eoさんの旅ノート  シャモニ、ゴルナーグラート、エンガディン……スイス・アルプス03
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7月7日 続き

 ロープウェーを降りて、昇るとすぐに小さな展望台があった。

 

 湖を挟んで向こうは、エンガディンの南側(サンモリッ側)になる。

 ここを過ぎると、長い下り道。


 下って行くと、牛がたくさんいる。放牧されているのだが、妙に好奇心が強い?

 私達が動くと、牛も私達に付いて動くのだ。少し怖いものを感じた。

 ツレアイと一緒なわけだったが、もし私一人だったら、気持ち、通過できたかどうか。


 2時間ほども歩いて、やっと
 目的地(馬車が出発するホテル)が下に見えてきた。

 

 岩だらけの長い下り道を、延々と降りてきたので、少しホッとする。

 この頃、少し雨が降った。ホンの数分。傘を出すまでもなかった。


 このような馬車。

 

 ホテルに馬が沢山いるので、予約は無し、でも乗れそう。

 40分くらいかけて、Sils Maria のバス停まで私達を運んでくれた。


ここも 花は

 沢山 ありました。

7月8日

 今日は、ムオタス・ムライユ Muottas muragl からアルプ・ラングアルト Alp Languard まで歩く。 何十年か前、私達が初めてアルプス個人旅行をした時に歩いたルートだが、それを今日は逆ルートに歩く。
 実は、私にはここで忘れられない思い出がある。大した思い出でもないが、なぜか、わすれられない思い出。
 その時は逆ルートだったので、ムオタス・ムライユが目的地だったのだが、その最後のルート、ゆるいが長い登り道なのだ。「まだ、あんなに登りがある。」それを見て、私はうんざりした。そう思ったことが、なぜか、妙に忘れられない思い出として残っている。よっぽど、疲れていたのか。

 ポントレジーナの宿近くの停留所からバスで Punt Muragh Talstation まで行き、そこからムオタス・ムライユまでケーブルカーで登った。
 ケーブルカーで着いたところにホテルがある。今は、ガラス張りの大きなバルコニーがあり、そこからはサンモリッツやエンガディンの山々、湖など大きな展望を楽しめる…であろうなと思われる。が、私達はそこは通過する。そのホテル…現在は、美しい白い壁のホテルだが、私達が泊まった頃(何十年か前)は木造だった。建物は確かに古かったが、レストランや部屋は趣味が良かった。バルコニーも何もなかったが、いい宿だった。いい思い出になる宿だった。思い出は大事だ。だから、私達は、その新しいホテルにそれほど興味はなかった。なので、私達はそこを特に見ることなく、通過したのだ。

 長い道であることは確か。

 これまでのハイキング道とはちょっと違って、穏やかな道だ。


 なんと言っても、

 岩がゴロゴロ、でないのがいい。


 アルプ・ラングアルトにはポントレジーナまでのリフトがある。
 リフトに乗って、ポントレジーナがまさに目の下くらいに迫ると、やれやれという気持ちになる。ハイキングもこれで終わりか。

 それにしても、
 こんなに毎日、いろいろ行けるなあ、と思ってませんか? 実は、私達もそうなのでした。
 この旅行、全日を動けるとしたら16日ある。ちょっと長いけれど、普通であれば、間に2,3日は雨がある。その2,3日は宿で休憩することになる、と思っていた。 実は、数分、雨は降ったが、数分だけ。傘も要らなかった。それ以外、雨が降らないのだ。毎日、天気続き。
 そうなんだ。普段、良いことばかりしている人にはこんなこともあるのだ。……まあ、いいじゃない(^J^) 言わせて下さい。

7月9日

 今日は、モルテラッチ氷河等幾つかを見に行こう、ということになった。

 ポントレジーナからベルニナ鈍行に乗り、まず、オスピツィオ ベルニナ(Ospizio Bernina) で降りて、そこからアルピ・グリュン Alp Grün まで歩いた。

 主として湖沿いの道だったので、景色は良かった。

 

 

 それにしても、
 こんなに花が多いとは思わなかった。

 どこもかしこも、
    アルペン・ローゼ


 アルピ・グリュンから再びベルニナ鈍行に乗り、次に、モルテラッチ Morteratsch 駅で降りた。

 モルテラッチ氷河の末端を目指して歩くハイキングコースを歩いた。

  モルテラッチ氷河は、
 かっては鉄道駅まで伸びていたが、
 今はかなり後退して、
 途中で戻る人も多かった。

 氷河末端が、1878年から、以前はどのあたりまであったかを示す標識がいくつか立てられていた。


7月10日

   今日は、ポントレジーナの宿泊した宿 Hotel Rosatsch.をチェックアウトして、トランク等全部持ち、ベルニナ鉄道に乗ることにした。

 ベルニナ鉄道の写真としては平凡かも知れないけれど、

 この風景の中でこの鉄道の写真となれば、

 (我ながら) いい写真ですね。


 おもちゃの鉄道模型のようだけど、

 勿論、本物のベルニナ鉄道です。

 

 最後の車両がトロッコ。


 途中のラーゴビアンコ(白い湖)で看板を見た。

 この湖水が、
 アドリア海(地中海)と黒海との分水嶺であることを示している。


 ベルニナ鉄道で、イタリアのティラーノまで往復し、ベルニナ鉄道のトロッコでポントレジーナまで戻り、ポントレジーナからサメダンへ、そしてクール経由でチューリッヒへ行った。

 私は思った。
 地球温暖化の影響を強く受けて、ここモルテラッチ氷河もそうだが、大半の氷河はかなり後退している。スイス・フランス等のアルプス地方は、例えば、エギーユ・デュ・ミディは50年以上前、1955年には頂上駅までロープウェイが通じた等、観光目的で早くから開発された。他の大半の氷河でも、氷河の中に小さな博物館風のものができていたりするが、現在は、その氷河自身も後退し、その博物館の中も見るべきものがあまり無い状況だったりする。
 時は流れ、自然は変わる。ヨーロッパ・アルプスは本当に美しい。しかし、ヨーロッパ・アルプスは既に旬を過ぎようとしているのではないか。

7月11日

 今回の旅行は少し疲れた。
 帰りの飛行機はチューリッヒから。

 翌日、日本の関西空港着。今回も、いい旅でした。

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