野々原渚『あ!分かった!綾瀬さんのハンカチでしょ』 | 野々原渚『あ、ううん!なんでもないよ、ただのひとりごとだから』 |
野々原渚『あ、そうだ、お昼のお弁当はどうだった?』 | 野々原渚『ああ…あのおとなしそうなクラスメイトの人でしょ?知ってる』 |
野々原渚『あのハンカチについていた血、お兄ちゃんのだったんだ、ちょっともったいないことしたな』 | 野々原渚『あんな人、どうせお兄ちゃんのこと何もわかってない』 |
野々原渚『あんな人と話してたら、お兄ちゃんまで暗い性格になっちゃうよ』 | 野々原渚『いつも私の晩御飯』 |
野々原渚『ううん、気にするよ』 | 野々原渚『うふふふ、ううんなんでもない何も言ってないいよ本当になんてもないから』 |
野々原渚『え?お兄ちゃん怪我したの?その時に借りたって、怪我は大丈夫なの?』 | 野々原渚『お金渡しとけばよかったね』 |
野々原渚『お兄ちゃん、今まで私に嘘ついたことなかったのに』 | 野々原渚『お兄ちゃん、昔は私の話ちゃんと聞いてくれてたのに、最近はあまり聞いてくれないよね』 |
野々原渚『お兄ちゃん[2]』 | 野々原渚『お兄ちゃんがそういうところで鈍いのは昔からだもんね、わかってるよ』 |
野々原渚『お兄ちゃんにはやっぱり』 | 野々原渚『お兄ちゃんに美味しいご飯作ってあげられなくって』 |
野々原渚『お兄ちゃんの嘘つき!!!』 | 野々原渚『このハンカチ、お兄ちゃんのじゃないよね、誰の?』 |
野々原渚『ごめん、怒鳴っちゃって』 | 野々原渚『ごめんね、こんな時間に』 |
野々原渚『こんな事なら、血の付いた部分だけ切り取ってから捨てればよかった』 | 野々原渚『そういえば最近お兄ちゃん、帰りが遅いよね』 |
野々原渚『そっか、やっぱり綾瀬さんのところに行ってたんだ』 | 野々原渚『そっか、よかった』 |
野々原渚『そっか、外食したんだ』 | 野々原渚『そっか、大した事なくてよかった』 |
野々原渚『それで、どうしてお兄ちゃんが持ってるの?』 | 野々原渚『それで、一人でご飯食べたの?』 |
野々原渚『それに、お兄ちゃんはいつも私のお料理を、おいしそうに食べてくれるんだもの』 | 野々原渚『それに、私とも遊んでくれなくなったし』 |
野々原渚『それはそうと、今日の晩御飯どうしたの?』 | 野々原渚『そんなの気にしなくていいよ、家族なんだから、ね?』 |
野々原渚『だってお兄ちゃん』 | 野々原渚『でもあの人大人しいっていうより暗いよね』 |
野々原渚『でも大丈夫、明日からはちゃんと作るからね』 | 野々原渚『どうしても外せない用事があったから』 |
野々原渚『ところでお兄ちゃん、さっき洗濯しようとして見つけたんだけど』 | 野々原渚『どっちかっていうと』 |
野々原渚『ねえ、どうしてそんな嘘つくの?』 | 野々原渚『ふーん、一人で食べに行ったんだ』 |
野々原渚『へぇ~手料理食べさせてもらったの?』 | 野々原渚『ほんとうだよ』 |
野々原渚『まだ起きてる?』 | 野々原渚『やっぱりあの女の匂いがする』 |
野々原渚『一番よくわかってるのは私なの、ほかの誰でもない私』 | 野々原渚『学校に行くのも、綾瀬さんと一緒に行こうって言うし』 |
野々原渚『楽しみにしてくれてたんだもん』 | 野々原渚『口に合わなかったらどうしようって思ったけど、これで一安心ね』 |
野々原渚『今日のこと謝っておこうと思って』 | 野々原渚『作り置きも考えたんだけれど』 |
野々原渚『作り立てを食べてもらいたかったから』 | 野々原渚『私だって頑張っちゃうよ』 |
野々原渚『図書室で勉強?』 | 野々原渚『匂いで分かるもん』 |
野々原渚『八宝菜』 | 野々原渚『別に、お兄ちゃんのこと嫌いになったとかそういう訳じゃないよ』 |
野々原渚『本当にごめんね』 | 野々原渚『明日からは、ちゃんと作るからね』 |
野々原渚『料理とか洗濯とか、私の取柄ってそれぐらいしかないし』 | |