(井上芳雄トーク&ライブ) 2006.04.23 ホテル日航東京ペガサス
ゲスト…橋本さとし、新納慎也
チョッピリ・オツムに、チョッピリ・ハートに (MOZART!)
This Is The Moment (JEKYLL & HYDE)
愛の賛歌 (エディット・ピアフ)
大都会 (クリスタル・キング) 井上&橋本
Song For You (EXILE) 井上&新納
Pan Europa (MITUKO)
You Raise Me Up (ジョシュ・グローバン)
さらに詳しく
ロバート(市村正親)、ジョン(藤原竜也)
ここはとある劇場の舞台裏。今初日の幕が下りた。ベテラン俳優のロバートはまだ駆け出し
の若手ジョンと今日の舞台の出来を話し合っている。
よく同じ舞台に立つ二人。初めは真面目に先輩の話に耳を傾けていたジョンだが、繰り返
される話や、何かと先輩面をするロバートに対して、嫌気がさしてくる。
一方ロバートは、段々生意気に、また礼儀知らずになってくるジョンに我慢ならない。
しかし、ジョンの若さがうらやましくもある。二人は衝突を繰り返す....。
ビミョー...。まるでオムニバスのようです。個々の場面で二人のやり取りはすごく笑えたり
するのですが、トータルで見るとあまりにも山も谷もなく、『えっ?これで終わっちゃうの?』と
いう感じでした。(これは本の問題かなあ。)それにハコ間違ったかなあという気がします。
私は幸い前の方だったのでまだマシですが、後方の席の方はかなりつらいのではないで
しょうか?補助席が出るほど大入りでしたが、この芝居をするにはドラマシティは大きすぎる
と思います。(うーっっ、観劇記の書き様がない〜。)見えないのでスタオベしましたが、
これはキビシイ〜。うむむむ。
ビル(井上芳雄)、サリー(笹本玲奈)、マリア(涼風真世)、ジョン(村井国夫)、
ジャッキー(純名りさ)、ジェラルド(本間憲一)他。
1930年代後半の英国。当主を亡くしたばかりのヘアフォード伯爵家では行方不明であった
跡取りがみつかり、その到着をいまや遅しと待っている。
伯爵の遺言は次のとおり。《貴族の身分にふさわしい人間性を備えていなければ、年金を
与え隠居させること。結婚相手は伯爵にふさわしい女性であること。》
しかし、現れた跡取りは下品でがさつな下町のにーちゃん。あまり事の重大性を理解して
いない様子。貰うものは貰っておくかというようなちゃっかり者である。
彼にとっての大切なものは恋人サリー。そのハニーはちゃきちゃきの気のいい下町娘。
最初ははしゃいでいた彼女も、ビルの幸せのために身を引こうと考え始める。
跡取り教育に燃えるマリア公爵夫人。財産を狙ってビルを誘惑しようとするジャッキー。
サリーと二人で幸せになろうとするビル。人々の思惑がからみあい伯爵家は大騒動。
歌のレベルと人数がアップして、笑いのレベルが低下した《シンデレラ・ストーリー》?
友人達が口をそろえて『山田氏の演出は肌に合わない』と言っていたのが、身に沁みて
実感。お笑いのポイントが合わないっっ。楽しいけどそれだけ。アンサンブルが多すぎて
ものすごく踊りにくそう。(楽しく踊って騒いで、なし崩しに終わりとはあんまりだっっ。
シンストでも思いましたけど、『そこで終わるの?ホントにめでたしめでたしなの?』と
思わずツッコミましたよ。)無駄なキャラ、不思議なシーン。例えば、取り巻き貴族達。
ここに住んどるんかい?というぐらいいつも屋敷にいますよね?あんな大きなお屋敷で
客がうろうろする場所や時間に、洗濯物持って使用人がうろうろするんかいな?とか、伯爵
なのに何ゆえ王冠などというものが存在している?とか、気になりだしたらまあ次々と。
由緒あるお貴族様という割には所帯じみていて、なんだかなあ....。
笹本サリー。ちゃきちゃきしてビルよりよっぽど現実的で男前(笑)。玲奈ちゃんに
ぴったり。(彼女が一生懸命ビルの尻をひっぱたいて伯爵家を仕切っていきそうだなあ。)
涼風公爵夫人。《She loves me》を見た時から、見かけと違っておちゃっぴーな方だとは
思ってましたけど、この弾けっぷりはものすごい...。アニメで鍛えられたその七色の声
だけで私達を爆笑の渦に叩き込んでくださいました。
村井ジョン。今回一番オイシイところをかっさらっていかれたのではないかと思われます。
嫌な飲んだくれのお貴族野郎のおっさんかと思いきや、陰険ばばあと悪態をつきつつも、
マリアを想い続けて31年と7ヶ月と3日(だったかな?)の純愛の人だったとは。
(カレンダーに印をつけて数えてたんでしょうか?なんとまめな....。笑)
ビルとの飲んだくれトークがおかしいやら、可愛いやら。
で、問題は井上ビルでございます。(ワタクシ自他共に認める井上ファンだと思いますが、
この役はまったく感情移入できませんでした〜。)井上君とビルがシンクロしてないと
申しましょうか、がさつな下町っ子には全く見えない、演じてますって感じですか?
やっぱり、ぼっちゃんぽい様子の人がシモネタを連発するのは、浮くというか凍り付いて
しまいます。(藤原君しかり、浦井君しかりですが。)キャラじゃないですよう(T‐T)。
ギャグを一生懸命やってますって感じで、見ててしんどいのです。
もう少し肩の力を抜いて、一呼吸置けばそんな切羽詰った空気はなくなるのになあ。
(空気人形しぼみも、もう一拍待てばもっとおもしろいのに。玲奈ちゃんのセリフと
かぶっちゃって一瞬何が起こったのかとまどってしまいましたよ。)
毒舌で返すシーンは絶妙の間なんですけどねえ。
《街灯に寄りかかって》を歌うシーンはのびのびとして楽しそう。ウィリアムとして振舞う
ところの方がやっぱりなじんでます。ビルの時のあの衣装は今ひとつ..。せめて髪型
だけでももっとぼさぼさのズラにするとか、あんまり差がないんですもの。
ああ、井上君でここまで毒を吐いたのは初めてです。(T‐T)
こうなりゃ最後にもうひとつ。あそこまで役者さん達が『盛り上がって!』とあおらなきゃ
ならないのは観てて逆にツライ...。(ああ、ヴァンパイアどうなっちゃうんだろう...。)
ランダムスター/マクベス内野(内野聖陽)、ランダムスター夫人/ローズ/林B(松たか子)、
レスポールJr./元きよし(森山未来)、グレコ/マグダフ北村(北村有起哉)、
エクスプローラー/バンクォー橋本(橋本じゅん)、レスポール王/元社長(上條恒彦)、
パール王/ナンプラー(栗根まこと)、グレコ夫人/シマコ(高田聖子)他。
ああ、新感線の笑いは和むなあ...。(と言う奴もちょっとおかしいかも。笑)
とにかく今、笑いに飢えてる時期でして、なーんも考えずに馬鹿笑いするには新感線が
やっぱり一番!でございます。
♪リンスはお湯に溶かして使え〜♪ならぬ♪LEDはアイデアいかして使え〜♪と
歌ってしまったワタクシ。某芝居とはえらい違いです。初めは紗幕(?)かなと思っていた
のですが、よく見るとつぶつぶがありました。でもちゃんと向こうが透けて見えるんですよね。
背景にはもちろん、ミュージックビデオを写したり(ドットの荒さを逆手にとってデジタルな
映像もナイスです。)、字幕(マンガの擬音のような字体で。)に使うのも大正解。(メタルは聞
き取りにくいところもあるのでとってもありがたかった。)やっぱりセンスの有無だなあ。
衣装もいかつくてぶらぼ〜!北斗の拳かと思いましたよ(笑)。いつもの新感線よりは
激しいものはついてなくて幾分おとなしめ。(松さんのファスナーいっぱいのジャケットなど
○ルチェのお店に並んでそう。あれはかっこいいなあ。)上條ぱぱがあんな鋲だらけのジャ
ケットが結構お似合いだったのは驚きでした。有村さんの衣装はいつもながらスバラシイ。
内野さんはシリアスな役しか観たことがありませんでしたので、まさかここまでビョーキ
いえ、陽気な方だったとは...。松さん共々自分を捨て切ってる(笑)と申しましょうか、
最強のバカップルの称号はしばらく不動のものではないでしょうか。
(ああ、天涯の花のイメージがガラガラと音を立てて崩れていく....。)
席が後方の壁際でしたのでちょっと見切れてしまうところがありましたが、それでも
力一杯笑わせてもらいました。