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虹に関する補足説明


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機船の話し2では「虹」についての話しが何ヶ所かでてきます。
その「虹」についての記述に正確でないものがありますので、ここで補足しておきます。

・ 「二重虹」
虹には水滴に1回反射して出来る「主虹」と、2回反射して出来る「副虹」とがあります。
太陽を背にしたとき、その対日点を中心に半径約42度に位置しているのが「主虹」、半径約51度に位置しているのが「副虹」です。
一般に「主虹」に対して「副虹」ははるかに暗く、また半径約51度というのは想像以上に大きいため、「副虹」は見逃しがちです。
また、「主虹」が水滴に1回反射して出来るのに対し、「副虹」は2回反射して出来るので、色の並びは「主虹」と「副虹」では逆になります。
主虹と副虹
主虹(下)と副虹(上)
・ 「反射虹」
洋上などでは、太陽の高度が低いときなどに、太陽光が海面に反射した反射光が水滴に反射して出来る「反射虹」が出来ることがあります。
「反射虹」は海面に反射した太陽光が、水滴に1回反射して出来るものなのでメカニズムは「主虹」と同じです。
従って、「主虹」と「反射虹」に色の並びは同じになります。
また、海面に反射した光であるため、その反射光の対日点は地平線上に位置します。
そのため、「反射虹」は高度が高く中心角の大きな虹となります。
(参考図書:「空の色と光の図鑑」草思社)

主虹と反射虹
主虹(下)と反射虹(上)
以上の説明より、
「ポンペイ〜オークランド(3) -- 素晴らしい虹」にでてきた中心角の大きな虹は、太陽の高度も低いことから、「反射虹」であったと考えられます。
また、「オークランド〜東京(2) -- ダブルレインボウ」で私の見た虹は色の並びが逆であったため、「副虹」であったと考えられます。

虹をはじめ太陽の光輪などは、科学的にかなり解明されています。
上記にあげた参考図書は2900円と多少高価ではありますが、これらの現象をわかりやすく解説してあります。
私のお薦めの一冊です。

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