に砥石表面に固着してしまうというわけだから、目立て油が残存しないように完全に払拭すればいい。もっとも、完全に払拭するということは不可能だから、残存しないような油、言い替えれば、短時間のうちに蒸散してしまうような油を採用すれば良い。
 蒸散する油と言えば、テレピン油、ペトロール、揮発油、アルコール、ガソリン、等々、いろいろあるのだが、揮発分が蒸散した後に何か残存物が残るようだと意味がない。結果として、アルコールが一番無難ということになった
 アルコールを目立て油に使うということは、アルコールの流動性のみに着目するということで、目立ての作用面では、目立て砥粒の種類とその粒度、目立て定盤の材料物性とその表面性状等の相関で、cBN砥石の研磨力が十全に発揮されるべき目立てが出来上がるか否かが決まる。ところで、cBN砥石の、その本来的な研磨力というものがどれ程のものかは、事前には分かってはいない。そのために、目立ての条件をそれぞれ変更した機会ごとに、cBN砥石の研磨力が向上したか劣化したかを比較検証しつつ、試行錯誤を繰り返していくことになる。
 以上のようであるから、なかなか、これで決まりというような手順化は出来得ていない。ただ言えることは、cBN砥石は、文字通りの意味で、「乾式」の研磨方法なのである。

 
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目立ての原理

 砥石の「目立て」という作業は最も基本的な作業であるから、その習熟が先ず第一に求められる。目立てがうまく行われるかどうかによって、その砥石の研磨力が存分に発揮されるかどうかが決まる。しかしながら、この目立て作業を、単に砥石表面に固着した研磨滓を除却するためのものと割り切ってしまうと、砥石の研磨力が損なわれてしまう結果となりがちで、目立てという作業によって砥石表面を正直(せいちょく)に仕立て直す作業だという趣旨目的を弁えないといけない。

 長さ200mm(あるいは、150mm)のWA角砥石を例に採る。
 鋳物製の目立て定盤上に#120〜#180の金剛砂(ガーネット)砥粒を置き、灯油を目立て油とする。
 角砥石をその長さ方向に往復運動をさせつつ摺り合わせをすれば、砥石の幅について、その中央部が滅損していき、結果として凹Rになる。これに対して、角砥石全体を目立て定盤上で旋回運動をさせつつ摺り合わせれば、砥石の幅について、その外縁部から魔損していって、結果として凸Rになる。この前後の直進往復動作と旋回運動との組み合わせによって、WA砥石は幅方向について進直になり、長さ方向について凸R状の局面になる。長さ方向について凸R状に成形されるということは園と石の機能として大切なことで、砥石の表面粒子がワーク表面に対して切り込んでいく際の切り込み力を決定づける。砥石の研磨力というのは、ワーク表面に対する砥石の加圧力と、この角度を持った切り込み力の合成力なのである。
 目立てに際して、砥石を運動させるべき加圧力によって、目立て砥粒が破砕され、砥粒の粒形が加圧力に応じたものにまで損壊されていくのだが、その損壊のごとに新しい切り刃が生じて、砥石表面を引っ掻いて、研磨滓を除却しつつ、新しい砥石粒子を出現させる。いわゆる「一皮?く」という作業である。
 従って、目立て砥粒は、作業者の加える加圧力によって容易に破砕されるものであることが求められる。目立て砥粒として金剛砂を使うと適宜なのだが、C砥粒を使うと、そのC砥粒によって砥石を構成する表面のWA粒子そのものが研磨されてしまうためにWA粒子の切り刃が魔損され、結果として、その研磨力が弱劣化した砥石に仕立て上がってしまう。
 以上の技法はWA砥石の場合に限られず、C砥石やGC砥石の場合にも、あるいは、ボロンカーバイト砥石の場合にも有効であって、従って、これを一般技法と見なし得るのではないか?としたいところなのだが、cBN砥石の場合はそうはいかない。

 cBN砥石の場合、砥石として活用する粒度範囲が#400〜#30000という広範囲に亘るから、例えば、#1000以下の場合、#2000〜#6000の場合、#8000以上の場合とで、それぞれ同一の技法で賄えると考えがたい。それぞれのcBN砥石の砥粒粒度に適合したものを検証していかないといけない。
 金剛砂の市販粒度というものが#400のものが上限であるらしく、また、粒度が微細になるに従ってその被破砕性も小さくなっていくから、目立て砥粒としての限界性が認められる。そのため、目立て砥粒として#3000までの粒度のものであれば、A・WA・C・GCの各砥粒粒度のものが小分けで購入できるから、それらの選択肢内で最適条件を求めていくことになる。判断基準は、目立てすべき砥石の粒度に対して、目立て砥粒の粒度が不適合な場合、砥石の研磨力がうまく発現せずに研磨時に滑り加減になるし、あるいは、目立て油との相性が悪ければ、目立てしたという砥石表面に丸みが生じて進直な平面にならないということが結果する。

 目立てすべき砥石平面に丸みが生じてなかなか解消できないという事象は、目立て定盤の平面度それ自体が損なわれているということの反映であったり、目立て時に目立てすべき砥石面を目立て定盤に均等圧に加圧できていないということの結果であったり、目立て油と目立て砥粒の混和が不均等であったりといったいう事情等、さまざまな原因事象が考えられるから、その厳たる要因一つ一つについて気付いた問題点を解消していかないといけない。
 なかなか解決の見通しが立たない場合は、私の場合は、目立てすべきcBN砥石面を#1000〜#1500のGC角砥石でラップしてその丸みを消去するという作業を行う。これがWA砥石を使ってのラップとなると、cBN砥石表面をラップできない。
 この作業は、cBN砥石の目立て(あるいは、一般的な目立て作業の特質というもの)は、目立てすべき砥石表面の砥粒を砥石面から引っ掛けて引き剥がすことであって、その砥粒を研磨除却するというものではないということなのである。GC砥粒とcBN砥粒を比較すれば、cBN砥粒の方が圧倒的に強靱な砥粒なのであって、GC砥粒ではcBN砥粒に対して容易に研磨できるというものではない。

 cBN砥石の使いこなしというためには、目立てに始まり目立てに終わるということなのである。

 以上の説明から、砥石の目立て技法」と「焼き入れタワー工面の定盤ラップ技法」とは通底するものであるという、その「連続性」で理解されるべきであるということである。個人差の大きな技法であるから、それぞれの立場から「最適解」が求められるような努力を要する。


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