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ポンペイ〜オークランド(3) -- 素晴らしい虹


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このころ、ニュージーランドでの免税品の購入リストがまわってきました。
当時も今でもあまりお酒の銘柄のことは詳しくないのですが、ロイヤルサリュートというスコッチがNZ$63.80(1NZ$=¥89@1989年)という値段につられて購入しました。
ニュージーランドではおいしいニュージーランドワイン(日本にはブレンド用くらいでしか輸出されていないようです)が、NZ$3.00であったので沢山購入しました。

なんせ、船なので荷物はかなり沢山持って帰ることができます。
しかし落とし穴がありました。
私たちの実習は海外旅行ではないのです。
パスポートも持っていないのですから。
そこで、必然的に日本通関時の免税品の量が違ってくるのです。
例えば、普通に海外旅行をした時には、アルコールは3本(1本750ml)までは免税になるのですが、私たちの実習では1本に制限されます。このおかげで随分税金を払わされました。(購入代金が安かったせいもあるのですが、購入代金の半分位を税金で取られた覚えがあります)

さて、青雲丸はハリケーンをかわしニュージーランドへの順調な航海が続いていました。
私たちも機関室から従来の船橋へ実習の場を戻しました。

ある朝の日の出前、ちょっとしたシャワーが通過しました。
そして、日の出。
素晴らしい虹がでました。
太陽が低いからなのでしょうか(?)、その虹は青雲丸の左舷から立ち上がり、頭上を通って、右舷へと戻ってくる、なんと中心角が270度以上もあるものです。(**1)

よく虹の根元は行くことの出来ない夢の場所のような言われ方をしますが、私たちはこのとき、虹の中にいました。
船をとりまく空気が乱反射のためか、きらきらとしていました。
人と10mも離れると、その人は虹の向こうにみえました。
信じてもらえないかもしれませんが、本当の話しです。

そして、この日、延び延びになっていた赤道祭兼運動会が行われました。


(**1)
この虹は専門的には「反射虹」であったと思われます。
詳細は「機船の話し・長期実習編 >> 虹に関する補足説明」をご覧ください。

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