2.

「お姉ちゃんの彼氏の品定めに来たのよ」

美咲の妹は俺を睨みつけながらそう言った。
確か、美咲の妹は小学4年生だったっけ。
見た目はそれくらいに見えるが、中身がすごいな。
流石美咲の妹。と妙な感心をしてしまう。

もっとも、俺も人のことをとやかく言えるような性格はしていないが。

「やっぱりあんた、帰りなさい」
「い・や!」
「大体、あんたさっきから態度悪いわよ。初対面、年上の人を睨まない!!」
「どうでもいい人間にどう思われようとどうでもいいもの」
「だからそれが失礼だって。・・・あたしにもどう思われてもいいわけ?」
「お姉ちゃんのためだもん」

どっちも譲る気はないらしい。
俺を無視して姉妹喧嘩を繰り広げる2人を見る。
顔は姉妹だけあって似ている。
この喧嘩を見る限り、性格も似たようなもんだろう。

俺の品定め、ねぇ・・・。

小学生なのに、ませてると言うか・・・いや、小学生だからこその突飛な発想か?
それとも、血筋なんだろうか。
美咲の言動にもよく驚かされるし。

「別にいいよ」
「「え?」」
「品定めされても」
「藤夜?!」

美咲は一度言い出したら聞かない。
と言うことは、美咲の妹であるみずほちゃんもそうである可能性が高い。
俺の品定めとやらが終わるまでは、意地でも付いて来るだろう。

なら、いっそのこと一緒に行動していれば美咲も心配しないで済むだろうし。

それに、売られた喧嘩は買う主義だからな。





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