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7月15日午後 クラン・モンタナへ
リッフェルアルプ駅でゴルナーグラートから下ってくる電車に乗ったのは午後1時過ぎ。ツェルマット駅で、預けておいた荷物を受け取った。
ツェルマット → フィスプ → シェール Sierre のコースで鉄道を乗り継いで行く。
シェール駅で降り、道路にマークされたラインに従って歩いて進み、ケーブルカーでクラン・モンタナまで上がる。
クラン・モンタナで予約の宿は Hotel de la Foret
客室は3階、予約で指定した通り、バルコニー付きで展望が良い。
写真の左側には ヴァイスホルン を遠望
時刻はまだ午後5時前、充分に明るい。街中へ行ってみることにした。
ホテル前のバス停からバスで2駅ほど。歩くと10分以上かかるが、バスであれば直ぐだ。ここもスイス、勿論、バスもスイスパスで乗れる。
先ず、観光案内所へ。
ここの観光案内所で最初に分かったことは、ここは完全なフランス語圏だということだ。説明文もパンフレットも全部フランス語。ただし、係員は英語も理解する。「英語版のパンフレットは無いのか」と尋ねると、フランス語のパンフレットを開いて地名を指さし、これで理解してほしい、と言われた。なるほど、地名は英語も併記されている。
日本から持参したガイドブックに、クラン・モンタナでハイキングするのであれば、観光案内所でそのコースの案内を"購入"すること、と書いてあったのだが、私達はこの意味を充分には理解していなかった。これまでそうだったように、日本から持参したガイドブックに記載されているコース案内で充分だと考え、観光案内所でコース案内を入手("購入")しなかったのだ。
後で分かったことだが、ここクラン・モンタナはスイスであってスイスではない。
ハイキングコースに、頼れるようなまともな標識はない! 更に、コースは日々整備されつつあるようだ、つまり、コースはしばしば変わる。だから、日本のガイドブックに記載のコース案内は、古い、と考えるべきだ。
当然だが、観光案内所で用意されているコース案内は最新のものである。この観光案内所でのコース案内の入手("購入")は必須であった。
クラン・モンタナは、ヨーロッパでは高級リゾートとして有名だそうである。
確かに・・・オープンカーが颯爽と走っているのを2度ほど見た。たかがオープンカー、だが、私達の普段の生活では滅多に見ないものだ。
街の中心には、トランポリンなど子供の遊ぶ大きなスペースが配置された公園のような広場があり、その真ん中にデンと構えた大きな建物はカジノ場だ。
道路では、十数人の若者が、冬のスキーの練習だとばかりに、底板にローラースケートを付けた、1メートル以上もある長さのスキー板(名前があるんでしょうが、私は知らない)を履いて、群れになって走り(滑り)まわっている。普通の乗用車が走っている間を、縫うように、である。見てると、カーブの曲り方の実に下手な2,3人がいて、危なっかしいことこの上ない。
住人が好き放題にしている街は、(私達のように) セレブではない人間には、なんとなく住みづらい感じ。
7月16日
プラン・モルト Plaine Morte 展望台 → ハイキング2本(ヴィオレット Violettes →クリデール Cry d'Err 、Plumachit→Cascade→Aminona)
今日は先ず、モンブランからマッターホルンまでの展望が見られるという、プラン・モルト展望台へ上がる。
ローブウェーをヴィオレットで乗り換えてプラン・モルトへ。プラン・モルト展望台へは、ローブウェー乗り場の裏にある坂をエッチラオッチラと登らなければならないが、登りきると、そこからの360度の展望に、思わず、オーッという声が出るだろう。モンブランからマッターホルンまでの展望もばっちりだ。
展望台からローブウェー乗り場への坂を下りている時、大きなザックを背負って登ってくる男性とすれ違った。
私達がトイレを済ませてローブウェーに乗り込むと、アレ? その男性が走り込むように乗り込んできた。展望台まで登ったのかな、と思いながらチラチラと見ていると、男性が話かけてきた。パラグライダーをするために来たのだが、今日は風が強いので諦めたのだ、と。
ここクラン・モンタナの住人だということで、ローブウェーから見える山々の名前を指さしながら教えてくれた。ほとんどが4000メートル峰ですよ、とちょっと自慢気。冬は、ここら一帯全部がスキー場となり、大変な賑わいなのだと、とも。
これからヴィオレットからクリデールまでのハイキングコースを歩く予定だが、ガイドブックや地図等見てもトレイルの始点が分からなかったのでその男性に訊くと、すぐ分かった。
ローブウェーの中間駅ヴィオレットで降りて、教えられたトレイルの始点に行ったが、そこには何の標識もなく、もし彼に教えてもらわなければ、ずいぶん迷うことになったろう。
コース途中にも、まともな標識はなかったが、このトレイルには多くのハイカーがいたので、訊いたりして、迷うことはなかった。
このハイキングコースは、
(ヴィオレットを始点とすれば)
前半は モンブランを始めとするモンブラン山群の、
後半は ヴァイスホルン、マッターホルン等のヴァリス山群の一部の眺望が素晴らしい。
ここも、やはり、スイスらしい景観を誇れるハイキングコースである。
写真右端にモンブラン
マッターホルンは、歩き始めた時には見えていたのだが、いつの間にか気が付くと、雲で覆われていた。この感じでは、ツェルマットやゴルナーグラートからもマッターホルンは見えていないだろう。
クリデールからロープウェーでクラン・モンタナの街に下り、またバスで、今度は Plumachi へ行った。
私達のこれまでのハイキングとは違って、このコースの目的は展望台からの眺望を楽しむというのではない。
草原を楽しみ、滝の風景を楽しみ、花を楽しみ、そして、散歩そのものを楽しむ、といったコースなのである。
私達がこのコースを選んだのは、あるガイドブックに、スイスで最も多くの種類の花を見られるコース、と書いてあったからである。これに関しては、咲く時期の問題もあると思うが、他のコースと比べて特に花の種類が多いとは、私達は思わなかった。
トレイルは、ハイキングコースというより散歩道といった方がいい。乳母車を押して通れる道である。実際に、乳母車を押している人もいた。高級リゾートでゆっくり滞在するセレブ達が散歩を楽しむために、整備された道なのだろう。
このコースも、いくつかのルートに分かれている。どれも大きな違いは無いが、散歩道ではないルートもある。こちらのルートは、ハイカー(散歩人)はずっと少ない。私達はこのルートを行った、というより、標識を見ても分からないので適当に進んでいくとこうなった、というところだ。
ここの標識は、スイスの他の地域の標識とはまるで違っている。
まず、標識のポールがあり、通常の標識のように、方向を示す矢印型の板がそれに付けてある。その矢印型の板に"どこそこ"といった地名なり場所を表す語が書いてあるのが、通常の標識である。しかし、ここは違う。
帰りのルートで、そのルートを歩いているのは私達だけになり、どう見ても散歩道ではない車道に出てしまい、、、、かなりの距離を既に歩いてきたので引き返すのも不安で、1度だけ見た、人が歩いている姿(マーク)だけの標識を信じて、車道を延々と歩き続け、、、、なんとか、クラン・モンタナに戻るバスの、バス停 Aminona に辿り着いた。
車道を延々と歩くのが本来のルートとは思えない。私達はどこかでルートを間違ったのだ。
7月17日 クラン・モンタナ → (チェントバリー鉄道) → ジュネーブ
今日からは、日本への帰路になる。
日本への帰国便はジュネーブ発。今日はジュネーブの空港ホテルで1泊する予定。クラン・モンタナからジュネーブへは鉄道で2時間の距離である。 だから、クラン・モンタナをゆっくり出発すれば良い、、、と思いますか? いや、私達は朝8時過ぎにはクラン・モンタナを出発した。
クラン・モンタナからシェールを経由してブリークへ。ブリークからドモドッソラ Domodossola へ。ドモドッソラからロカルノ Locarno までチェントバリー鉄道に乗る。スイスの南端にあるロカルノから、スイスの北端にあるチューリッヒを経由して、スイスの西南端にあるジュネーブへ行く。
つまり、今日は、鉄道でスイスをぐるりと一周して、最終目的地ジュネーブ空港駅へ行くのだ。鉄道好きでなければ考えないプランである。 ヤレヤレ、、、
天候は雨模様。チェントバリー鉄道は渓谷美で有名、と聞いたが、楽しめるかどうか。
ブリグはスイスだが、ドモドッソラはイタリアである。
ドモドッソラの手前で、なぜか、列車は停まった。雨が降りしきる中で、停まったまま、説明の放送もない。放送があっても私達には内容は聴き取れないけれど、とにかく、放送も無かった。なんとなく、これもイタリアらしい? 列車は30分遅れてドモドッソラに着いた。
ここドモドッソラからロカルノまでチェントバリー鉄道の路線である。
渓谷の景色が素晴らしい、ということだが・・・・
雨は止まない。車窓のガラスも曇りがち。
曇ったガラスを通してなので、
雨の渓谷も風情がある、なんて感じでもない。
最終目的地ジュネーブ空港駅には 夜7時過ぎに到着
今回も、天候にも恵まれた、いい旅でした!
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