アメリカ・ボルチモアのフォード劇場では今まさにシェイクスピアの『じゃじゃ馬
ならし』が上演されようとしていた。
主演のリリ(一路真輝)とフレデリック(鈴木綜馬)は元夫婦。しかし、今では
それぞれに恋人やお気に入りがいる。二人は顔をあわせると喧嘩ばかりだが
実はお互いに未練がある。
開演前、フレデリックから花が届きご機嫌で舞台に立つリリ。
けれど本当は、お気に入りのロイス(伊織直加)に送ったものと発覚。
舞台は修羅場と化す。

思わず、『陛下〜っっっ』と泣いてしまいました。(笑)
一路さん、綜馬さん絶好調です!炸裂しております!もう可愛いやら、おかし
いやら。(『エリザ』の気品や威厳のある二人の姿は一体いずこに...。)

《I Hate Men》を歌う時の一路さんがこれまたスゴイ!
オケピの指揮者(塩田さん?)に、からむからむ。
一路さんに凄まれた指揮者は固まってしまいます。凍りつく空気。
吹きだしつつ素に戻ってしまった一路さん。『ちゃんと合わせてよっ。』
(ちゃんとやってよ。』だったかな?)
『すいません。』と指揮者が小さく言っていたように思います。この方オケピの
中で壊れてます。踊り狂ってます。(注目してみて下さい。楽しいですよ〜!)

三階のロイスの元に鉄柵をよじ登る恋人ビル(赤坂晃)。
ただ登るのではなく鉄柵で回る、足の甲だけでさかさにぶらさがる、それも
するするいとも簡単に。(スゴイ筋力。拍手!!)
歌の方は赤坂君と伊織さん、ソロではもっともっと歌い上げて欲しかった。

『DIVA2001』でもおなじみ《Too Darn Hoot》。
ダンスも曲もカッコいいのですが、訳がぁぁっ!『くそあ〜つ〜い。』はいかが
なものかと...。(腰くだけましたっっ。そのままの方が良いのに〜。)
絶品は《So In Love》。
なかなかキワドイ歌ですが、一路さんバージョン、綜馬さんバージョン共に
なんとも艶っぽく美しい!聞くべし!聞くべし!聞くべし!
(ああ、三回も強調してしまったっっ)『エリザ』が本当に楽しみです!

残念なのが観客のノリ。なんだか年配の方が多かったせいなのか温度が低い。
(テンションがあがりきらない。)
カーテンコールでようやく合ってきました。もったいないな〜。
2003.08.16 梅田コマ劇場
Kiss Me,Kate
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いやあ、掘り出し物でした!『シンデレラ?子供向け?』と初めは思っておりま
したが、メンバーが発表になり、『えっ?井上君?デーモンさん?橋本さとしさん
に宮地さんも?一体?』期待を裏切らず爆笑の渦でございました。

井上氏の『本当の愛』は圧巻!一段と上手くなったように思います。
(しかし、あんな綺羅綺羅しい白地に金をあしらった王子様服をお笑いにもなら
ず衣装だけが浮かず、あっさり着こなしてしまうあなたはほんとに一体...?)
また、妻に虐げられた気の弱い閣下というのも想像できなかったのですが最初
目を疑いましたねえ。
ただひとつ、もったいないなと思ったのはシンデレラの変身のくだりです。
長いっ!衣装の引き抜きであっという間に着替えるとか、馬の変身ももっとわか
りやすいもの、例えば目つきの悪いヤサグレた顔の馬の帽子(被り物)をかぶる
とかすればもっと笑いがとれるし、ダレないのでは?

キャラ勝ちですよねえ。このメンバーなら、ほっておいてもストーリーは転がって
いきます。とにかく濃い濃い!(笑)普通の役者さんなら、ちょっと間がもたなかっ
たかも...。再演を繰り返して、もう少し練り直せばもっともっと面白くなると思い
ます。再演してくださいね!鴻上さん!(でも井上王子、閣下、池田ママ、橋本
大臣ははずさないで下さいまし。)
2003.07.23
    07.27 シアタードラマシティ
WEST SIDE STORY
きつかった...。(苦笑)ミラノ・スカラ座バージョンということで(?)主役お二人が
オペラ歌手の方でした。きびしい!ヒジョーにきびしい!
どう見ても若者に見えんのです。(泣)

トニーのお腹がぁぁぁっ気になるのおおっ。歌は本当にお上手なんですけど、でも
そうでないでしょう!それだけではないでしょおおおっ!!
若さゆえの激しさ、思い込みetc。どー見ても20代にすら見えない。(T_T)

デュエットで仁王立ちで客席に向かって歌い上げるのは何かが違うのでは...。
(やっぱり恋する若者は見つめ合って二人の世界を築いて欲しいじゃないですかぁぁ。)

トニーの撃たれるシーン。チノがミョーな位置からいつの間にか現れ、そして銃声一発。
『あーっびっくりしたああっ!』会場中響く声、声、声。しかもなぜか笑いが....。
(え?マリアが実はおとりかい?)
マリアもなんだか緊張感がないし....。

唯一すばらしかったのはアニタ役のソランジェさん。文句なし!
2003.08.23 フェスティバルホール
病葉出門(市川染五郎)、闇のつばき(天海祐希)、阿倍邪空(伊原剛志)
美惨(夏木マリ)、祓刀斎(橋本じゅん)、阿倍晴明(近藤芳正)、桜姫(高田聖子)

賛否両論なんですねえ。友人間ではかなり意見が分かれます。

染さんは色気と凄みが一段と増して安心して見られます。
鬼御門時代の総髪の出門の美しいこと!
真言(?)を唱えながらスローモーションで鬼を殺戮する出門は心底楽しんでいる
ように見えました。

つばきも阿修羅も、私は天海さんの方が好きですねえ。
さすが元男役。立ち姿も美しく、ドスのきいた声で一喝されるとビビリます。(笑)
女に見えないという声も聞きますけれど、それでいいんじゃないでしょうか。
(興福寺の阿修羅像は少年の姿をしていますし、男でも女でもない仏様も
たくさんいますしね。)
仲間に囲まれていてもどことなく浮いて見える男勝りで姉御肌のつばき。
王と崇められても鬼の仲間を寄せ付けぬ傲慢で冷酷な阿修羅。
鬼にもなれぬ、人にもなれぬ、どちらにも感じる『孤独』
子供の自分を殺し女に変えた男、女の自分を愛し鬼に変えた男。
つばきは男を愛し、阿修羅は男を引き裂き殺さずにはいられない。
万華鏡のように入れ替わりせめぎあう人格。

出門の傷を舐めた後、背中に頭をよせて『すまないねえ..。』とつぶやいた時、
愛を感じました。(前回は血を舐める行為はなかった気が...。これがラストの
『あなたの血は美味しゅうございました。』につながるのですねえ。)

弱くて脆い伊原邪空もこれまた好きです!
登場シーン。まず思ったことは
『でかっ!!!』
そもそも伊原さんは巨大なお方です。しかも古田さんよりさらにそそりたつパンクヘア。
2mははるかに超えているでしょう。
なんだか真っ黒な鷹が出門に襲いかかっているように見えました。

邪空の変化のシーン。
『どいつもこいつも、出門、出門!!』
『これで俺は恋も知らぬ鬼に変わる鬼の血を持つ人となる..。いや、鬼でもない、
人でもない..。俺は邪空!阿倍邪空!!』叫ぶ彼はなんとも哀れでした。
古田邪空は己に絶対の自信を持っていましたが、伊原邪空もまた、鬼にもなれぬ
人にもなれぬ存在。決して出門には勝てず、ただすがれるものは《邪空》という己だけ。
その己すらも脆くあやういもの。
『俺のまなざしはお前には届かなかった。』という台詞も納得します。
(なにせ出門にとって男なんぞアウト・オブ・眼中ですもん。かわいそうなお人だ..。)

祓刀斎、桜姫はいかれていて楽しい楽しい!
しかし桜姫の犬の名前『かんぺい』に関するネタは染さんには通じなかった様子。
(サルに似ているだの《あめま》だの関西人にしかわからないんだろうなあ。)
夏木美惨はなんか軽いし、近藤晴明もちょっと人が良すぎて..。う〜ん。
その他の方達も前回のメンバーに比べるとインパクトがないような...。

にしても、やっぱりこの舞台は新感線で一番好きな演目です。
その辺のアダルト映画よりよっぽど濃厚なラブシーン。(笑)究極の恋物語。

人であり、鬼殺しの鬼でもあり、己の命を懸けることすら戯言に出来る出門こそ、
真の『阿修羅王』なのかもしれません。

【折も折!9月15日は阪神優勝!】
松竹座はひっかけ橋まで歩いて数秒。(笑)いつも混雑していますけれどとにかく
人、人、人!ファンと野次馬とおまわりさんと報道陣。いりみだれておりました。
マチネ。染さんと天海さんは白と黄色のポンポン(?)と阪神の応援バットを持って
晴明の応援をしていました。ソワレを観劇した友人によりますと阪神優勝の一報は
染さんが教えて下さったそうです。(当然その時は全員裏口退場だったそうな。)
2003.09.15 
    09.20 大阪松竹座
(劇団☆新感線)
阿修羅城の瞳
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