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地震の話し(2) -- 会社はめちゃくちゃ --


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会社に着いたのは9時頃だった。
まず職場である3Fに直行。おっ!結構人来てるやん。

って20人くらい..は、いなかったかな。近くの人ばかりだけど。
で、えーーーーーっ。机の上無茶苦茶。パソコンのモニタはほとんど落ちてる。
こりゃいかン。とにかく片付けだ。
まずはロッカーに行って作業服に着替えよう。
オレたち関連会社は迫害されているわけじゃないだろうけど、ロッカーはえげつのないところにある。
この建物は5F建てだけど屋上への出口のところにオレたちのロッカーがある。

5Fに上がる。わお、5Fって3Fよりひどいぜ!!
やっぱり上の方がよく揺れるのかなあ。
屋上への階段を上りロッカー室の扉を開ける。

「!」

細長いロッカーが縦横無尽に倒れて入ることもできない。
結局そのまま3Fへ逆戻り。おっ!人増えてる。
とにかく後片付けだ。....片付け....片付け....
10時頃放送がかかる。
はっきり言葉までは覚えていないけれど、環境課と管理職以外はすみやかに帰れ、というものだった。

その頃になって駆けつけた人もいて、
いわく『電話がかからない』..「うっそーかかってたでえ」
いわく『新幹線の高架が落ちている』..「どこでえ」
いわく『高速道路がこけてる』..「それは何でもウソや」

「あのなあ、デマに惑わされたらアカンでえ」..『ホンマやって、TVでやってた』
「高速があ!?どこでえ」..『東灘の方やって』
「!..新幹線はあ?」..『すぐそこ、伊丹んとこ』

「電話かかれへんの?朝は大丈夫やったで」..
『今はゼンゼンや。公衆電話からの方がかかりやすいらしいで』..「!!」

『震源は神戸の方らしいで』..「!?朝のニュースで震度でてなかったで」
『最新のニュースでは震度6になってる』..「ろくう!?」

だいぶん状況がわかってきた。
でも...とにかく、帰れ!って言われているので、三々五々帰路につく。
とりあえず、家に電話をしてみる。
全然かからない。
20回以上はかけたと思う。

ようやくつながった。

「震源は神戸や。西宮と須磨の親戚が心配や。電話もかからん。行けるようやったら見てきて!」という。
それから「携帯電話の方がつながりやすい。妹が会社に行ったけど、なんやったらそっちにかけたら何とか連絡とるから..」

地震発生から4時間。
ようやく、どうも大変な地震らしいということがわかってきた。
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地震の直後から、地震が子供たちにはトラウマになっているという報道があった。
すぐに「地震の前は....」っていうのは心にそのことが深くきざまれた証拠だという。
そんなことをいうと、今のオレたちだって、よく「地震の前」とよく使う。
記憶の中の1つの強烈なマイルポストとして存在しているからかもしれない。
でもそれは「心の傷」なんかじゃない。
そう言ってあげたいけど、もっとひどい目に遭った人たちには、そうは思えないのかもしれない。

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