2003.01.07 シアタードラマシティ
(劇団☆新感線)
古の大陸。三界魔鏡を操り、天と地と人を私せんと欲す女帝・鏡皇神羅あり。
美しき姫天鈴、七人の英雄『七宝星』を率い、命と引き換えに女帝を滅ぼす。
そして二十余年...。再び女帝は蘇る。魔物と化した『七宝星』とともに、
魔鏡復活をねらう。
仙術導士・金令女は『七宝星』の一人、揺光の息子輪剣をはじめとする
『七芒星』を率い野望を阻止せんとす。
果たして、彼らは親であり、あるいは師である『七宝星』を倒せるのか?

てなものでしょうか?(めちゃめちゃはしょってますが。)いつも脇役の劇団員を
ヒーローに、メインの人間を悪役にということでした。
新感線の女の役者さんは別嬪さんぞろいなのに、
『なにもそこまでせんでも
...。』と思うほどいつも崩されていますよね。
『古田さんがパパ?!しかも佐藤君のような大きな息子の?!』と
一瞬思いましたが『そういえば腹回りのその貫禄...。』
納得したのは私だけではありますまい。

今回席は2列目のほぼ端。舞台がかさ上げされていたので少し観にくい席でした。
しかし、立ち回りで上段から剣を振り下ろされる時、私は斜め足元で
観ているわけですからなかなかの迫力です!
ただし、ほこりも一杯かぶりますが。(笑)
(宮本亜門版)
2003.03.02 栗東芸術文化会館
        さきら大ホール
こんなに良い話だったでしょうか?
それぞれがキャラ立ちしていてわかり易い芝居でした。
夢見る夢子さんのルイ−ザ(高塚恵理子)、自分のことしか見えていない
マット(井上芳雄)、頑固なダディず(斉藤暁、岸博之)、憎めない悪役三
人組(なすび、二瓶鮫一、山路和弘)、そして進行役のミュート(水野栄治)

若い世代の無鉄砲さ、親世代の思惑。
『世の中思い通りにいかない方が多いのだよ。』という声が聞こえてきそうです。
たくさん夢見て、たくさん経験をつんで,たどりついた身近な幸福。

舞い落ちる雪の中、ひとつコートにくるまって空を見上げるよれよれのマット
とルイーザ。ちょっぴり大人になって、ちょっぴりほろ苦いハッピーエンド。

個人的には《T can see it》《They ware you》が好きでした。
2003.03.23 フェスティバルホール
-セリフもない。歌もない。私にバレエなんてわかるんだろうか?-
初めはものすごく不安でした。(寝てしまったらどうしようかと...。)

従来の綺麗なお伽話ではなく、もっとドロドロと人間臭く、生々しい白鳥でした。
母である女王にオイディプス・コンプレックスを抱く孤独な王子。自分の立場を
省みず、若い男にあっさり囚われる母。王子にスキャンダルを次々と仕掛ける
執事。恐ろしい程の威厳をそなえた白鳥。

アダム・クーパーの白鳥は触れば感電してしまいそうなくらいオーラをビシバシ
放っておりました!また舞踏会のシ−ンで彼(ストレンジャー二役)は姫君達を
たらす、たらす!王子もたらす、女王もたらしこむ。(笑)
激怒した王子が発砲して、流れ弾で女性客を射殺してしまうというスゴイ展開
なんですけど。(母親を他の男にとられるのが嫌だったのか、憧れた白鳥にそ
っくりな男が自分以外の人間をたらしまくっているのに耐えられなかったのか、
どっちなんだ?王子?)
舞踏会の群舞のそれは美しいこと!女性陣も肉感的で色っぽく、なんともゴー
ジャスな群舞でした。

そして、王子のベッドからぞろぞろ這い出してくる白鳥達。ベッドに群がっている
様はまさしくヒッチコックの『鳥』。王子に襲い掛かり、助けようとした仲間にすら
攻撃を加える残酷で凶暴な白鳥の群れ。

ノーマルな『白鳥の湖』を見たら、物足りなく思ってしまうかもしれません。
AMP-『白鳥の湖』
2003.04.19 シアタードラマシティ
ぺリクリ-ズ
七芒星
(劇団☆新感線)
新感線のミュージカル(いつもとどう違うの?)ということで行って参りました。
ガラスの仮面をベースに色々なミュージカルのおいしいとこ取りです。(笑)

炸裂する月影先生(木野花)のパワー。相対する上川端麗子(川崎悦子)の
『関節話法』(なんてくどい動きをしているんだろうと思っていました。喋られない
から身体中の骨を鳴らして会話するという荒ワザ!そうか!そうだったのか!!
やっと納得。)

幻の『紅天狗』をめぐる若い二人、北島マヤならぬ赤巻紙茜に高橋由美子。(なん
でこんなにお下げ髪が似合うのでしょう。)実は性転換手術をした男だった
(えっ?)桜小町カケルに森奈みはる。
二人が共演する劇中劇『ヴォルフガング×アマデウス』。二人のデュエットがこれ
がまたスバラシイのです。中川君の扮装の茜とアマデの扮装のカケルがなんとも
かわいらしいのです!それにからむはロベスピエールこと仰天一郎(池田成志)。
なんとヅカ版トート閣下の姿で登場!やってくれます!!

こういったパロデイ作品は元ネタがわからないとつらいものがあります。(まるっきり
同じメロディの歌詞違いというわけではありませんし。)耳をダンボにして元ネタ探し
をしておりましたが、やはり何曲かはわかりませんでした。

何も考えず、笑いたいのなら新感線が一番!嗚呼、やめられない!!
2003.05.24 シアタードラマシティ
花の紅天狗
ひとつだけ気になること
      藤原君特攻服似合わない〜!(君は背は高いけど細すぎるのよおおっっ)
凄い物語でした。昔とさらにスゴイ昔、そして今を複雑にからめて、言うわ言うわ、
自国と某国批判。

戦時中、電話交換手として働く娘、富士(松たか子)。彼女には受話器を通して
死者や神の声が聞こえるという。彼女は死者の言葉から、出雲の地には
『オイル』が存在すると人々に告げ、事実そのとおり石油が発見される。
享楽的でアメリカに憧れる青年ヤマト(藤原竜也)。友人ヤミイチ(橋本じゅん)と
ともに特攻隊を脱走し、戦後石油の採掘できる出雲を米国に売り渡す。

一度は米国に属すると言っておきながら、段々反米色を強める出雲の人々に
手を焼く占領軍。米国についたヤマトの恋人醍子のセリフのこれまた凄い事。
『先制攻撃させましょう!得意じゃあないですかあ!』『原爆落としましょう!出雲に。
日本にもう二個落としたんですよ。もうひとつ落としても平気でしょう?』
そんなセリフだったと思います。

やがて、石油の存在は富士のデッチあげとわかる。つめよるヤマト。
『天国まで死体を積み上げて、老いて老いて老いてオイルになるの。死んでも老いて
腐って溶けてそれでも忘れぬかぐろき燃える水となれ!幻のオイルを入れて
幻の飛行機を飛ばしてやる!米国に!』神がかり的になってゆく富士。
『俺は神様なんて信じない!神の手持つあんたも信じない!米国は俺の夢に、
20世紀の夢になるんだ!』振り払うようにヤマトは叫ぶ。

ぼつりとつぶやく富士。『あの日もそう言ったよ。ヤマト、お前は...。』
耳に残るは『米国に行く。米国人になる。生きていたい。』と言った受話器の向こうの
『あの日』の弟の声...。

『そんなに怨みは簡単に消えるもの?まだ一ヶ月しかたってないのよ!
あれから!どうしてガムを噛めるの?コーラを飲めるの?ハンバーガーを
食べられるの?この怨みにも時効があるの?人はいつか忘れてしまうの?!
ヤマト!教えて!復讐は愚かなこと?!』
慟哭する富士の声。闇に消える富士の姿。

『本当は助けが欲しい。あなたの..。聞こえていたら返事して!神様!』

いつの間にか泣けてきました。それまでは藤原君と橋本さんの掛け合いや、
松さんとはいりさんの親子漫才に大笑いしていたのですが。
昔といにしえと今がオーバーラップします。難しい問題です。でもわかる。
でもいつかは赦さなければ断ち切れない。でもこのままでいいのか。
(日本は幸せな国ですよね。何でも言えるんですもの。)
2003.06.13 近鉄劇場
(NODA・MAP)
オイル
駄目モトで劇場に行きまして、なんとか当日券をゲット。
(中段の通路の補助席って結構ゆったりとしていてイイんですよねえ。)
青年から、老人まで演じられる内野さん、母娘二代の田中さん、
早変わりが素晴らしい白石さんと市村さん。
(着替えたと思ったら、全く違う人格がそこにいるのですもの。
お見事!でございます。)
蜷川作品をすべて観たわけではありませんが、ハッピーエンドなんですねえ。
(なんだか新鮮。)
白石さんと市村さんの掛け合いが絶妙、かつド迫力。観客は大喜びでした。
蜷川さんの舞台は本当に綺麗ですよねえ。
空間が見えると申しましょうか。上手く言えませんが絵画の様です。
語り部と人形振りで綴られる時間経過がユニークでした。
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