(アダム・クーパー演出)
2005.02.27 フェスティバルホール
R−15指定バレエと言うべきかと....。(笑)
(子供の教育上たいへんよろしくない舞台です。しかし小中学生とおぼしきお子さんを
連れたお母様がいらっしゃいました。ああ、よいんだろうかっっっ。)
舞台セットはシンプルですが、美しい貴族の館の一室です。広くなけりゃ踊れないので
あたりまえなんですけど、その都度、必要最小限の家具しか出てきません。
舞台を大きなガラス窓が行きつ戻りついたしまして、まるで別の部屋になったように
見せてくれます。
《白鳥の湖》のスワンやストレンジャーの圧倒的な存在感のアダムとはうって変わって
生身の人間くさいアダムでした。どちらかというと女性陣のほうが、私は印象的だった
んですけど。(やっぱり坊主頭に髭はマイナス要因。笑)
しかし、『どこから手が、足がきてるの!?』というぐらいもつれた体勢(笑)。
女性陣をぶんぶん振り回すわ、逆さにするわ、こりゃ大変だっっ。
膝位の高さで、しかも片手(と片足?)で女性を水平にリフトしてたりして、『どうやって
支えてるのだ??』とダンス素人のワタクシ。しかーし、優雅で色っぽいのですわ。
パンフにあらすじが載ってるのですが、どうも私が受けた印象とビミョーに違うのです。
何せセリフがありませんから、人によって感じ方が違うのかも知れません。
2005.01.22 シアター・ドラマシティ
(蜷川幸雄版)
ロミオ(藤原竜也)、ジュリエット(鈴木杏)、ロレンス神父(嵯川哲朗)、乳母(梅沢昌代)、
マキューシオ(鈴木豊)、モンタギュー(妹尾正文)、モンタギュー夫人(スズキマリ)、
キャピュレット(壌晴彦)、キャピュレット夫人(立石涼子)、パリス(月川勇気)他。
イタリア・ヴェローナ。反目しあう名門、キャピュレット家とモンタギュー家。
両家は常に街で騒ぎを起こしていた。
モンタギュー家の息子ロミオ。彼はロザラインへの片恋に思い悩み、苦しい日々を
送っている。ある日悪友達はそんな彼を誘い、キャピュレット家の仮面舞踏会に潜り込む。
そこで出会った愛くるしい様子で踊るひとりの少女、ジュリエット。
―激しく狂おしい運命の恋の向こう側、悲しい未来が待っている...。―
あまりにも有名なロミジュリ。『生の舞台は恥ずかしくて観られないっ』という友人I女史を
無理矢理伴い行ってまいりました。(いやあ、やっぱり若い!確かに恥ずかしいゝゝゝ)
舞台セットはハムレットに引き続き、シンプル。
三面鏡を開いた感じ?でしょうか。それを一階二階三階に分け、すべての壁面は愛に
殉じて亡くなった若者達のモノクロの遺影でうめつくされていました。
衣装がまたお洒落!基本的にはモンタギュー家は黒。キャピュレット家は白で統一。
個人的にモンタギュー夫人の衣装がシックでお気に入り。ロミオの広めの裾の折り返し
のあるパンツに黒ブーツ、たっぷりとした黒のコートもなかなか可愛らしいんですよねえ。
(白タイツでなくて良かった〜っっ。背景に対して補色でちょっと目がうろうろしましたけど。)
藤原ロミオ。情けない馬鹿息子っぷりが最高!バルコニーシーンでは何度ジュリエットの
いる三階まで登り降りしたことか。自分の服の裾をいじり倒して、身悶えしながら
『ああっ!し、幸せ〜っっ!』ときましたからねえ(笑)。笑える笑える!
ティボルトを殺し、神父の元に転がり込んできた時には、つっぷしてわんわん嘆きまくって
いました。神父や乳母でなくても『馬鹿もん!しゃんとせんかい!』と言って、どつきたく
なります。(自分の弟や息子だったら間違いなくお尻を蹴り上げてますねえ。)
杏ジュリエット。初めは自分の背丈程もある巨大な人形を抱いて登場です。
バルコニーシーンではちょっとあられもない格好で二階に降り、お転婆ぶりを発揮。
ロミオとの別れの朝以降は、まるで人が変わったよう。強い強い!藤原ロミオ、尻に
敷かれるなあ。間違いなく!(笑)
『どうしよう...。あなたの顔がお墓にいる人のように見える...。』
ロミオの頬に触れながら静かにつぶやくジュリエット。ここのシーン結構好きです。
無邪気な少女から一気に大人にかわる瞬間といいましょうか。まるで未来を告げる
巫女のように見えました。
嵯川ロレンス。優しくてあったかい神父様。ジュリエットとの恋に浮かれているロミオが
報告しにやってきて、ロレンスに抱きつく様はまるで孫とお祖父ちゃんのようです。
藤原ロミオはなんとか報告しようとするのですが、胸が一杯で言葉につまり、思わず
神父の胸にすがりついて悶えてるのがものすごくオカシイ!
月川パリス。ひげはやめてほしかったっっ!それにもっと顔をあげて堂々としていて
ほしい!なんだか暗いんです。雰囲気がじめっとしていて、ジュリエットの家族が誉め
そやすのが嘘くさく思えてしまう。それじゃどう考えてもロミオをとるでしょう。
この芝居を観ててつくづく思ったのですが、藤原君と杏ちゃんって相性が良いなあと。
藤原君とほぼ同世代の女優さんで合う人ってなかなか思い浮かばないんですが、
彼女はなんだか藤原君と戦友(女の子にそれはないんじゃとは思いますけど。)、
もしくは同志(?)って印象をうけるんです。二人とも同じにおいがするっていうか、
やっぱり共に蜷川さんの秘蔵っ子だからでしょうか?
(劇団☆新感線)
2005.01.15 梅田コマ劇場
シロー(中川晃教)、益田四郎時貞(上川隆也)、山田寿庵(高橋由美子)、
リオ(大塚ちひろ)、お蜜(秋山奈津子)、松平伊豆守信綱(江守徹)、ゼンザ(泉見洋平)、
柳生十兵衛(橋本じゅん)、津屋崎主水(池田成志)、三宅蔵人(栗根まこと)他
主命に背き、伊豆守の刃に倒れるお蜜。シローの腕に抱かれながら洗礼を懇願する。
『キリシタンでなけりゃ、《はらいそ》には入れないんだろ...?』
洗礼名をもらい幸せそうにこと切れるお蜜。
自分を道具扱いする伊豆守や四郎らに怒り、大切な人達をすべて奪われ絶望した
シローは絶叫する。 『まるちり(殉死)だ!』と。
天使が堕天使に変わる時、
自由と希望に満ちあふれていたはずの歌声が、死と絶望へと人々を誘う。
―滅んでしまえ!なにもかも!―
一人、二人と立ち上がる。虚ろな顔で、『まるちり』とつぶやきながら。
四郎の声は誰の耳にも届かない。
遂にシローは敵の一斉射撃によって惨殺される。かつてのキリストのように。
死体と燃え盛る炎の中、立ち尽くす四郎。
彼を慕い、最後まで助力を惜しまなかった寿庵も四郎の腕の中で息絶える。
『俺はまた、誰も救えないのか?また間違うのか?過ちを犯すのか?』
脳裏に浮かぶは、かつて己の力に奢り、命を弄んでしまった少女リオの顔。
―神よ!今一度、俺に最後の力を!―
そして奇跡が起こる...。
芝居始めはやっぱりなぜか今年も新感線でした(笑)。
東京で観劇された方から『いまひとつ。』と聞いていましたのであまり期待してなかった
のですが、私は結構好みです。
ただ、いかんせん長かった〜っ。あまりにも長い!これは複数回観るのはつらい。
主要人物が多すぎます。目付二人と伊豆守の腰巾着二人は同一人物でいいと思いますし
異人の孤児達のシーンや、伊豆守の屋敷のシーン等をかりこめば30分は短縮できるの
ではないでしょうか?そして成志さんや栗根さん、聖子さんの使われ方がもったいない!
あまりにももったいない!
舞台セットはいたってシンプル。広い階段とたくさんのモニター。こんなに梅コマって
広かったの?運動会できる!(ワケがない。)とあらためて驚きました。