デカールシートを使い切る(F-16ハスミ大佐仕様を作る2)

 以前製作した海保使用スカイレイダーではあるが、タミヤのパチッデジタルに投稿したところ、幸運にも2008年3月に採用される事となった。まあ、コンテストではないので採用は簡単なのではあるけど。
 で、そのときに使用したデカール関連の資材や塗料まだ余っているので「プラモデルで再現してみる」にて製作した軌道傭兵4巻で登場したASATU搭載F-16に続き、再びハスミ大佐仕様のF-16を作る事となった。
軌道傭兵1巻ではハスミ大佐が国内を移動する為にF-16を乗り回していたが、宇宙飛行士が使用するものとなるとNASAが運用してるもの考えて、宇宙飛行士用のF-16を考えてみる。
 カラーリングのベースとなるのは、現在も使用しているノースロップT-38である。これはシャトル飛行士の訓練用と国内での移動用として、またシャトルの着陸時のエスコートでも活躍しており、日本でもたびたびニュースで機体を見る事も出来るが、現実よりも機体更新などが順調に行われているであろう軌道傭兵の世界では、米軍の戦闘機はその殆どがF-22やF-35に置き換わっていると考えてもおかしくは無い。それに、機体寿命を考えるなら半世紀近く前の機体はもう引退して、空軍から中古のF-16を回してもらっているだろうし。
 そう考えるとそれなりに状態のいいF-16B/D辺りがら兵装類を外してNASAのカラーリングで使うというのが最も妥当な線であろう。
という訳で、これでキットはハセガワのF-16Dを使用することに決定。というか複座のF-16を探すと一番手に入りやすい上に、値段とか色々な面で最もお手ごろなのがハセガワのキットなのである。ただ、古いキットなのでモールドの潰れやバリも多いのだけど。しかし、キットを購入という時点で積んでいる資材を減らすという目的からはずれている。というか、手段の為に目的を忘れるという典型的パターンに陥っているのである。
 塗装については、フジミから出ているNASA仕様のT-38が出ているので参考資料にする事が出来る、しかし、フジミの飛行機キットは最近ではなかなか見つけ辛いものがあり、実際近所でスケールモデルを扱っているところを探したものの、フジミの飛行機モノはごく一部であった。それならネット通販なりメーカーに注文すればいいだろうが、また積みプラを増やしてどうするんだという考えから結局参考用キットは諦めるが、こういったときに役に立つのが本家本元のNASAである。
 ドライデンフライトリサーチセンターのギャラリーに行けば、NASAに所属する殆どの機体の画像が時代別に分類されているのだから確認するのは楽である。機体番号やラインなどの確認さえ出ればあとの細かいところはキットのデカールで何とかなる。ただ、NASAのマークだけは自作する必要があるので、公開されているマークをイラストレーターでトレスしてベース画像を制作する。
 そして、機体のラインについては形状にあったラインを描くだけ。基本は直線なので簡単だし、ネット上にあるフリーフォントからアメリカ空軍フォントをダウンロードして機体番号などをでっち上げる。
 その間にもキットを組み上げるが、バリだのヒケを修正し、主翼にあるパイロンの穴などをふさぐ程度で特殊な工作は不要である。と言いたいが、古いキットだけにバリの処分や合いの悪いパーツなどとにかく泣かされる。つーか、いい加減ハセガワも金型を改修してくれと。
本来なら、このサイズのスケールモデルにはモールドを生めるという理由からパテやサーフェイサーは使わないのだけど、隙間などが結構できるので、泣く泣くパテを使いながら使いながらも完成する。
 塗装についても、胴体はフラットベース入りのクールホワイト一色。そこに翼などにワンポイントを入れるだけなので、シンプルなもの。しかし、一番難儀するのはここからなのであった。
 完成させた画像をデカールシートに印刷、表面をコーティングするだけなのだが、これがなかなかうまくいかない。
コーティングが薄いとインクが水に溶け出す。かと言ってコーティングが厚いとデカールそのものが分厚くなって段差になる。またはデカールがカールしてしまい気がつくとボロボロに。
 結局予備のシートを買ってくる事になってしまい、残ったシートを利用しつくす為の計画は完全に破綻してしまうのであった。
とはいえ、失敗を繰り返しながらデカールも貼り付けも終わり、あとは仕上げのみとなる。
とりあえずは剥き身で置いていたらすぐに埃がたまってしまうし、完成品を積む事も容易であるという理由からケースを導入。これがまた別の山を作るという問題は置いておくとして。
 ただ、ケースに機体を入れると言うだけでは味気が無いので、表面をサーフェイサーで埋めた後、情景スプレーやグレーを吹き付ける事でコンクリートの地面っぽくして、駐機場らしくする。そして、別に入手した別売のアメリカ空軍グラウンドクルーセットの中からパイロットと女性整備員を選び、これをハスミ大佐とジャンセン飛行士にする。これは、JAXAのサイトから宇宙飛行士の訓練中の画像を参考に、パイロットスーツやハーネスの色を塗るだけでだけで、特に弄りはしていない。
 そして、これらを組み合わせてダイオラマっぽくして完成である。
 いつも通り、当初の目的と手段が入れ替わるという状態になったけど、なかなかいい感じで出来たのではないかと自画自賛してみる。
 でも、もう少しすればNASAもこういった機体になるんだろうね。


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