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当日までにしなければならないこと1

私の会社の同僚が、昨秋からの私のGTレースでの好調さの秘訣を(スプリンターズS、天皇賞秋を除くと全勝、マイルCS、JCダート、阪神JF、有馬記念は3連単、朝日杯、菊花賞は3連複、他は馬連で)問うた際、私はこのように答えました。

「勝負の8割方は前日までに決まっている」と。

「そもそも、当日の朝にスポーツ新聞や競馬専門誌を買って予想をして、朝から最終までレースをやって勝てると思う方が間違っていますよ」。

「特別な情報や内部情報なんてありませんよ。至極当然な、当たり前のことをしっかりとやればいいんですよ」。

「本気で勝ちたければ、月曜日から周到に準備をしなければならない」。

「1レースにどれぐらい時間をかけて予想してるの?」。

「10時間以上はかけてますよ。勝負のレースがある日は朝5時起きで最終チェックをしますね」。

どのようにすればいいのか?

私は週刊競馬ブック(税込み600円)を使っています。人によってはギャロップでもいいでしょう。とにかく、狙い目のレースに登録しているすべての馬をチェックすることが大事です。

「えっ?登録だけで出走しない馬もいるじゃないか。何で全部しなきゃなんないんだよ?」。

重賞レースなど、格の高いレースほど、チェックしていると「この馬の仕上がりじゃ、とても勝負にならないな」と感じる馬が出てきます。そんな馬が出走を回避して翌週のレースに登録してくると、「先週、あのレースに登録していたが、回避して今週登録してきたのは、仕上がり途上だったんだな。今週の調教がポイントになるな」と、その馬の注意するべきポイントが解ってきます。そこで、関係者のコメントをチェックしていくのです。

すべての馬をチェックしていくと、「この馬、出てくれば面白いのにな」と思う穴馬を発見することができます。狙いの馬を多く持つのも楽しみのひとつでしょう。

では実際にやってみよう

用意するもの

週刊競馬ブック(ギャロップでもいいですよ)。蛍光ペン(100円ショップで売っているもので十分。色数は多ければ多いほどグッド。ボールペン(赤、黒)。3色ボールペン。

基本的に競馬新聞の馬柱が読める方を対象に説明していきます。なるべく平易に説明しますが、もし、解らなければ掲示板でもお問い合わせいただいても構いません。

競馬は格、実績、コース適性、時計を重視しなければならない

4月3日大阪杯を例に説明します。まず、レース条件を確認します。重賞なのか。オープンクラスのレースなのか、条件級なのか、何歳の馬が出るレースなのかを確認します。

次に最大出走頭数と使用するコースを確認します(このレースの場合、重賞GU、阪神競馬場の芝2000メートルAコース、16頭までの出走レースですね)。競馬ブックの場合、推定タイムという欄があります。どれぐらいの時計で勝ち馬が出るか、を把握してください。あとの成績チェックの時に必要になってきます。


どんなコースなのかはJRAのホームページで確認してください。阪神競馬場のコース一覧で確認できます。スタンド側の発走で、コース幅一杯を使ったAコースを使うとありますね。競馬ブックにも小さな囲みでコース図とポイントが書き込まれていますから、参考にしましょう。

競馬場に行くと、スタート前に「どこがスタートだ?」ときょろきょろする人がいますが、自分が予想するレースのスタート地点ぐらいはきちんと把握しておきましょう。コースによって、外枠、内枠の有利、不利、逃げ、差しの有利、不利がありますから。

次にGT実績をチェックしていきます。蛍光ペンで馬柱枠を囲んでいきます。私は大体、掲示板5,6着ぐらいの成績を残したレースにチェックしていきます。次に重賞級(GU、GV)のレース、次にオープン実績をチェックします。重賞級で掲示板、オープンで3着以内と下のクラスに行くにつれ、枠の囲みの条件を厳しくします。

それぞれを違う色の蛍光ペンで囲みをしていきます。

見辛くて申し訳ないのですが、ここでの最大の注意点は「この条件のレースで、能力一杯のレースをして、掲示板に載るかどうか」を確認するための作業なので、見落としをしては絶対いけません。掲示板5着までにくる馬というのは、展開や馬場、騎手の判断次第で3着ぐらいには持ってこれる馬なのです。この段階では「どう考えても無理だわな」という馬を落とす作業なので、「なんだよ、これ、色だらけになっちゃったよ」というケースもあると思うのですが、構いません。

どうでしょうか。視覚的に足りそうにない馬と実績十分な馬と感覚的に掴めたのではないか、と思います。この作業で登録馬の半分ぐらいを落とせればしめたものです。

「こんな作業しなくても、記者の印とコメントでわかるじゃないか?」というご指摘もあるとは思うのですが、それでは印のついていない馬をどこでチェックするのか、となってしまいます。いつまでたっても高配当が取れない方は、印のついていない馬イコール必要のない馬という意識が無意識のうちに働きすぎているのです。


次にレース内容を吟味していきます。強烈な決め脚を発揮したレースや、好時計のレース、速いペースで逃げ粘ったレースなど、強調できる時計やレースをボールペンでチェックしていきます。例えば、上がり33秒台や2000のレースで1分58秒台を叩いたレースなどをチェックします。これを何度も繰り返していくと、このコースの、この距離はどれくらいの時計が出る、というのが解るようになってきます。競馬で勝てない人はこのあたりの「感覚」が欠けている人が多いように思います。「時計の感覚」を磨き上げるようにしましょう。


次に競馬場別のコース実績と右回り、左回りのレース実績など、その競馬場に対する相性、適性を調べていきます。阪神が合う馬、京都が合う馬、関西、関東遠征した場合の成績、地元での成績、良馬場と不良馬場との成績比較などです。さらに、連対時の脚質もチェックします。逃げ馬が多いレースなのか、差し馬が多いレースなのか、展開を考える際に必要になりますので抜かりなくチェックしましょう。

さらに、着順は一息でも、勝ち馬と接戦をしたレースもチェックを入れていきます。特に強い馬と接戦を繰り返している馬は要チェックです。コンマ2秒、コンマ3秒など僅かな差で負けている場合でも、条件が変わればひっくり返せる可能性が十分あります(馬場状態や展開、斤量の差や、騎手の乗り替りなど)。過去の成績をチェックする場合、どうしても「1着」という見栄えのする成績に目が行ってしまいますが、着順が今ひとつの馬で勝ち馬との差が小さい馬は着順がフィルターになって、実力の割には配当に旨みがでてくるので積極的に探し出すようにしましょう。


私は競馬予想は芸術だと思っています。きれいな出走馬表、きれいな買い目を作ることは芸術作品を作るのと同じような情熱を感じますね。ここでいったん登録馬表の作業を終わります。


週刊競馬ブックの場合、重賞レースの場合は過去の成績と傾向のページがあります。ここも当然チェックの対象になります。過去10年で、どんな馬が、どんな臨戦過程で、どんな時計で、どんなレース内容で勝ち負けしたかをチェックします。このチェックによって、検討するレースがどんな性格のレースか、理解できるようにしましょう。特に臨戦過程は必須のチェック項目です。どんなレースを使ってこのレースに臨むのか、馬体重の増減はどうか(GTレースの場合は特に顕著で、ぎりぎりまで絞り込んだ馬やパワーアップした馬が勝ち負けしている。)、時計の裏付けはどうかなどです。


大阪杯の例でいうと、過去4年連続2分を切る時計で勝ち馬が出ています。競馬ブックの推定タイムは1分59秒5。24ページにある阪神競馬番組表では2000のレースは3月26日の毎日杯の2分2秒2がありますが、これはスローの決めて勝負だったので、参考にし辛いです。しかし、4月2日の9レース明石特別、4月3日の6レース未勝利戦が2000のレースなのでこのレースの展開と馬場、時計を確認する必要があります。


当日、自分の購入する以外のレースも目的を持って見るようにしましょう。特に展開や馬場状態、内、外荒れている部分や、差しが効く、効かないなど。これで登録馬表と成績と傾向のページの検討が終わりました。ここまでは大概の方がやっておられると思います。しかし、ここからの作業をやるとやらないとでは的中率、回収率ともに3割近くは変わってくるという大変重要な部分が待っています。それは次で説明します。


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