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今朝、7時頃にはサンクトぺテルブルグに着いた。
9時過ぎから市内観光。聖ニコライ教会を見た後、エルミタージュ美術館に向かったが、なんと、市民マラソン真っ最中で私達のバスは中心街に入れず、私達は歩いて美術館に向かうことになる。歩かされたことは予定外だったが、しかし、マラソン走者が近くを走ると「がんばれ〜」等と応援の声も出て、私達も少しは楽しんだ。
エルミタージュ美術館は、美術館としての機能もさておき、建物と内装の豪華さが有名。
さすが!
美術館部分も見物客でぎっしり。有名な作品の前では列に並んで、観る順番を待つ。
中国人の団体客が多いのが目立つが、彼等、横からその列に平然と割り込んでくる。中国人がこれから世界に本格的に進出しようとするのならば、マナーも身につけなければ、ですね。
レオナルド・ダ・ビンチの「リッタの聖母」でも、私達は列に並んだ。私の前には大勢の中国人が。
で、「リッタの聖母」にやっと近づいたと思うと、突然、そこに驚くべき光景が出現した!
私と「リッタの聖母」の間に、見物客の頭を越して、スマホが林立したのである。私と「リッタの聖母」の間にいる見物客のほぼ全員が、眼の前の「リッタの聖母」をスマホで写真撮影を始めたのだ。その絵の前に出た途端に、その絵を自分の肉眼で観るので無く、スマホで写真撮影!……なのである。 私は呆然とした。
たとえプロの写真家が撮影した写真でも、プロがその写真に込めた思い?は別にして、それをただ見る者にとっては、それがおよそどんな絵であるかが分かる程度だ。それを、スマホで撮影して、どうするのか? 「自分はそれを見たのだ。その美術館に行って、その絵の前に立ったのだ」ということをスマホ写真で証明するのか? なるほどね。
評論家であれば、これについて一言か二言か三言か、言うことはあるだろう。私は評論家ではないので、一言だけ。なんとマア!
展示場で、壁面の腰板部分より上の全面が鏡になっているところがあった。ずいぶん横長の鏡だった。私は、なんとなく、鏡に映る自分の姿を眺めた。私の姿が映っている部分とは反対の端の方には、展示された少女の絵が鏡に映っている……と私は思っていた。それが絵であるとはっきり意識していたわけでないが、なんとなく、それは絵だと思っていた。
ところが、その絵の中の少女が動いたのだ! それは、絵ではなく、生きている少女だったのである!
絵の中の少女だと思ってもおかしくない、美しい少女ではある。明らかにロシア人。背中にまでかかる美しい金髪。
鏡の中で、その少女は、長い美しい金髪を片手で軽く櫛けずるように触りながら、身体を少し斜めに傾げていた。いかにも、絵の中のモデルにもありそうな姿だ。 彼女はその姿をずっと続けている。身体を斜めに傾げて金髪を片手で軽く櫛けずるように触れることに、飽きる気配もなく。それをいつまでも続けているのだ。
そうしているうち、私は気付いた。彼女は、鏡に映る自分の、自分自身の姿に見惚れているのだ…。確かに、鏡の中のその姿は美しい。少女も美しいし、金髪も素晴らしい。
そしてまた、私がそれをじっと眺めていることにも彼女は気付いているに違いない。
美しさに憧れるのは、世界中の女性、どこでも同じなのだなあ、と、しみじみと思った。
近くのレストランで昼食の後、
水中翼船で郊外のピョートル夏の宮殿へ。
写真は エルミタージュ美術館と水中翼船
広いピョートル夏の宮殿には噴水がいくつもあり、宮殿の前には大噴水。
いくつもの金の人物像が階段状に並んでおり、その金の像を洗うように大噴水の水がほとばしっている。
晴れている日には、それなりに美しいかも知れない。
一旦船に戻ってから、バレエ「白鳥の湖」鑑賞に行った。希望者のみだが、ほとんどが希望。外国からの観光客向けの催しのようだったが、雰囲気は楽しみました。
私達日本人グループは船で3連泊する。船から市内観光に繰り出す。船はホテル代わりというわけ。ドイツ人はいくつかのグループに分かれているようで、直ぐに下船するグループ、2泊後に下船するグループ、3連泊のグループなど。
6月30日 サンクトぺテルブルグ
今日はエカテリーナ宮殿へ。
昨日のピョートル夏の宮殿と同じく広大な庭園があり、その敷地の中に、いくつかの門で囲われたエカテリーナ宮殿がある。
宮殿の敷地に入って見回すと囲っている門が見えるが、そのどれもが金で飾られ、キラキラと輝いている。
ロシア人ガイドに「本物の金ですか?」と訊くと、「勿論!そうです」と、少し自慢気。
庭園の中にある雰囲気のあるレストランで昼食の後、「血の上の教会」を見て、船に戻った。
7月1日 サンクトぺテルブルグ・帰国
今日はペブロパブロフスク要塞を見物。
他国(スウェーデン)からの防衛のために作られた要塞だそうだが、収容所としても利用され、ドストエフスキーも収容されていたそうだ。
午後は自由時間で、船着場近くのスーパーマーケットで土産物などを買う。
夕刻には帰国の航空機に乗る。大韓航空で、翌日に、ソウルを経て、関西国際空港着。
本当に良い旅でした。
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